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三十六話 彼等の話1

 「……と、まぁそういう訳で、俺はここに住んでいるんだよ」


 多少端折りながらだが、俺は三人にこれまでの経緯を説明する。


 墓荒らしや聖魔法の事は話してある。意味不明な魔力量や、この辺りの施設の説明がつけられないと思ったからだ。


 謎に超育ちまくってる野菜とか大量の仏壇とか何も知らなかったら怖いだろうしな。仏壇に至っては変な宗教かと思われそうだし。


 話しをして驚いたのはこの世界には『回復魔法』が存在しない事だった。


 聖魔法で傷を再生させたと言ったら信じられないといった反応をされた。


 魔法がある世界なのに回復魔法が無いってどうなのよ……。いや、厳密にはあるのか、普通は手に入らない聖魔法だけど。


 俺が使っている道具や家の物なんかも魔法で作ったと言ったら信じてもらえなかったので、目の前で鉄を生み出して見せる。


 この辺も誤魔化しようが無いので仕方ない。


 今は誤魔化せても後で「これどうやって作ったの?」とか聞かれたら逃げ続けるのは不可能だ。


 だってチートなんだもの。


 俺が伏せて話したのは前世の記憶がある事と、女神様、守護霊の事か。


 この世界にない料理の事とか俺の能力の事とかは

 全部墓荒らしのせいにしておいた。


 前例の無いスキルってこういう時便利なのね、メモメモ……。


 一通り話した後は皆唖然としていて、どこか現実離れした俺の話を消化し切れていないようだった。


 まぁ、俺も同じ立場だったらそうなるだろうな。

 

 「で、俺の事は話したんだ。君たちがどうしてあんな所にいたのか、教えてもらえるか?」


 「それは俺から話す。俺たちは家を飛び出して、街からも逃げ出してきたんだ」


 穏やかじゃ無いな。


 「ちょっと待ってくれ」と、俺はコーヒーを入れてきてから話を再開させる。


 前世はニコチン、カフェイン中毒だったから定期的にどっちか摂取してないと集中出来ないんだよ。


 ニコチンはさすがにマズいからカフェインで我慢しておく。


 長話になりそうだからな、なんか大人っぽくてカッコイイじゃん?


 ソフィが飲みたそうにこちらを見つめていたので飲ませてみると「うぇ〜にが〜い……」と心底嫌そうな顔をした。


 そりゃあブラックだもの……。

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