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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第173話 今回の訓練はスカッシュ訓練法だよ配信

 完成した魔道具【ピッチングマシーン】と共に、私は道場に向かう事にした。もちろん、サビキ元王女とトカリの2人と共に。

 なにせ、この魔道具【ピッチングマシーン】は、彼女達を訓練するために作ったのだから。


「さぁ、入って入って」


 私はそう言って、道場の兵士達に作ってもらった部屋に3人で入る。

 この部屋は兵士達に作ってもらった特注の木造建築物。窓1つない、四方を壁に囲まれた小屋であり、中には家具1つない殺風景な部屋であった。


「ここは、訓練場ですか……? なんとも殺風景なのでして」

「そうなのだ。全然、なにもないのだ」


 そう、何もない。ここには敢えて、柱も、家具も、なにもない、そういう風に作らせてもらった。


「一応、この建物に使っている木材は、【弾性】を強めに付与しています。普通に歩いたり、走ったりする分には問題ないですが」


 パチンっと、指を鳴らす。そうすると私の後ろから、空を飛ぶ魔道具【ピッチングマシーン】が自動的に現れ、パンっとボールを射出する。

 射出されたボールは、壁に当たり、そのまま強めに付与された【弾性】の力により、弾かれ、部屋の中を跳ね回る。


「このように勢いよく放たれたボールだと、【弾性】の特性が発揮されて、跳ねまくる」


 これは、スカッシュと呼ばれる室内テニスを参考にした訓練だ。

 スカッシュは室内で行われるインドアスポーツであり、四方を壁に囲まれたコートと小さいゴムの球を用いて行う屋内球技。ラケットによって弾かれた球は前面の壁に弾かなければならないという決まりはあるが、部屋の壁や天井も自由に使うことが出来る。

 弾かれた球は、予想もしないところからバウンドしてこちらに向かって来る。相手は、その球が2度、地面を跳ね返るまでに跳ね返さなければならないという、そういうスポーツだ。


「今から行う訓練は、魔道具【ピッチングマシーン】が無尽蔵に出してくる野球ボールを避ける訓練だ。

 相手は剣を自由自在に飛ばして攻撃してくることが、ゴーレムの情報により判明している。その際、うちのゴーレムからの言葉を借りれば、目にも止まらぬ速さだったという」


 これは、予期しない所から向かって来る野球ボールを、避ける訓練だ。

 カイデンが放つ剣の投擲術は、私が予測するに、目で見て避けられる速さではない。


 だから、この訓練で、目に見えない所から放たれてくるモノを避けるのに慣れてもらおう。そう思っている。


「野球ボールは、当たっても魚人族のあなた達にとっては、多少痛いくらいでしょう。しかしながら、本番ではこれが剣。それもあなた方の命を奪うモノだと思ってください」


 魔道具【ピッチングマシーン】が放つ球の速度は、3種類。

 普通モードの100km/h、高速モードの200km/h、そして超高速の1224km/h。

 ちなみに、超高速のモードの数字が『1224km/h』と、中途半端っぽい数値になっているのは、適当につけたからではない。


 ----時速1224km。これは、"マッハ1"の速度なのである。


 そう、マッハ。ゲームとか創作の中で、めちゃくちゃ凄い速度として表現される、あのマッハの速度である。


「一応、言っておきますが、この魔道具【ピッチングマシーン】は球速は変えられますが、球種はただまっすぐ投げるというストレート一本だけなので。まぁ、自由自在に空を飛んで動くという時点で、この怖さは伝わると思います」


 私がそう説明すると、2人は今回の訓練の難しさが分かってくれたようである。


「なるほど、私達はそれを【刀剣拳法】を使って、避けまくれば良いんでして?」

「壊しても構わないのだ?」


「避けるのは良いよ、サビキ元王女様。ただ、腕などで防ぐというのはダメだよ。本番では命を奪う剣になって襲い掛かって来るんだから、普通に腕で防いだら突き刺さってしまうと思って欲しい。

 トカリさん、あなたの質問である壊しても良いのかと言う問いについては、しても良いと答えよう。ただし、それに夢中になりすぎてもいけないので」


 ……分かってくれた?


 分かってくれたのなら、それで良いでしょう。


「それじゃあ、後はこのスカッシュ訓練法で、【刀剣拳法】にさらに磨きをかけながら、頑張ってください」

「「了解しました!!」」


 2人の力強い声を聞いた私は、そのまま入り口を閉じる。球がここから出て行ってしまっては、訓練にならないから。




「----さて、それじゃあ続いてはあなた方に説明しないとダメですよね」


 私は、スカッシュ訓練法を試したいと言ってきた、シュンカトウ共和国の兵士達も見る。


「教官! お察しの通り、既に訓練棟はもう1棟、作っております!」

「あー、うん。そうなんだぁ(棒」


 うん、そういう展開になるだろうと思って、魔道具【ピッチングマシーン】をもう一台作ってたんだよね。


「魔道具【ピッチングマシーン】はここにありますし、説明書はここにございます」


 私はそう言って、集まって来たシュンカトウ共和国の兵士達、その中の隊長格に魔道具【ピッチングマシーン】と説明書を渡しておく。

 分からない部分があるのなら、この建物の中に居るサビキ元王女達に聞けば、それで済むからね。



「おぉ! これが新しい訓練法!」

「今度の訓練は、避けるのに特化した訓練なのですね! 隊長!」

「模擬戦闘用のデルタちゃんではできない、訓練も出来そうだ!」



 盛り上がっているようで、ほんと、なによりですよ。

 さて、あとはシュンカトウ共和国の兵士達にお任せする事にして、私は帰る事にしたのでした。

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