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二十二話 乱入クエスト?いえ、自分から向かいました。

 リヤカー運送でかなり便利になったんだけど、やっぱり運ぶのは面倒だな……。アイテムボックス的なのって存在しないのかなぁ??


 ……教官無視かよ。まぁ反応しないって事は出来ないって事なんだろう。知らんけど。


 川へ向かって行く。のだが、その間にちょいちょい魔物と遭遇する


《 緑狼 一頭の雄に複数の雌で群れをなすことが多い。雌が単独で狩を行い生計を立てている 》


 なんだよその表現、完全にヒモじゃないか。羨ま…


 「イヤーッ!」


 ブシャアアアアア!……回収しておく。


《 緑狸 群れを成すことはなく、発情期が訪れる数日間だけパートナーと過ごす。周期は14日間毎に訪れる 》


 年中発情期じゃないか。


 「イヤーッ!」


 ブシャアアアアア!……回収。


《 森鼠 なんでも食べる。繁殖力が凄まじく、天敵がいない環境では森を食いつぶすほどである 》


 害獣だな。ナムサン


 「イヤーッ!」


 ブシャアアアアア!!……これはやめておこう。


 その後も続けて魔物達が俺の前に現れた。


 「イヤーッ!」


 ブシャアアアアア!!


 「イヤーッ!」


 ブシャアアアアア!!


 「イヤーッ!」


《 グワーッ! 》


 反応するのかよ。って言うか本当、なんでネタが通じるんだコイツ? どんな前世過ごして来たんだよ。結構ダメなネタばっかり通じるんだが?


《 冗談はよしてくれ 》


 タメ口かよ。まぁ、話し相手もいないこんな環境じゃあそれが嬉しくあったりもする。


 感情のない声でいつも言われてるから意識してなかったけど、中々凛々しい声の女性っぽいしな。


 そしてようやく川にたどり着いたのだった。



 「んー。今日もいい天気☆」


 ついついそう呟いてしまうのもしょうがないってくらい、気持ちが良い。


 やっぱり異世界に来て川と言ったら水浴びだよね。流れ急すぎて何回か流されかけたけど。


 さて、水浴びもして気持ちもスッキリしたところで水路をどうしようか。


 まず絶対に水を汲んで持って行くのは大反対だ。せっかくの異世界なんだし、そんな事チマチマやるのなんて是が非でも拒否したい。


 ならやっぱり水路を引くしかないのか…。


 ここから引いてくるのは簡単なんだろうけど、また、ここまで水を戻してやる仕組みにしておかないと漏れちゃうよね。


 村までの直進ルートは把握してある。スキルのおかげで相当な視野を確保しているのもそうだが、道中が一定間隔で血まみれになっているから迷う事もない。


 とりあえず土魔法で水路掘って行って、その後に水を流すかな。


 


 「はぁ…はぁ…はぁ…」


 さ、流石に村まで1時間の距離をずっと石の水路を掘って行くのは魔力の消費が激しいな…。


 まぁ魔力切れの大きな要因は大きな『ため池』を村に作ってしまったからなのだが。


 小学校にあるプールくらいの大きさに仕上げてみた。全て石造りだから水漏れの心配は全くない。


 これだけ大きなため池も自由自在なのだから、ゆくゆくは魚の養殖とかもして行こう。前世の夢だったんだよね、確か。


 魔力残量は少ないが、水路如きなら耐えられるだろう。このまま開始地点より下がったところへ水路を引いてしまおう。


 再び水路を作りながら森へと歩みを進めて行く。





 多分、開始地点から40分歩いたくらいの所なんだが、ここにも滝があったのか。ちょうど良かった。ここで合流するようにしてしまおう。


 滝の開始地点に水路を繋げる。後は水路の開始地点から水を通せば村に水が供給されるだろう。


 開始地点へと戻ろうとした時ーー。


 『視野拡大』の範囲ギリギリ、滝の下からしばらく先の方に妙な物が見えた。


  

 なんだ、あれ?黒い……霧?いやオーラっぽいな、ヤバそうな雰囲気しかしないんだがーー。こっちに近づいて来てるな。俺の存在に気付いているのか?


 黒いオーラを纏った『何か』がこちらへと近づいてくる。確実に、隠しきれない強大な禍々しいそれを無視は出来なかった。


 どうせ気付かれているのだ


 村に来られてせっかく作り始めた拠点に何かがあったら目覚めが悪い。こっちからも出向いてやるか。


 強大な『何か』に向かっていくーー。


 不思議と恐怖は無く、まるでゲーム画面のプレイヤーキャラクターの目線で自分が操作しているような、そんな程度の緊張感しかなかった。


 もしかしたら命を失うかもしれない、何度もその恐怖を味わっていたと言うのに、今は何も感じない。


 村を訪れてから、驚いたり慌てたりはしていたが、そこに『恐怖』はなかった。人間として最も大事な恐怖心、俺はそれを失っていた。


 それが常時発動型スキル『恐怖耐性』の力。


 実に冷静に、極めて作業的に。本来なら恐怖心に塗りつぶされる状況であればその恐怖がなくなる事で全くの無感情になるーー。


 俺は身体強化魔法を使いながら崖を躊躇いなく降りていく。


 そしてその強大なモノと出会い、向かい合う。


 「黒い……鹿?」

pv2万いきました!

皆さんありがとうございます!!



補足で入れたんですが

教官殿はちゃんと女性なので

凛々しい大人のお姉さん系の声で想像してみて下さい!

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