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プリンセスは殺し屋  作者: じゃがマヨ
世界最強になるために
47/100

第47話


 キュッ



 敵の姿を見失うことなんてない。


 色んな相手と対峙してきた身だからこそわかる、感覚。


 相対する間合いの中での視野。


 それがどれだけ狭くても、相手の位置は常に“内側”にある。


 距離を見誤ることなんて無かった。


 今までは。



 …だがなんだ…?


 この感覚…



 敵の位置がぼやける。


 輪郭が滲むというか、インクがぼんやり滲んでるような“不確かさ“


 実体が霞むほどの不自然な「距離感」があった。


 それが「何」かはわからなかった。


 視界と認識との間を隔てている“何か”。


 遠すぎるわけでも、近すぎるわけでもない。


 もっと単純な質感の中に、それはあった。


 地面と足が擦れるほどの近さで。




 バッ




 …埃?



 一瞬景色がスローモーションに“千切れた”。


 茫漠とする時間の奔流。


 回転する視界。



 足の指先は痺れていた。


 痛みとかじゃなく、チリッとした質感。


 ゆったりとした敵のモーションから、目まぐるしい挙動の変化が溢れ出る。


 それを「目」で追うことはできなかった。


 ただ、感じたんだ。


 踏み出せない間合いの外側から、感じたこともない気配が逆巻いているのを。



 

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