五十二話 街へーー。
さて、いよいよ街に繰り出す訳だが……
なんだこの白馬部隊…
しかも引いてる馬車がそれぞれ10トントラック並みなんだよなぁ……。
車はダメで、霊獣は良いのかよ……普通に見られたら騒ぎにならない?
《 単体の戦闘力を考えても問題ないかと。戦闘力は皆、あの時のハクより少し劣る程度です。彼らが三人がかりでも一体倒せるかどうかです 》
マジかよ、狂ってんな。
って事はハクとヴァンはもっと強いんだよな?
調教してて良かった、いやほんと。
つまりアイツらをどうこう出来る存在は、ほぼ居ないと考えて良いわけか。
よく言い聞かせておけば大丈夫だな。
《 私からも伝えているので問題ありません。それに白馬達は『念話』を取得しましたので、離れた位置からの指示も可能です 》
え? いつの間に?
《 霊獣化した際に取得していました。馬種の魔物が霊獣化すると自動的に取得するものかと 》
なんでそんな事知ってるのかも気になるが
あいつらそれでも何も言ってこなかったな……恨まれてるのかな?
《 魔物は霊力の影響を受けやすいです。霊体である私が干渉する事も容易でした。以前伝えたはずですが? 》
はい…すみません。
なんで直ぐに喧嘩腰なんだよこの守護霊。俺のメンタルも守護しろよ。
……まぁでも一応白馬達に念話してみるか。嫌われてそうだけどな。
《 おい、お前たち 》
《《《 !?はっ、はいっ!!》》》
これはアレか、ビビってるのか。
確かに死ぬより酷いことしたもんな。完全に俺が悪い。
《 いや、なんだ。聞いてると思うが、これから人種が生息してる街に向かうんだが、俺たち以外の人種の言う事は聞かずにな。ついていってもダメだぞ? 》
《 承知しております!! もし命令に背けば主より厳罰が下ると伺っておりますので、この命に変えても!守って見せます! 》
なんて余計な事を伝えてるんだ。
完全に恐怖の対象じゃないか。
いや、元はと言えば俺が悪いか……いや、教官がさっさと『調教員』について教えてくれていればこうなってなくね? あっ、俺悪くないわ。
《 自らの無能を他のせいにする…と? 》
よく考えなくてもぼくのあたまがわるいせいでした。
◆
「じゃあこの辺で一旦霊獣組には待機しててもらおうか。俺たちだけで街に入ってから様子を見て、商品をまた回収しにこよう」
霊獣達には街からそれなりに離れた所で待機してもらう。
街からは、ほぼ見えない距離になるが、まぁ俺たちなら飛んでくれば一瞬だからな。
「じゃあお前たち、ここで荷物番しといてくれよ?」
《《《 かしこまり! 》》》
なんでヴァンから伝染してるんだよ。
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