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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第170話 何事も検証は大事だよね配信

 魔女スタダムと取引を終えた私は、簡易的な戦闘用ゴーレムを作成していた。


 サビキ元王女とトカリの2人には、【刀剣拳法】を習わせているんだけれども、それはあくまでもこうすれば『闘争のカイデン』と戦えるんじゃないかという、私のただの願望。

 サビキ元王女とトカリの2人が、どうにかして自分達で戦える術はないかと言うから捻り出した案ではあるが、捻り出した以上は責任を取らないといけない。

 いざ戦ってみて、この【刀剣拳法】では無理でしたとなったら、私の責任ですからね。


 ----今回の目的(テーマ)は、"【刀剣拳法】が通じるか否か"。


 戦闘用のデータは、既にデルタちゃんなどで使っている基礎的なデータを採用。その中で、デルタちゃんが持つ武術のデータの中から、手甲(てっこう)を使う武術データのみを参照しておく。

 手甲とは、手の甲を覆う布や革のことで、戦闘用に使う手の鎧のようなモノである。

 この手甲の武術データのみを参照しているのは、資源(リソース)を限定することで、手甲を使った武芸に秀でたゴーレムを作るためだ。


 直接、戦闘に用いるであろう手と足の部分には鎧を。関節部分は強度よりも柔軟性を優先。

 これにより、武器なしの素手による戦闘という面においては、デルタちゃん以上の性能が出せるように設計になっている。

 

「ススリア師匠、完成しました!」

「おぉ、ご苦労さん」


 ある程度、戦闘用ゴーレムの土台が出来た所、グッドタイミングでタラタちゃんが、刀と共にやって来た。

 

 最近のタラタちゃんは、道場に居る錬金術師達と切磋琢磨する毎日をしており、私の指導がなくてもメキメキと錬金術の才を伸ばしている。

 そんな彼女に、今回私は刀の作成を頼んでおいたのだ。


「おぉ~、良い刀だなぁ」

「ふふんっ! 師匠にも負けない出来だと、自負するほどの傑作が出来ました!」


 凄い自信を持っているみたいだが、実際この刀にはそう言っても良いくらい出来が良い。

 刀の耐久度をメインにしているからか、切れ味に関しては多少劣る部分も見られるが、長期間の使用を考えたら、これくらいの方が良いのかもしれない。

 問題となっている切れ味に関してだが、【寸断】という魔術付与がなされており、この魔術付与によって切れ味を確保しているのだろう。


「名刀【森嵐】! 森に吹き荒れる嵐の凄さを表現した、私の自信作です!」

「そうか、凄い刀なんだなぁ~」


 私はそう言って、タラタちゃんからその刀を、


「----えいっ」


 そのまま、作っておいた戦闘用ゴーレムの素体の中央に設置した。----というか、突き刺した。


「ええっ?! わっ、私の最高傑作がぁ~! 師匠、どうして私の傑作を、ゴーレムに突き刺すんですか!」

「その傑作の名刀が、このゴーレムの要だから」


 タラタちゃんから質問が来る前に、刀が突き刺さったゴーレム素体に変化が訪れる。

 

 ゴーレム素体から、突き刺した名刀【森嵐】に向かって、糸が伸びていく。その糸はがっしり、素体と名刀とを繋げ、その糸の数が増えていくと、名刀がどくんどくんっと、まるで心臓のように脈を打ち始めていく。


「魔女スタダムと取引した際に、人造人形マージ・マンジの作り方を聞いたんだ。あくまでも、他に聞くことがあったから、話の流れとして、ついでみたいな形で」


 その際、魔女スタダムはその作り方について、ゴーレムの素体に悪魔を入れた結果、生まれたと言っていた。今回は悪魔の代わりに、名刀を使っているが、やっている事は一緒である。


「タラタちゃんが作り上げた名刀を心臓として、身体全体に刀に付与されてある【寸断】の効果が駆け巡る。

 ----【刀剣拳法】の最終目的としている境地である、自らの身体を刀剣のようにするということの最終系がこれですよ」


 名刀【森嵐】が心臓のように脈打っているのを見届けた私は、その刀剣を隠すように粘土を使って蓋をする。その際、顔を作っておくのも勿論忘れる事無く。


 そうして完成したのは、名刀【森嵐】を心臓代わりに搭載した、青い髪のイケメンゴーレムである。


「起動開始」


 私がそう言うと、名剣を心臓代わりに搭載されたそのゴーレムは、目を見開く。

 目を見開き、起動を確認した私は、起動したそのゴーレムに向かって、メロンを1つ、ゴーレムの前に見せる。


「この果物を、貫け」

「イエス、ボス」


 私の命令に従って、そのイケメンゴーレムは手甲をそのメロンに向かって突き刺す。

 突き刺されたメロンを、イケメンゴーレムはもう片方の手で引き抜くと、私に向かってそのメロンを差し出す。


 差し出されたそのメロンは、ゴーレムの手の中で綺麗に切り分けられていた。



 ただ手を突っ込んだだけでは、メロンはこんな綺麗な形には斬り揃えられないだろう。

 これは、手を突っ込みつつ、体内を流れる魔術付与を調整し、このような形になるように調整した成果である。



 魔術付与の調整は上手く行っているようで、なにより。なにより。



「さぁ、刀剣搭載ゴーレム【ムラマサ】よ。【刀剣拳法】が通用するかどうか、早速シガンの森に向かってくれ」

「イエス、ボス」


 そうして、私が作ったイケメンゴーレムこと、ムラマサは、シガンの森に向けて前進したのであった。

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