薬塗の少年
――――――――十一月一日午後一時―――――――――
とりあえず隹幹性の生死は確認できた。無事を聞いた逆様の喧しさといったらないが、その元気も少しうれしかった。巻き込まれたときにまぁまぁのケガを負ったらしく今は病院にいるらしい。後で見舞いに行ってやろう。今手ぶらで行ってもあれだしな。ブロック食でも持っていけば喜ぶだろうか?
とりあえず研究所に戻ってきて阿賀美さんに報告だ。
「つまり、我々は警察のバックアップを得たと?」
「そうとらえても問題ない。そして業橋は透の知り合いであることも分かった」
「僕のじゃなくてお父さんの知り合いだろ?」と部屋の隅で平沢透は反論した。平沢というのはどこの苗字だったか? たしかN県だったか。たしかそのへんからやってきた若い研究者だ。
「実際に会ったこともあるはずだが……ともかく向こうはこっちの都合を把握していた。三年前のあのオペのことも、そのあとの責任問題も、研究所の分裂も」
「当時、そのことに疑問を持つことはタブーだった。宇宙円盤や超古代文明を信じるのと同じような扱いを受けたはずだ。三年前の出来事は一種の都市伝説になっている。調べるのは簡単じゃなかったはずだ」
「だが業橋は当時から警察という立場だった」
「そうだ。それ故に横のつながりもあり、怪異や陰陽師の事も知っていたのだな? 甘思の最高委員会とのコネクトで知ったのだろう。」
「ここと最高委員会にコネクトがあることも把握していた……ところで」
と、私はポケットからある顔写真を取り出して阿賀美さんに見せる。
「井ノ上雁鞍が甘思で人を殺めたという話はもう聞いたか?」
「!」珍しく阿賀美さんの顔に焦りが見える。それもそうだ。もう何回も話したと思うが井ノ上はかつての仲間だった。
「今現在の井ノ上は最高委員会の手で監禁されているそうだ。それで今日の四時から生徒最高委員会と緊急の会議をすることになった」
「それまた急だな」
「緊急会議ですからね。そんくらい重要なことです。」
そんなわけで、アガミ研究所員と生徒最高委員が一堂に会することになった。そして、ナイスタイミングでこちらの研究成果も向こうにお披露目という形だ。お互いに研究成果を共有して為しあげた最新のものだ。
詳しくは説明しないが、私と逆様、阿賀美夫妻は既に投与しており、なおかつ既に発現している。理論上では式神との戦闘に十分有用であるはずだ。
そうだ、これを向こうに説明する準備があるからもう出発しなければならんな。
――――――――同日午後三時二十分―――――――――
先述したような理由によって、私と逆様は他の所員よりも早めに出発していた。これはおそらく推測だが……既に怪異というイレギュラーに接触した経験のある委員達なら比較的容易に受け入れてくれるのではないだろうか?
しかし、新規被験者は一人でも見つかればいい方だ。名前は聴きそびれたが……一度は井ノ上を撤退に追い込んだ少女がいるらしい……。そいつなんかが適任じゃなかろうか。
「……」
甘思への道ももう少しといったところで、逆様が私のスーツの裾をつかむ。
「……?」
そのまま何も言わずに逆様は適当な塀に腕を突っ込んだ。まるで塀が液体でもあるかのように通り抜けた。そのまま逆様は耳を澄ますようにする。
「……近づいている」
わかりやすく言うと、逆様は地面や壁、自分以外の物体を水のように潜ることができる能力を持っている。式神ではない。先述した研究の成果によるものだ。
その能力で響く振動をキャッチしているのだった。
「でも妙だよ、先生。確かに大の大人が動いてる振動なんだけど、地面の上を歩いてるって感じじゃないんだ。それに早い」
「じゃあただの通行人ではないな。それでそいつはどこに?」
「後ろだよ。後ろの上にいる」
「上?」
振り向かずとも分かった。確かに背後の上空にいる。その影が伸びているからわかった。
振り向くと予想通り男が宙に立っていた。胸元ががっぽり開いたウェットスーツようなものを着ており、短髪の前髪が五房だけ上に伸びているという特徴的な髪形の男。
私はこいつの名前を知っている。確か……『狩木節介』。別に親しかったわけでもないが、こいつももと所員だった。しかし飛んでいる。どういう経緯で陰陽師に?
