二話
魂が5次元で霊は4次元か…
つまりアレか、成仏出来ない魂が4次元に残って
心霊現象的なのを引き起こしていたのか。
2次元が3次元に干渉出来ないように
4次元の霊に対してこっちからも干渉なんて出来る訳ないもんな……初めから詰んでた訳か。
「とりあえず、俺が何度転生しても人生無理ゲーになるのはわかりました。それで、そんな恨まれまくった魂回収して何をさせようとしてるんですか?」
「物わかりが良いようだな。実は我が管理をしている世界へとお主を転生させて人生やり直してもらおうと思ってな!」
「転生って…。いくらやり直しても恨まれまくっているならまた妨害されて同じ事の繰り返しなんじゃないんですか?」
「そこに関しては問題ない。今回お主が自殺に追い込まれた事によって、遂に残りの霊達も未練を無くせたようでな!妨害行為に走る存在が限りなく少なくなっている。なので、今回転生しても妨害行為はほぼないと思って貰えば良いぞ!」
恨みを果たし切ったって事か
じゃあ今回消滅までいかなければ
次の人生からは割とちゃんと生きられたってことか…
確かに勿体ない気がするな。
「とりあえずわかりました。ただ、転生させてもらえるとしても無条件って訳でもないんでしょう?話し振りから、俺が生きていたところとは別の世界の神様っぽいし、わざわざ別世界から引っ張るって事は何かさせたい事でもあるんじゃないですかね?」
「察しが良いな! 実はお主には我の担当する世界に転生して、この世界を発展させ、良き方向へと導いて欲しいのだよ!」
完全に転生物のラノベじゃないか。
「我の世界は誕生してから日が浅くてな。お主のいた世界と比べると、まだまだ文明の発展も遅れておるし、争い事だって絶えず続いておる。勿論、レベルの高い魂も、育っておらんのだ。」
「なるほど…。だから別の世界の、言ってしまえば廃棄処分される予定だった俺を回収して自分の世界でリサイクルして使う…って感じですか?」
「まさにその通りだ!別世界からの回収、転生は過去に何度か事例もある。我が行うのは初めてだが、まぁ無い話ではない。消滅するところだったお主にもう一度チャンスが来たと思えば悪い話ではなかろう?」
確かに悪い話じゃない
話ぶりからするに、俺がいた世界よりもレベルが低くて
転生したら割とイージーモードっぽいしな。俺のレベル高いみたいだし。
「まぁ、お主が嫌がった場合は記憶を完全に消した上で転生してもらう事になっていたし拒否権なんぞないのだがな!」
「あ、無いんですね、じゃあわかりました。転生の話承りましょう。って事は記憶を引き継いだままになるんですか?」
「そうだな!我としてもその方が有難いぞ!。レベルの高い魂とは言え、完全なる赤子からのやり直しだと、割とどうなるかわからんしな。ちゃんと良さげなスキルも見繕ってやるし安心せい!」
…ん?
スキルって言ったか?
「ちょっと待ってください?スキルって言いましたか? その世界って俺のいた世界とは仕組みが違うって事ですか!?」
「言い忘れておったが、その通りだ!我の世界はお主の世界にあったラノベなんかにある、魔法やスキルのある世界でな。ほぼゲームの中に転移したと思ってもらったらいい。お主のいた世界とは根本的に世界の構造が違っている。」
マジか、それは激アツ。
「願っても無い機会ですね。キモオタの時期を過ごしたのは無駄じゃなかったって事ですか…」
「まぁ、細かい所は転生してから学んでいくと良い。あまり喋り過ぎると規約違反になって我が裁かれてしまうからな。後は向こうに行ってから何とか、頼むぞ」
「わかりました。もっと聞いてからイージーモードしたかったんですけど、そこら辺は転生してからなんとかします。」
いっぺん死んでみるものだな。
まさか死んだ後にこんな機会が巡ってくるなんて。
「と言うかやっぱり、赤ちゃんからやり直すって事ですか?」
「そうだな、申し訳ないが生まれる家なんかは我にも分からん。受精卵の状態からでないと魂は宿らんのだ、転生が決まり、お主が下界に降りた際に1番タイミングが良い母体に宿る事になるだろう。こればかりは運になるな。」
「そこは選べないんですね…。じゃあ受精卵の時から記憶を持ったまま10ヶ月は過ごすって事ですか?」
「まぁそうだな、その間に外の状況が分かるようなスキルは別でつけておくし、我慢してくれい。」
受精卵からやり直しってなんか嫌な気分だな…
まぁ仕方あるまい、その間も外部の状況は分かるようだし、なんとか情報収集しながらやっていくしかないか。
「じゃあ、それでお願いします。とりあえず神様の望みは世界の発展ですよね?俺に出来る範囲で何とかやっていくのでお任せください。」
「うむ!期待しておるぞ!では早速転生してもらうので、後はよろしく頼むぞ!」
「あ、ちょっと待ってください!付けてくれる良さげなスキルって何なんですか!?」
「すまんがそれは分からん。スキルにもランクがあってな、ランクの高いスキルはそれを指定してつける事ができんのだ。まぁ転生してから一定の年齢になれば、スキルやステータスの詳細が分かるような仕組みにはなっておる、気に病むでない。では頼んだぞ!」
言い切った後俺の視界は一瞬で暗くなってしまった。
どんなスキルが付くかわからないって結構不安だけど、やってみるしかないか。
変な家に転生しなければ良いんだが…