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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第164話 魔王ユギーの五本槍配信(1)

 ----時を同じくして。


 ウミヅリ王国の次期国王候補であった、テッポウウオの魚人族であるサビキ元王女はススリアに会うため、彼女の居るという辺境イスウッドへと足を運んでいた。

 サビキ元王女が国を出た理由はひとえに、自身、そして次期国王として内定したリイル王女の身を案じての事である。


 ウミヅリ王国の王位は、弱肉強食。優勝劣敗。強い者しか生き残れない。

 相手よりも強い戦力を持つ者こそが、ウミヅリ王国の次期国王となる。


 それが理由で、サビキ元王女は王国内で随一の力を持ってるからこそ王位闘争から抜けることが出来なかった。それを解決してくれたのがススリア、彼女の教え子であるアデリィである。

 アデリィに敗けたことで、ようやくサビキは王位から退くことが出来たのだが、王国内ではいまだにサビキこそが王位に相応しいという意見がある。



 何故なら----"アデリィが、あっさりズワイ騎士団長に敗けたから"である。



 アデリィの強さは、付け焼き刃。テッポウウオの魚人族たるサビキとの戦いのみを見据えた、要はその場さえ凌げれば良いという目論見で行われた戦術。

 サビキに敗けはしても、日々研鑽に研鑽を重ねているズワイ騎士団長ならば、その綻びを見つけ出して勝つのは簡単な事なのであった。


「おかげで、『アデリィが勝ったのは、まぐれ。もう一度、サビキ王女が戦えば勝つのはこちら』という意見が多すぎて困ったねぇ~」


 そんなわけで、担がれるのはもう二度とごめんだと、サビキは冒険者として生まれ故郷たるウミヅリ王国を離れ、ススリアに師事するために辺境イスウッドへと向かっていたのだ。


「……ところで、本当にあなた達も王国を離れて良かったのですか?」


 と、サビキは後ろを振り返り、同行者に話を振る。

 ----そう、ウミヅリ王国を去り、ススリアの所に向かおうとしているのは1人ではなかった。


 彼女の同行者は、アザラシ族の【トカリ・ブロッサム】、クラゲ族の【ジュレ】。彼女達はススリアが訓練をしていたアデリィを含む10人、そのうちの2人である。

 トカリはブロッサム家の三男という貴族であるが、ススリアの合宿に行くまでブロッサム家の権力(ちから)を使ってやりたい放題していたごく潰し。家からは半ば勘当状態。

 ジュレの方は考古学----特に魔王ユギーが居た頃の時代を研究していた研究者。なかなか研究が進まず、ウミヅリ王国での活動に限界を感じていた。


 トカリとジュレの2人は、ウミヅリ王国で自信が活躍できる道はないと常々感じていた2人で、サビキの出立を受けて、彼女に同行を申し込んだのである。


「えぇまぁ。自分でいうのも何ですが、俺はススリア教官の指導を受けるまで、やりたい放題やっていましたなのだ。王国内にもう未練はありませんなのだ」

「ウミヅリ王国で学べることは、学び終えたという判断じゅる。一緒に行けて、何よりじゅるよ」


 2人は、ウミヅリ王国には何も未練はないようだ。これに関してはサビキも同じなため、同意して、辺境イスウッドに向かう事になったのである。




 辺境イスウッドへの長旅。ただ黙々と、歩いているだけではつまらなかった3人は、お互いの事情について話し始めた。

 サビキは王女としての帝王学の話、トカリはアザラシ族が行っている独特の文化について話し始め、その流れでジュレも話す事になった。


「では、元王女様と元貴族様に話すには退屈かも知れないじゅるが、私の方からは魔王ユギーの配下たる五本槍の話をしたいと思うじゅる」

「「五本槍……?」」


 王族として、貴族として、魔王ユギーの話は普通に知っていると思っていたはずの2人。

 しかしながら、五本槍というのは2人は知らず、専門的な話なのだろうなと思いつつ、2人は話を聞くことにした。


「魔王ユギー、堕落を司るかの魔王には5人の幹部が存在したと伝わってるじゅる。その5体の幹部は、それぞれ悪魔であり、魔王ユギーを復活させるべく、祝祭を行うと伝わってるじゅる」

「祝祭とは、どういうモノなのだ?」

「魔王ユギーは堕落を司る、つまりは楽しい事が大好きなので、その楽しい事をやるのが彼らの仕事でおじゃる。楽しい事をして、魔王ユギーをその楽しさで誘い出すというのが目的らしいじゅる」


 そう言って、ジュレはその五本槍のメンバーの名前を挙げていく。



 ----【快感のブラッド】。

 ----【激突のカナエマス】。

 ----【狩猟のドン・デーロ】。

 ----【闘争のカイデン】。

 ----【無敵のナタラ】。



 この5人の悪魔が、五本槍のメンバーと言われている者達である。

 五本槍の名前を聞いて、戦闘狂の一面もあるサビキは「ほほぉ~」と興味を示していた。


「面白いなぁ~。どいつが一番強いとか分かりますぅ~?」

「それがどの資料を見ても、一番強いのが誰かは載っていなくて……」

「残念。でもまぁ、会ったら会ったで、考えるとしましょうかねぇ~」


 と、単なる笑い話として済ませていた3人。



 この後、この五本槍の1人である【闘争のカイデン】に出会い、3人のうち1人が殺される事になるとは、この時は誰も、夢にも思わなかった。

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