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プリンセスは殺し屋  作者: じゃがマヨ
殺し屋稼業
88/100

第88話



 再生。



 水たまりの上に足を踏み入れた時、水の表面は足の形に砕け、波の模様を形成する。


 側から見れば、「泡」が破裂したようにも見えるだろう。


 足が水面に触れた瞬間。


 その「一瞬」に元の形は失われ、勢いのままに姿を変えていく。


 怪物の左腕、——斬撃が入った表面には、水が砕けたような繊細な模様の変化があった。


 波の波紋に生じる水面の変化。


 それが、刀が触れる鋒に“零れて”。



 動作は途切れていなかった。


 怪物は止まらない。


 血飛沫が舞った。


 その不測の状況にも、「攻撃」への選択を途切らせない。


 体が再生したのは動作の渦中だった。


 前に押し出そうとする力。


 上半身から搾り出される回転力を重心の内側に連動させ、腕を伸ばす。


 血の一滴一滴は舞い上がったままだった。


 空中に留まる液体の雫が、無数の粒子となって浮かんでいた。


 時間が静止したようにも見えた。


 “時間差”があったからだ。


 体育館で見た、謎の現象。


 あの時確かに、ヤンキー野郎の腕が“変形”していた。


 変形し、骨が露わになっていた。


 それにも関わらず“再生”していた。



 …いや、わからない



 あの時のあの現象を、なんていう風に表現していいかわからない。


 砕けた水面が元の姿に戻る。


 それに近い「現象」が、視界に通り過ぎていく。


 

 


 

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