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プリンセスは殺し屋  作者: じゃがマヨ
世界最強になるために
41/100

第41話



 「それでは、はじめッ」



 審判の合図が上がり、俺たちは向き合った。


 正式な剣道の試合とは少し勝手が違う。


 なぜなら、陽菜の連れてくる刺客たちは、蹲踞の仕方すら知らない素人が多い。


 めんどくさいから簡単なやり方に変えたんだ。


 中央で向き合って合図を待つ。


 合図が出たら試合開始。


 見る方もその方がわかりやすい。


 とくに、剣道には興味すらないお嬢様の「目」には。



 タンッ


 タンッ



 さて、どっから攻めてやろうか。


 “攻める”って言っても、隙だらけなんだよな…


 剣道で重要なのは「呼吸」だ。


 相手との間合いの中でいかに自分の“息”を継続できるか。


 素人でよくやりがちなのが、相手の動きを目で見ようとすること。


 人間の体の構造を理解していれば、どっから竹刀が飛んでくるのかは考えなくてもわかる。


 素人であればあるほど視線がばらつきがちだ。


 目の動き。


 ステップの位置。


 全ては線として繋がっている。


 時間や空間は常に有限なんだ。


 その「距離」を養うことが、敵の行動を正確に把握するための「アンテナ」になる。


 ジッちゃんは言っていた。


 最小距離の連続。


 「動き」の中にしか、「静」は存在することができない。


 「静」と「動」は常に相対する関係にある。


 だからこそ、常に最短距離への領域に、足を踏み入れていなければならない——


 と。

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