四十九話 調教成功
そう言えばこいつら完全に忘れてたけど
どうやったら調教されるんだ??
俺はヴァンと戦う前に『保護』をしておいた緑馬達がいる鉄の牢獄の前に来ていた。
大人しいからまだ気絶しているっぽいけど、どうしたもんかな……。
《 一定量のダメージを与えて、スキル『調教員』を使えば可能です 》
えっ?そう言う感じだったの?
なんだよ!任意発動型かよ!!
ハクの時と同じ方法で行けると勘違いしてたじゃないか!!
なんで教えてくれないんだよ!
《 何故気づかないのか教えて欲しいのですが 》
アッ、ハイ。ゴメンナサイ。
僕、頭悪かったみたいです。
それは良いとして、なんで同じ方法じゃあダメだったんだ?ヴァンは行けたけど。
《 死を超える痛みを何度も与えられ、死ぬことも出来ず、殴り続けてくる相手に貴方は心から服従出来ますか? 》
絶対無理です。
なるほど、俺がしていたのはそう言うことだったのか。なんだ最低じゃないか。
《 ハクとヴァンに関しては、霊体に憑依されていた所を助け出す為に行われた行為、と言うところも重要かと。霊獣的にポイント高いですよ 》
あっ、ふーん。そう……。
じゃあこいつらはちゃんと『調教』してやるか。
牢獄を解除して馬達と対面するが……
その顔は生きる事を諦め、全てに絶望している……かのような目で俺を見つめてきた。
馬なのに表情豊かだな、お前ら。
◆
俺はヴァンに乗り村へと帰還していた。
緑馬達も無事に『調教』が終わり、一緒についてきているのだが……
なんでこいつら『念話』使ってるのに反応しないんだ??
無視されてるのかな。おかしいね、嫌われる理由がわからん。
結局、声に出して促したらついて来てくれたのだが……かなしいなぁ。
《 『念話』で出来る事は相手に意思を送りつける事。それから『念話』で受け取った意思を理解する事です 》
は?
何それ、お互いに『念話』を持ってないと意味無いのかよ!!
ヴァンとナイショ話しか出来ねぇじゃないか! なんだこのハズレスキル!?
《 主よ……私では不服なのだろうか…… 》
《 あっ、いやそうじゃないんだ。気を落とさないでくれ、お前と話せる事は俺も嬉しい 》
《 主……ッ! 》
『念話』は使ってないはずだが、ヴァンに何か悟られたようだな。
こいつは懐いてくれてるみたいだから良いけど直ぐシャボくれるのは面倒だな。ポイント低いぞ。
今はご機嫌なのか尻尾をブンブン振りながら走っているが……。なんでみんな犬要素持ってんの? この世界おかしいと思うんですけど。
しかしアレね、緑馬達はそれなりにスピードは速いはずなんだけどヴァンに比べると全然だな。ヴァンは、かなり手を抜いて走っているもの。
うーん。運搬用に数を増やしにきたんだが
ハクやヴァンがこいつらに合わせるせいで遅くなるのもなんかね。 鍛えたら速くなるかな?
《 であれば『霊獣化』を推奨します 》
おい、待て。
簡単に言ったけど出来るんですか?
霊体の影響をめちゃくちゃ受けないとならないんだロウ??
《 聖魔法を与え続ければその内目覚めるかと。聖魔法は霊体に精通する3次元唯一の手段なので 》
なんだよ、聖魔法便利だな。
って事はハクとかヴァンみたいな化け物を量産出来るのか!?
なんて大変な事を教えてくれたんですか教官!
今日から善処します!
《 主よ、私は化け物なのか……? 》
《 ち、違うぞヴァン! 悪い意味じゃなくて、それくらい優秀で頼りになるって事だ! 》
こいつめんどくさいな。
メンタル弱すぎだろ。
って言うかなんで聞こえてるんだよ。
《 私が伝えました 》
どうして問題ごとを増やすんですかね、この人
免許合宿が忙しくなってきたので
更新ペース若干落ちます、すみません。
でも日に1〜2件は落としていく予定なのでよろしくお願いします。
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