七話
俺は町にある教会へと連れて来られていた。
一応今日は父も一緒に来てくれている。
母は久しぶりに父と外に出られた事が嬉しいのか頬を赤らめなんか雌っぽい雰囲気……
息子の前でそんな感じもいかがなものかと思うんだが
母も恋する乙女だ、しょうがない。
父もこんなに愛されているのなら
また一発抱いてくれたっていいのにと思う。
だって浮気合法化の世の中だよ?男に限るけど。
既に堕ちた女がいるならいくらでも手を出してしまいそうなんだがなぁ…
まぁ童貞のまま死んだ俺にはわからん世界か。
風俗で本番行為をやらなかったのが今では悔やまれる……。ぐぬぬ
そして教会の中で神父さんらしき人に案内され
女神像?の前へと案内される。
この世界では6歳になり
ステータスプレートと共に名前を授かることになっているそうだ。
(今、名前は)無いです。
ステータスプレートの登録をすると
そこへ名前が浮き上がって来て、それが名前となるそうだ。
親が名前をつけられない社会ってどうなのと思うが…
そしてステータスプレート渡された
一本のナイフを渡された。
「そのナイフで指を少しだけ切って、ステータスプレートに自分の血を付けなさい。それで登録は完了します」
それ神殿でやる意味あるの?
しかも六歳児に自分の指を切らせるって、世も末だな。
大日本帝国ではそんな事許されんぞ、まったく…
俺は両親と神父さんに見守られながら
ステータスプレートに血をつけた。
すると女神像が光り輝いて
ステータスプレートへと光が注がれていく。
(だから女神像の前でやるのか…)
そして俺のステータスが浮き上がって来た。
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名前 レイダー・ラグーン
種族 人間
魔法 土
スキル 墓荒らし(初級)、視野拡大(初級)
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意外と項目が少ないのな…。やっぱり魔法は土だけか……。
視野拡大はわかる。というかあれだけ使って範囲も増えて
いたのに初級ってどういう事?スキルがランクアップとかしてなかったの??
それよりもこの……墓荒らしって何?
「お二方、ご子息様は無事に女神様の御光を授かったようですよ。さぁ、ご両親に君のステータスをお見せになってください。本人が許可をしなければ他の人間には見る事ができませんので…。心の中で念じるだけで結構ですよ」
なるほど
だから今まで人のステータスプレートを覗き見しても中身が分からなかったのか。
両親に対してステータス開示を念じて
ステータスプレートを、渡す。
すると父の様子がーー。
「…なんだこのスキルは?墓荒らし? 聞いた事もない!。ラグーン家の者ともあろう者がなんと卑しいスキルを賜ったものだ。はやり所詮は妾の子か。」
え? 墓荒らしって前例ないのかよ!
マジで?これヤバいんじゃない…?
父上、なんかゴミを見るような目になってるんだけど!?
チラと母を伺うとその目からは正気を失い
以前よりも表情が死んでいた。
「やっぱりこんな子に期待したのが間違いだったんだわ……。覚えも早くて、もしかしたらと思っていたのに…こんな子産むんじゃなかった。」
おぉん……。ちっさい声で言わないで……。
父との繋がりになり得ないとわかった途端に母上も俺を見限ってしまったのか……
6歳まで耐えたらどうにかなると思ってたけど
これ、色々まずいんじゃない?
そのまま3人とも無言のまま屋敷へと帰っていった。
父は目も合わせてくれないし
母に関しては終始俯いて何かぶつぶつ喋っている。
スキルを使えば盗み聞きも出来るんだが、とてもじゃないが聞く勇気は無い。
そのまま俺と母は食事も与えられずに
部屋に閉じ込められた。
これ……、この先どうなってしまうんだ?
母は帰って来た途端にベッドに入って起き上がる気配もないし
部屋の外には出してもらえないし…
なんか鍵かけられてんのよね、外から。
こんな所で終わっちまう訳にはいかんし
なんとか部屋の外に出る方法を考えないと…
そしてその日はいい方法も思いつかないから
とりあえず俺も寝ることにした。
翌朝、部屋に入ってきた使用人の悲鳴で目を覚ますのだが。
まさか、6歳で母を失うとは思ってもいなかったよ。
底辺作家なので
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