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プリンセスは殺し屋  作者: じゃがマヨ
モードチェンジ
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第100話



 「モードを変えたようね」


 「へ?!」


 「私たち「悪魔」は、形態を変化させることができる。お姉様から聞いてないの?ひどく驚いているようだけど」



 陽菜、——いや、陽菜の姿をした悪魔は、怪物の変化を見た後にそう言った。


 形態の変化。


 そのことについては、さくらから聞いている。


 聞いた話が正しければ、さっきの「姿」はノーマル・モード。


 悪魔の“純粋”な姿であると言える。


 戦闘形態とも言い換えられる身体能力の向上。


 魔力が表面化し、運動機能の様々な部分が上昇するそうだった。


 契約者の人間の体を借りている状態からは、比較にならないほどの——



 ドドドドドドド



 空間を席巻する雪の嵐。


 巨大な暴風が円を描きながら、急速な引力を中心に集めている。


 怪物は顔を伏せ、目を閉じた。


 残された一本の右腕で、体を抱える所作を見せる。


 その拍子に翼が縦に持ち上がり、船の帆が開いた時のようにバサッと全開に広がった。


 体全体を覆い隠すほどの大きさだった。


 広がったまま、クルッと骨組みが曲がっていく。


 前方へと巻き付くように膨らみ、全身が翼の内側へと隠されていく。


 最終的には、繭のように小さく、——丸く、“閉じた”。


 殻に閉じこもった。


 見方によっては、そう捉えることができたかもしれない。


 その間にも嵐は強まっていった。


 空気の流れを変えるほどの白の濫觴が、目の前を通過していく。


 吹き荒ぶ雪の結晶は、風の方向に従って刃のように尖った軌跡を辿っていった。


 服や髪の毛の上には雪が降り積もった。


 地面の色さえも、少しずつ変化を帯び始めた。


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