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プリンセスは殺し屋  作者: じゃがマヨ
世界最強になるために
49/100

第49話



 ザッ



 あり得なかった。


 ヤンキー野郎とは数メートル離れていた。


 剣道の間合いは、僅か数センチの「密」の中に動く。


 十分な距離は取っていた。


 意識が覚束ないながらも、相手の位置は把握していた。


 本能が悟っていた。


 距離を取る必要がある。


 様子を見て、相手の出方を見る必要がある。


 即座にそう感じる自分がいた。


 「やばい」と思った。


 不用意に近づかないようにしたんだ。

 

 つま先に力を入れ、いつでもステップを踏めるように。

 


 相手が動いた。


 その認識の渦中に揺れる鼓動。


 視線。



 “見たことがない光景”が、そこにはあった。


 …というより、ほとんど想定していなかった。


 対応できるはずの「範囲」から起きた、予測不能の動き。


 認識の外から来る異常な“スピード”が、針の穴を通すように疾る。


 俺は動けなかった。


 動こうと考えることすらできなかった。


 ヤンキー野郎はすでに“真横”にいた。


 視線が追いつかなかった。



 そんなこと、俺の今までの人生にはなかった。


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