三十話 想像力の勝利
なんで存在値上がってるんですか?
《 守護霊『達』の霊力が増えましたので 》
おい!達ってなんだよ!! 俺ってそんなに守護霊いたの!?聞いてないけど!?
《 今まで浄化してきた霊体達ですね。浄化した際に魂の繋がりが出来ていますので、私を媒体として霊力の援助を受けています 》
いやほんと、なんでそう言う大事な事言ってくれないの? 位牌を用意して現界で行使できる霊力の増えたから、教官の霊力が増えて存在値が上がったって事か?
《 自分で理解するとは珍しいですね。はなまるあげますよ 》
前にも増してウザいな。仏壇作ってしんみりしてたのに台無しだよ。
◆
それからは適当に飯食って、野菜を収穫して過ごしていた。
ふと、村にあるため池を覗いてみると魚が何匹か見えた。
川から直接引いてるから紛れ込んだのかな?捕獲してやろうかな……。
直接突いて獲ろうと思い、ヤスを作って服を脱ぎ、ため池に入る。
スキルの身体強化を発動し、命中制度向上を重ねて使用する。
うおっ、命中制度向上を使ったら視界が変わったぞ!?
何故かロックオンマーカーのような物が表示された。1匹1匹に薄い水色の円が表示されている。
ヤスを手に構えて、突き出そうと狙いを定めていると、ヤスから魚に向かって薄い黄緑の矢印のようなものが表示されている。
角度を何度か変えてみると、赤く光る瞬間があった。
その瞬間は魚のマーカーも赤く変化している。
……完全にゲームみたいな使用だね。
赤くなった瞬間にヤスを突き出す。
魚の体を簡単に打ち抜き、アッサリと仕留めてしまった。
残っている魚を全て捕獲した。これ、弓とかボウガンとかでやれば無敵なのでは?
池から上がり、捕獲した魚達を確認する。
ニジマスとコイかな? それぞれ3匹ずつ捕獲した。
何故外来魚ともっと汚い所にいそうな魚の組み合わせなのかわからんが、もう気にしないんだから。
《 この世界の生態系を前世と同じだと思わないでください 》
アッ、ハイ。ゴメンナサイ。
でもこいつらなら養殖も夢では無いのでは?
取りに行くのは面倒だしここに流れ着いてくるのを気長に待つかな。
そのまま水路の出口に金属で網を作り、出られないように塞ぎ、ため池の入口に入る水路自体を細工して、一度入ったら出られないように改造する。
よし!これで逃げられないぞ。
まぁ後はどうしような。なんか餌になる物でも用意しといたほうが良いよな。直ぐに捕獲するわけじゃ無いし。
ため池は完全石造りになっている。植物どころか微生物の繁殖とはまずあり得ないだろう。
なので池の底だけ土に戻しておく。
後は水草でも入れとけば、コイなら生きられるだろう。ニジマスは知らん。
水草か……。まだこの世界で見た事ないんだよな。
どっかに無いかな……、そういえば『植物干渉』ってなんか改造出来るんだっけかもしかして新しい植物作れたりするの??
《 試してみてはどうでしょうか 》
いや、教えてくれたっていいじゃない。結果知ってるんだから無駄になる前に言ってよ! 失敗するのわかってて見守るとか、こっちは子供じゃないんだぞ!!!(6歳児)
《 前例がありませんので、わかりません。なので試してみては、と言ったのですが?何か? 》
あっ、いや…。調子に乗ってました。すみません、決してバカにしたわけじゃないんです。
《 この世界はまだ解明されていない事の方が多いのです。それでもある程度予測出来ることや、結果が判明していることはお教えしますが。まずは何でも試してみては? スキルを使えば確率はゼロじゃないので 》
はっ!?確かに!男は度胸、何でも試してみるもんさ……。
その辺に生えてる草に向かって『植物干渉』を発動する。
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名前 ぺんぺん草
生命力 9
繁殖力 3
食味 1
病耐性 8
熱帯性 1
寒帯性 7
乾耐性 3
湿耐性 3
水適性 1
土適性 9
成長力 3
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なんか出てきたな。これを弄るのか?
どうやらこれがこのぺんぺん草のステータスらしい、名前エッチだな。
ステータスの数字を弄ってみるが……。いかんな、本当に変わってるのかわからない。
形状は変えられんのかな?浮草系にしてみたいんだが。
ふと俺は浮草の一種、ホテイ草を思い浮かべると草の形状が変化した。
……え? そんな感じでいいの?
どうやら形状は俺の想像力が物を言うらしい。
これって、米とか麦とかも作れるよね?
まぁ、それは後々だな。今はコレを完成させてしまおう。
そしてステータスを弄り倒し、前世で見た水草を次々と作り出し、池に植えていき、浮草は植えていく。
生命力とか30まで上げちゃったけど大丈夫かな?繁殖力はあんまり触ってないけど。
一応、どうせ増えるだろうと思い、少なめに植えてある。
後は魚が来るまで放置だな。そろそろ雨降るし家に入ろう。明日は曇りか。
◆
そう言えば風呂作ってないな、作るか。
飯作るかくらいの軽さで決めてしまったが、今の俺なら風呂を作るくらい夕食前ですよ。
さて、風呂の素材は何にしようか……。火魔法でお湯を用意しなきゃだし、お湯の作り方から考えるか。
うーん。熱した石を入れて調整したらいいかな?
そうなると木材で作るのは危ないかな…やっぱり石で作った方がいいかなーー。
ーー大理石の浴槽ができましたーー
うっほぉ!! テレビとかネットで見たことしかないけど、想像通りの見た目に作れたな!!
浴室も全面大理石。土魔法で何故かガラスも作れたし、外の景色も豪勢に楽しめるように作ってある。
まぁ草原しか見えないんだけど。
でも天気の良い夕方に入ったら最高だろうな……。
夕陽が差し込む浴槽で酒でも飲めたらなぁ……。
まぁ今日はもう雨も降り始めてるし諦めよう。
天候干渉で晴れに出来そうだけど、そんな理由で天気を捻じ曲げるのは流石にダメだろう。
水魔法で浴槽に水を張り、土魔法で石を作り、火魔法で石を熱して浴槽に入れる。
こんぐらいかなぁ?いや、ちょっと熱いな。今度はぬるくしすぎたな!……よし!ちょうど良いな!
なんかテンションぐんぐん上昇中だよ!
体を軽くお湯で洗い、浴槽に浸かる。
Foo↑気持ちいい〜。やっぱり湯船に浸からないと日本人としてダメだよね!
お湯を作るのは面倒くさいが、この気持ちよさの為なら我慢出来る!!
《 火魔法と水魔法を同時に発動すれば調整次第で『お湯』を生み出せると思いますが。使われないんですか? 》
……知ってたら私だってそうさせて頂いておりましたが?
底辺作家なので
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