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第63話
「げ!」
「ゲ!とはなんですか。失礼ですね」
さくらの肩に乗っかっている“生き物”。
今日はパタパタ飛んでいないが、一目でわかった。
相変わらずモフモフだ。
紫色の体毛で覆われてる生き物なんて滅多にいない。
それに、
…って、あれ?
…なんか、前より小さくなってない?
「吾輩の姿は一般の方には視えません。ですからあんまりジロジロ見ないでもらえます?変人だと思われても、責任は持てませんから」
わ、わがはい!?
「わがはい」って言った今??
声と一人称のアンバランスさにビビる。
吾輩って…
どこの坊ちゃんだよ
いや、そもそも「吾輩」と坊ちゃんって関係あるっけ…?
ってか、そんなことはどうでもよくて!!
「他の人には見えてないって…?」
「あんまり気になさらないでください。それより、ブーニベルゼ様!?」
「なんだ、騒々しい」
「そんな軽々しく回復はしない方が」
「骨を修復する程度のことは、回復とは呼ばん」
「それは、いささか暴論かと…」




