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プリンセスは殺し屋  作者: じゃがマヨ
殺し屋稼業
83/100

第83話



 ガッ



 強烈な接触音が周囲に響く。


 鈍く、それでいて重い。


 見えない壁を隔てて互いの視線が交錯する。


 怪物の爪は届かなかった。


 ただし、重力が引っ張られる“感触“がした。


 ブーニベルゼはさらに低い姿勢を取る。


 グッと落とした下半身を拡げたまま、徐々に両膝が沈む。


 刀を逆手に持ち変えていた。


 持ち変え、後方へと体を捻る。


 サッとスカートが浮く。


 足を開いたことによる反動と、反応。



 見えない壁の接触面には、確かな「爪の痕跡」が残っていた。


 それは「色」や「形」で識別できるものではなかった。


 具体的な質感はどこにもなかった。


 粗い。


 砂を舐めたときのような、ザラザラとした触感。



 ——ふくらみ。



 視界に掠めたのはそんな印象だ。


 掻くではなく”穿つ”。


 爪が通過した軌道線上には、ミミズ腫れのような線が這っている。


 壁の外側に生じる凹み。


 それはじきに修復されたかに見えた。


 「見えない壁」は、怪物との間に確かな距離を生んでいた。


 ブーニベルゼの左足。


 それを支点とした境界線が、円形状に敷かれ。


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