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二十七話 はじめてのりょうり

 ぬわああああん!水魔法!?水魔法ナンデ!?


 遅いのはアドバイスだけじゃなかったようです。


 まぁ、だが、それでも、しかし、水路を引いてもどうせ飲み水はろ過しなきゃ飲めなかったんだし??

まぁ生活用水は元々川から引くのが効率的だったし?


 なんなら水魔法最初から持ってたら水路とか考えてなかったかもしんないし、タイミングは丁度いいよね!ね?


《 …… 》


 なんか言えよ。




 

 村へと戻ってきた俺は早速調理器具を土魔法で金属を生み出し、『金属加工』で次々と生み出して行く。


 鍋、フライパン、お玉に一文字、まな箸、まな箸とは持ち手は木で出来ているがそれ以外が細い鉄で作られた箸だ。


 盛り付けの際に使う事が多いんだが、和食のお店なんかはこの箸やら使う事が多い。


 必要性?無いけど気分だ! なんか職人っぽいじゃん?前世では別にいらないんじゃね?って思いながら使ってたけど娯楽のないこの世界、少しでも自己満足に浸らなければやっていけない。


 『石材加工』と『木材加工』で調理台や菜箸、まな板なんかも作り出して、テーブルと椅子も用意する。


 木材は村の使ってない家から調達した。誰も住んでないし多少はね?


 結構生み出しちゃったけど全然楽勝だな。


 魔力はまだ枯渇したままだけど、代わりに残った霊力で魔法とスキルを使っている。


 霊力自体もほとんど残ってないけど燃費が素晴らしい。

 

 いや、マジで魔力とか比べ物にならないレベルで超強い。完全上位互換って感じ。


 しかし、アレだな。


 調理器具を揃えたのは良いけど調味料が無いのよね。


 ……どこか人里探して調達に行かなきゃダメだよな。流石に塩すら無いんじゃ自分で作る事も出来ないし。


 今日のところは生野菜で勘弁してやろう。


 生で食べられそうな野菜をチョイスしに地下の食料保管庫へ向かう。


 野菜は全て植えた訳じゃなくて、数日食べる分くらいは保管している。


 あぁ……。そういえば猪の肉とかあったな。


 完全に忘れていたが、解体された猪が目に入る。


 うーん……。調味料無しで食べるのはキツいけど、そう言えば死ぬほど腹減ってるしタンパク質を摂取しときたくなってきたな。


 俺は社畜時代の賜物で空腹に強い。数日間何も食べていない事すら忘れていた。


 まぁ飯を食う時間すら惜しかった時期があったからなぁ……。飲食で働いてるのに飯食わないって意味わからなかったけど。


 とりあえず適当な野菜と猪肉を持って部屋に戻る。


 菜の花はまだタネが取れないから、油はアブラソウを無理やり潰してとりあえず誤魔化そうかな。食用だから大丈夫だと思うけど、どんな味なんだろう?


 アブラソウをすり鉢に入れ棒で混ぜる。実は土魔法で陶器のような物は作れたので、先ほどついでに作っておいたのだ。


 ゴリゴリゴリゴリ…。


 昼間は気づかなかったけど、完全に胡麻油の匂いだわコレ。


 心地良い香りが部屋に充満するーー。


 超美味そう。香りだけだけど。


 調理台に薪をセットして火魔法で着火する。


 乾いた薪は村の家屋を解体して手に入れていた。まぁ多少はね?


 水魔法で作った水を入れた鍋を火にかけて湯が沸くのを待つ。


 待っている間に生で食べられる物はカットして作っておいた木の器に盛り付ける。


 胡瓜、トマト、レタス、人参……。毒があるのと育ち方が微妙に違う所を除けば前の世界と完全に同じものにしか見えん。聖魔法で浄化も忘れない。


 水が沸騰したら、余分な葉と硬い部分を切り落としたブロッコリーと菜の花をザルに入れたまま鍋で茹でる。


 火が通ったらボウルに用意した水にザルごと投下して冷めたら水を切っておく。


 ちなみに『やっとこ』があるから鍋に入れたザルも安心して触る事ができる。やっとことは調理用のペンチみたいな物だ。


 ブロッコリーはそのまま食べて、菜の花は別なものに使おう。


 フライパンに先程のアブラソウ油を流し込み

 切っておいた猪肉を先に炒める。


 作ったばかりのフライパンで、テフロン加工でも無いから引っ付くのでは無いかと心配したが問題ないようだ。


 表面をトゥルットゥルにしたからね!


 更にに玉ねぎも入れて炒める。


 火が通ったら茹でた菜の花を入れて軽く炒めて完成だ。


 うんうん。初日からなかなかちゃんとした物を食べられるじゃないか。


 まぁ味付け無しなんだけど……。社畜時代より良い物食べてるかも知れん。


 あの時は基本、マヨネーズ卵かけご飯しか食べてなかったからな……。たまにゴマドレマヨネーズ冷やし中華だったけど。


 なんかマヨネーズ無いと食べ物が喉を通らなくなったんだよな。病気なんだろう。


 さて……食べるか。


 木のコップに水を作り、一口飲んでみる。


 うん、美味しい。


 そう言えば水も飲んでなかったね数日間。社畜根性に感謝感謝。そのまま何度も作っては飲み、作っては飲む。


 しかしよく倒れなかったな。飯食わなくても数日大丈夫はわかるけど、流石に水分はやばくね?


《 魔力の保有量が多いほど生命力も上昇します。現状なら1週間は何も摂取しなくても問題ないかと 》


 うっそやだ、人間辞めかけてるじゃん。


 もう既に怪しいくらいの能力値なんだがな……。


 


 とりあえず生野菜たちから頂こう。


 …………うん、おいしい!やだ、これすっごく、おいしい!


 ちょっと今まで食べて来た野菜の中でも比較にならんくらいの美味しさだな。


 世界が違うだけでここまで違うのかな?


 いや、アレか。数日食べてないし勘違いしてるだけか。


 よく良く味わってみると、あっ、うん。前世の方が美味しかったわ。


 そりゃあそうか、自生してる野菜が美味しく食べるためだけに作られた前世のものに叶う訳ないよね。


 続いて猪の炒め物を食べる。


 …………うん、肉自体は超美味い。何故か臭みも無いし、クセはあるけどそれが心地良い感じだ。


 菜の花と玉ねぎは超普通だけど。


 しかし味付け無しは結構キツいな。


 素材が良くてもこれでは拷問に近い。


 調味料の調達は急務だな。何としてでも人里行かなきゃ(使命感)


《 土魔法で岩塩を作成すればよろしいのでは?それに身元不明の6歳児が人里に降りて行って、まともに相手してもらえるとお考えですか? 》


 アッ、ハイ。すみません……。


 岩塩ね……。確かに土系だし魔法で作れるのか。


 そう言うのホント、作る前に言ってくださいよ教官

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