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スローライフ配信をしてたら、相方のゴーレムがアップをはじめたようです  作者: アッキ@瓶の蓋。


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第106話 聖職者さん、お久しぶりです☆配信

「それじゃあ、ススリアさん! デルタさんと共に、ダンジョンに潜りたいッス!」


 どうも徹夜の心強い味方であるハッスルポーションの効果切れで先程まで丸一日寝続けていた、錬金術師のススリアです。

 いやぁ~、こういう時、仕事がない田舎暮らしは、楽で良いですなぁ。

 丸一日寝続けても問題ないし、騒音で目を覚まさなくても良いし。田舎、最高っ!


 そして起きるなり、我が魔物ゴーレムであるアレイスターから、そのような提案を受けたのである。

 私の目の前にはアレイスター、そして素材回収担当のデルタちゃんがいる。デルタちゃんの性格的に、『断らなかった。だからここにいる』という展開だと読んだ私は、まずデルタちゃんに話を聞く。


「デルタちゃん」

「はい、ボス。なんなりと」

「もし仮に、私が同行を命じれば、2人で素材回収をお願いしても良いかな?」


 デルタちゃんは、すーっとアレイスターの顔を見て、そして再び私の方を見る。


「彼女の実力は、私の武力とは違いますが、認めています。一緒に付いて行って問題ないかと」

「そう、それなら良いんだ。あとはアレイスターと私が話してるから、デルタちゃんは素材回収(しごと)に戻って良いよ」

「了解しました、ボス」


 ペコリと頭を下げ、そのままデルタちゃんは外へ出て行った。


「さて、アレイスター。私としては、デルタちゃんが認めているなら問題はないと思う」


 デルタちゃんは魔法は使えないが、戦闘のプロフェッショナルとしてデザインしたゴーレム。

 そんなデルタちゃんが、アレイスターの事を『自分にはない武力を持つゴーレム』として認めているのならば、付いて行っても問題はない。


 それに、アレイスターには、何の仕事も与えていない、実質ニート状態だったからなぁ~。

 『魔物の身体を取り込んだゴーレム』が作りたかっただけで、別に作った目的とか何もなかった訳だし。


「デルタちゃんの指示に従え、とは言わない。ただし、デルタちゃんと行動を共にする事。それで良い?」

「了解ッス! デルタに従うッス!」


 ビシッと、敬礼ポーズを取るアレイスター。


「このアレイスター、今よりデルタと共に、ダンジョン総突撃をかけるッス!

 ----よっしゃああ! 仕事するッスよ~! もうニートじゃないんッスからねぇ~!!」


 おっしゃああ、とそのままアレイスターは、勢いよく玄関の扉を開けて出て行った。

 ……色々と溜めすぎたかもしれない。あとで労うべきだろう。


「さて、ベータちゃんのお食事を食べながら、なにか配信のネタでも考えますかねぇ~」


 私はそう言って、ほぼ一日ぶりの食事を堪能したのであった。




 その人物が訪れたのは、私が食べ終わって、配信ネタを考えてガンマちゃんに渡した頃だった。



「お久しぶりです、錬金術師ススリア様!」


 優雅なノック音とは裏腹に、そう言って訪ねてきたのは、聖職者タメリック。

 以前、イスウッドにやって来て、私がコテンパンに言い負かした結果、なんか覚醒(めざめ)てしまった聖職者である。


「タメリックさんじゃないですか。久しぶりですね」

「えぇ! 最近までは霊峰オリンポシアに居ましたから!」


 タメリックさんの話によれば、神聖術『天使降臨』を初めて使えるようになった彼女は、霊峰オリンポシアに居てたらしい。

 本来であれば、カーラ法王よりも高位の神聖術を使えるようになった彼女が、次の法王となるべき流れも、私とのリモート会議配信のおかげで皆が高位の神聖術を使えるようになった結果、未だに聖職者の地位なのだそうだ。


 話を聞くに、地位は上がらずとも、発言権とか有用性が上がって、こき使われてるみたいである。

 私個人としてはもっと評価されるべきだと思うのだが、本人がそれで納得しているみたいだし、指摘はしないでおこう。


「はっ! 今日は私のことでお伺いしたのではなかったのでした! 実は本日お訪ねしたのは、こちらの方をご紹介したいからで----」

「そそ☆ 本命はこっちだぞ、錬金術師の少女さんよ!」


 "きらーん☆"と、文字通り後光と共に現れた桃色髪の少女。

 白いフードに、なんともいえない特徴的な髪飾りをした彼女は、「やっほー☆」と上機嫌にこちらに手を振っていた。


「どうも、ススリアです。それであなたは……?」

「おっ! 『あなたの名前は?』、『それを言うならそちらが名を名乗れ!』という、定番の流れ(おやくそく)を交わすとは、なかなかやりますなぁ☆」


 妙にハイテンションなその少女は、後光を弱める。

 なんか『弱モード!』とか言ってたんだけど、神聖な光なのにそれで弱まるとか、雰囲気台無しだろう。


「自己紹介を----とは言っても、名前についてはまだ話せないオフレコ案件なので、肩書きをば。

 ----私は治癒神。この地に、この女の子の身体を借りて降臨した女神様。そしてぇ☆」


 じゃじゃーんっ!


 懐から取り出しながら、口で効果音を出すという作業をして。


「----配信者『あるけみぃ』の登録者10万人突破を、銀の盾にてお祝いしに来ましたぁ!!」


 治癒神様は、「偉業達成、おめでとさん☆」と、私を祝福するのであった。







「……いや、遅くない?」


 いま私、登録者20万人越えなんだけど。

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