四十八話 勝手に、スキルを拾われていました。
倒れていた馬が起き上がる。
トコトコ此方に向かって歩いてきた。
《 白翼馬 データはありませんが、形状は白馬に酷似しています 》
あ、白馬はいるのね。
なんかの拍子に翼が生えたってことか?
教官殿もデータが無いんじゃ俺には分かることはないのだが……。
これはアレだな。
前回と同じパターンかな?
やっと『調教』出来たよ。
調教員も楽じゃ無いな。
《 助けて頂いたこと感謝する、我が主よ 》
ん?
なんだこの声?聞いた事無いんだが
《 スキル『念話』の効果です 》
は!?
ちょっとまって! 俺『念話』なんて獲得してないぞ?
今取得したのか??
《 少し前に獲得しています 》
だから! なんで言わないんだよ!!
いつ!?どこで!?!?
《 ここへ来るまでの道中に『墓荒らし』で回収可能でしたので回収しておきました 》
なんで教官が俺のスキルを勝手に使えるんだよ!?
言われずともやってくれるのは優秀だと思うがせめて教えて……。
《 名付けをしておいた方がいいかと 》
俺の思いは伝わらない、ハッキリわかんだね。
んー。どうすっかな。
ペガサス…ユニコーン……。
ユニコーンって言ったらバンシィ…いや、まんまはダメだな。
2文字だけ残しでバン
いやなんか違うなヴァンにしようか。
VAN様って呼ぶのもありかな? いや無いな。
「俺を主人と認めてくれるなら、お前に名前をつけようと思う。構わないか?」
「私を霊体の憑依から救って頂いたお方の提案を断るわけがありません!」
「おっ、物分かりがいいな。じゃあお前の名前は『ヴァン』だ、いいね?」
「かしこまり!」
おかしいなぁ。なんでそんな言葉知ってるんだ?
《 名付けをした瞬間に魂の繋がりが強くなりましたので、私が教えました 》
教育早すぎてドン引きだよ。
なんで変な言葉教えちゃうの??
あ、そうだ、いかんいかん。
ステータスプレート確認しなきゃ(使命感)
これからは定期的に確認しよう。
なんか勝手に拾ってきたりするからな。
油断できん。
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名前 レイダー・ラグーン
種族 人
魂 562
守護霊 存在値(大)
調教済 白鹿、白翼馬
魔法 火、水、土、風、聖
スキル 墓荒らし(中級)
剣王(初級)
拳王(初級)
弓王(初級)
天眼(初級)
命中精度向上(上級)
硬質化(上級)
身体強化(上級)
植物干渉(上級)
土壌干渉(上級)
天候干渉(上級)
石工師(中級)
木工師(中級)
鍛治師(中級)
調理(上級)
調合(上級)
メイド
男は度胸(上級)
魔力操作(上級)
魔力譲渡(上級)
魔力使用量増加(上級)
騎乗術(上級)
透視眼(初級)
泥棒(上級)
解体Lv2
調教員(中級)
飛行(上級)
消音
腐敗(上級)
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いや、上がりすぎだろ。
殆ど上級になってんじゃん……。
っていうか何?新しい項目増えてるんだが、何?『魂』って。
《 浄化して私に霊力を援助している魂の数を評価しています 》
なるほどね。562って多くね??
そんなに浄化してたのか…世も末だな。
後何よ、『天眼』と『透視眼』って
《 『天眼』は今までの『視野拡大』の強化形態です。視野は少し狭くなりますが、これまでと違い、範囲全てを集中して見ているのと同じ効果があります。 更に動体視力の向上、視覚からの情報に対する演算力向上、洞察力も上がります。先読みも可能です 》
なんで教えてくれないんだよ!!!
ヴァンと戦っている時は意味無いと思って視野拡大使わなかったら気づかなかっただろうが!!
《 ヴァンと戦う少し前に進化していました 》
事後報告されても、もう遅いんだよなぁ……。
先読みも出来るならもっと楽に倒せたじゃ無いか……。なんで進化したか知らんけどまぁ教官だろ。
《 『透視眼』は透視能力があります 》
ん?
透視と聞いて期待していたが、やっぱり透視じゃないか(大歓喜)
やったぜ。早く人間の街に行かなければ、能力の無駄遣いになってしまう。
《 衣服だけを透視する事は出来ません。見えるのは更に内部になります 》
いやふざけんなよ。
そんな透視能力いらんわ!!!
と言うか、『墓荒らし』勝手に使ってたって事は
悪霊も回収してたんじゃないの?
たまたま今回の死体にはいなかったのか??
《 今の私に単体で敵う霊体の存在は稀です。一体ずつ回収し、ねじ伏せて成仏させました 》
あっ、そうなんですね。
やっぱり教官に逆らうのは辞めておこう。
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