三話
意識がハッキリとすると俺は暗闇の中にいた。
どうやら転生?出来たようだな。
しかし、状況が全く分からん。何とか外の様子がわからんものか…
ん?頭の中に景色が写って来たぞ!
これは…寝室か?裸の男女が一つのベットに寝ている
しかも男1に対して女が3人だとぉ!?罪深いな。
絶対事後だよなこれ。
え、何?この世界ってこんなに早く受精するもんなの!?
これは…たまげたなぁ…
雰囲気的にはこの男、恐らく俺の父親だろう。
その父が侍らせている女だよな……
3人も女作ってるんだし、これは金持ちかな?
じゃあアレか、割と良いとこの坊ちゃんになれる説か、これ?
貧乏農家とかではなくて良かったと言うべきか……。
世界が出来てから日が浅いとか言ってたし
恐らく中世とかその辺りの時代に値するんだろう。
だったら一夫多妻でもおかしくは無いか…
俺のお母様はこの中のどれになるんだ?
ん?この黒髪の人を中心に視界が構築されているな、って事は俺はここにいるって事だからこの人が俺の母親か。
うん、美人だ。やったぜ。
父親もダンディな髭オヤジって感じだし
これなら生まれた後の容姿も期待できるか。
とりあえずこれから10ヶ月。
この人の中から外の世界の観察に努めなきゃならんし
生まれた後のプランもしっかり立てながらのんびりいこうか。いやのんびりしか出来んのだが。
こうして俺の異世界転生はスタートした。
まさか受精卵からのやり直しとは思ってもいなかったが
良いとこの家に生まれたっぽいし、割とイージーモード出来ちゃうんじゃないの?
この時の俺は思ってもいなかった。
自分の転生先が、俺の想像していた生優しいものなんかじゃなく、貧乏農家に転生した方がよっぽどマシだったと言うことに。