六話
あれから魔法の発動についてはどうにかなった。
魔力を感じる体の内側からなんかこう
練り上げるような感じで持ってくる必要があったらしい(盗み聞き)
それから火、風、水、土、光、闇と
それぞれの属性をイメージして発動できないか試してみたんだが
どうやら俺の適性は土魔法だけらしい。
次男坊のように複数属性持ちを期待していたんだが
出来ないものは仕方ない。
けど、この世界の魔法はイメージを具現化するもの
土魔法が使えるなら
農地開拓や防衛拠点の作成とか、そっち系で有能認定してもらえるかもしれん。
領地発展は大事だからね。
それと魔力なんだが
どうやら属性魔法に変換しなくても
そのまま放出することも可能なようだ。
一度練り上げた魔力を収束して
ビームのように放出するイメージで放ってみたら壁に穴を開けてしまった…
誰もいなくて良かったけど。
体全体から霧のように放出するイメージで放ってみると
魔力だけが減って、特に影響は無さそうだったから、しばらくはこの方法で魔力量を増やす事に注力する。
1歳になった時、俺は言葉を喋り、自力で歩き出すようになった。
本当はもう少し前からできたんだが、あまり早すぎても変に注目を浴びて、俺の自主トレに支障が出そうだと思ったからだ。
とは言えかなり早い成長を見せた俺に
使用人達は俺をもてはやしてくれ、母も徐々に回復の兆しを見せていたが、それでも父はどうやら俺を疎ましく思っているようだった。
正妻では無い女の子供が優秀だと、色々と都合が悪いらしい。
俺の義母に当たる正妻様からの対応も非常に悪かった。
まぁ基本完全な無視だから実害は無いんだが…。
◆
そうして俺は6歳になるまでの間
隙を見て魔力切れを起こす訓練を続け
3歳くらいからは人の目を盗んで家の敷地外へと抜け出し、土魔法の練習を続けた。
この頃にはスキルの視野も半径100mほどまで広くなり
人の目に触れずに抜け出す事も容易になったからだ。
これ、暗殺とか諜報員とかしたらめっちゃ稼げるんではなかろうか。
生後数日の頃から魔力量増加を繰り返していた事もあり、ラグーン家所属の一般兵達よりは魔力量が増加したと見れる。
なんか四六時中魔力操作してたら他人の魔力量がわかるようななったのよね。
それでも、魔法特化次男坊様の半分くらいしか無いけど…どういうことなの……。
そして遂に俺は6歳の誕生日を迎え、ステータスプレートを授かる日がやって来た。
ここまで長かった…
だが、他の人間には真似出来ない鍛え方をガンガンやって来たんだし、神様からの特典(良いスキル)が判明すればそれも特化して鍛えれば良いし
いくら妾の子とは言え父上様も俺を無視は出来ないようになるだろう。
有用だと証明されれば
とりあえず手元に置いておくぐらいはするはずだ。
そこから実力を示して成り上がっていけば良い。
そしたら領主になるのも割と現実メイテ来るはずだ。
しかし俺は思いもしなかった
まさか神様の特典のおかげで家を追い出されることになろうとは
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