回想 教官の事情。2
遅くなってすみません。
私生活が思ったより忙しくなって不定期になりそうです…
それからの彼は変わってしまった。
以前のような姿は無く、日々何かに追われている。
そう思わせる程に余裕が無く、常に何かを求めていた。
そんな中店長になった彼は更に余裕が無くなり、次第に酒やギャンブル、風俗へ逃げるようになってしまった。
その頃の私には彼の周りに居る存在にも気がついていた。
私を失い、心が壊れた彼はその存在の影響に抗う事は出来なかった。
わかり易く、誰の目から見ても明らかに落ちぶれていく。
その存在を押さえ込もうと必死に抵抗したが、私の力では到底及ぶ事は無く、ただ彼の崩れゆく様を見つめる事しかできなかった。
どうして……?
なんで彼がこんな目に合わなきゃいけないの?
結局何も力にはなれず
私は彼が自ら命を捨てる瞬間まで、ただただ絶望していた。
でもーー、これで彼と一緒になれる……よね?
しかし、彼の魂を見つける事が出来なかった。
死ぬ瞬間は確かに確認した。
でも彼の魂は一瞬姿を見せたと思ったら
光に包まれて消えてしまった。
死んでも一緒になれないって言うの……?
どうすることも出来ず、彼を死なせてしまい
死後の世界で再開する事すら出来なかった。
こんな残酷な事があるのだろうか。
どうすることもできない私の目の前に
彼の魂を飲み込んだ光が現れたーー。
「お主に提案がある。もう一度、『彼』と共に在りたくはないか?」
私にその言葉を拒絶する事は出来なかった。