四十七話 霊力の条件
教官殿から霊力を使用できるーーッ!
なぜ今まで使えなかったかわからないが
これで何とかなりそうだな。
れいりょくを用いて、肉体強化、聖魔法を刀に込めるーー。
エグいな。前と比べ物にならない力を感じる。
あれから100人近くの守護を受け取ってるんだ。
強化されない方がおかしいか……。
俺の変化に気づいたのか、黒馬はこれまでに無い猛攻を仕掛けてくる。
他の輝きは増し、電撃と風刃が雨のように降り注ぐ。
だが、強化された俺には当たることもない。
距離を詰めーー刀身を奴の体に頭に突き刺す。
ブシュウウウウゥウゥゥゥ!!!
刺さりはしなかったが、大量に霊体が抜けていく。
パキィン!
すると同時に刀が砕け散ってしまった。
切れない相手に無理やり突き刺したんだ。
これも致し方ないか……。
霊体が抜け出し後の黒馬を見ると
その体は白く染まっていた。
……ペガサス?ユニコーン??
よくわかりませんな。
◆
さっきは聞き流したんだけど
霊力の使用に条件があるとか聞いてないんだけど!?
《 人智を超えた力を扱うのに何の制限もないとでも? 》
いや、だってわかる訳ないじゃないか!!!!
《 それにあれ程追い詰められているのに、使用出来ない時点で気付くべきです 》
何度か呼びかけたけどアナタ全部無視してたよね!?
だから諦めて黙ってシリアスな戦いを演じてたんだけど!?
《 霊力を使用する際は基本的に私が、肉体でも使えるように変換しています。ですが、今回の黒翼馬を倒せる程の変換にはかなりの時間を要します 》
なるほど、だから随分と遅かったのね。
《 ですが、肉体の魔力が著しく抜け落ちた場合は割と早くに使用可能になります 》
あっ、そう……。
だから俺が瀕死になるまで黙ってたのね。
うちの守護霊は俺を守ろうとしてるのか、殺そうとしてるのかわからん。
今回ちょっと短いです、教習前なので許してください