「ひさしぶりだな」
相変わらず飛んだままでこれまたフランクな呼びかけ。
「人を探してるんだが……知らないか? 井ノ上雁鞍。最近急に連絡がつかなくなってね。」
「井ノ上が?」
当然知らないふりをする。しかし何でもかんでも嘘をつけばいいわけじゃない……一番質の悪い嘘は事実を織り交ぜることだ。慎重にいかなくては。
「そもそも井ノ上がこの町に来たってのが初耳だが。来ていたのか……」
「そうか知らないか。それにしたって何故こんなところに? そのチビも連れて」
と、逆様を指さす狩木。
「教えてなかったか? この先に甘思っていう高校があるんだが……母校なんだよ。恩師に会いに行こうと思って」
当然嘘だ。
「そうだったのか。まぁ動機とかどうでもいいんだが」
その言葉を起点に狩木の態度が一転する。
「どうして宙にいることにいっさい言及しねぇんだァァ! 嘘をついてることなんてとっくに分かってんだよォォォォォ! なんでとっととほんとのこと言わねぇんだァァ!」
……しまった。その剣幕のまま宙をすべるように詰め寄ってくる狩木。
「お前たちか? ん? お前たちが井ノ上を始末したのか?」
「それは違……」
言い終わる前に狩木の腕が私の頬を張った。
「答えがのろいんだよォォォォォオオオオオ!! あぁ、クソッ! 時間をとっちまった! お前らが黒か白かなんてどうでもいいが、これ以上邪魔するくらいならかつてお前がしたようにお前もバラバラにしてやろうか!」
「うぅっ……」
なんだこいつ……確かに昔からキレっぽいやつだったが、それにしても……怒っているというよりは焦っている感じだが……
「いや、思い出した。黒か白かじゃなくて最初から始末する対象だった。」
「おいおいおいおいおい」
「それでお前たちを始末した後に甘思高校に行かせてもらうぞ! 井ノ上との最後の連絡はそこで途絶した!」
そう宣言するや否や、狩木の姿は全く異形のそれに変わっていた。
胸にはイタチのレリーフをあしらい、右手に大鎌を持つロボットのような姿だ。
青目さんは能力だけしかないタイプの陰陽師だったが、怪異としての姿を持つ式神の他にも自身が変化するタイプの陰陽師がいるのか……
「先生、その頬っぺたはどうしたの?」
頬? そう言われて頬を触ると手が真っ赤に濡れた。
「!?」
傷? 出血!? いつのまに攻撃された? 不思議と痛みもない。
こうなってしまっては戦うしかないのか……というか戦え! 窓際! 向こうは殺そうとして来てるんだぞ!
そういう意志を決めて、私は手を構える。手刀の形に? いや、その形は鉄砲の形だ。おふざけではない。
分かりやすく説明すると、私はこの研究成果の投与によって、指先から爆発する蜂を飛ばせる能力を得た。なんじゃそらと言われてもしょうがない。博打の結果なのだから。
それとこれは逆様にも、つまり投与者全員に共通することなのだが、身体能力も全体的に強化され、式神にも触れられるようになるという面がある。はっきりいうと、さっき『式神相手でも有用』と言ったのはこれが根拠だ。
さて、そうやって指を構えて射撃の構えをとるのは良いのだが、まだ相手の能力はまったく予想もつかない。空中を移動できるとか私の頬の謎の傷とかあの姿とか、そーゆーところから推測するしかない。
「逆様……私のこの頬の傷だが……痛みはないんだ。不思議だが……観察するんだ。相手の能力を見極めないと敗北するぞ」
「分かってるよ。そして逆にこちらの手内をあまり察させないということも……」
その言葉にうなずいて肯定した。しかしその瞬間、確かに焦点の先にいたはずの狩木は一瞬でその姿を消した。跡に残っているのは強風だけ。
「?」
「先生! 後ろだァァ!!」
何!? 気づかなかった。いつのまにか狩木は私の背後にまわりこみ、逆様を無視して私に切りかかろうとしていた。その右手の大鎌で私の首を狙っていた。
「なにいいいィィィィ!!」
とっさに体をそらして避けるとまた狩木は消えた。
「また消えたぞ!」
その高速移動のためか? 風が矢のように過ぎて吹いている。
指示を出そうと逆様の方に向き直ると、その姿は目に入った。狩木だ。背後に立った狩木はその刃を逆様に振りかざさんとしている。
「正傘ぁぁぁ!! 避けろぉぉ!!」
それを聞いた逆様は振り向こうなどと愚かな真似をせずに、そのまま地中に潜ってかわしたのだった。
「チッ……やっぱりそうだったか」
やっぱり?
しかし私は奴がそう呟いた瞬間を逃さなかった。その隙をついて発射した蜂弾をあいつが避け始めるギリギリに着弾させることができた。たとえ避けていたとしても、半径十cmの爆発を少しでもかすったかもしれない。
この蜂弾は何もないところから現れてるわけではなく自分の身を削っての発射である。そのため今は右て人差し指の第二関節から先が欠損した形になっている。再生してまた撃てるようになるまで一分といったところだ。そのまま周囲に警戒しながら独り言のように口を開いた。
「逆様……地中から聞いているか? 今の観察で分かったことがあるぞ。 今一瞬だが、私の攻撃を避けようとする狩木が見えた。確かに素早いのだがそれだけじゃない……動くたびに風が吹くほど速いのだと思っていたが……逆だ。あれはあいつが風なんだ。胸のイタチとあの鎌、そして風の事を加味するとあれは鎌鼬だ」
「聞いたことがある!」と、逆様が地面から上半身だけを出して返事をした。
「確か……つむじ風にのって人を切りつける怪異……だっけ?」
「そうだ……だが伝承と違うことがある。それは私の頬の出血だ。伝承によれば鎌鼬のつけた傷からは血が流れないとされている。だが私の手を見ろ」
と、私は逆様に血濡れの手を見せる。
「だがこれはおそらく故意だ。それも能力の範疇で奴の意志でONOFFが切り替えることができるのだろう」
「風が媒介するのだとすれば……強さにもよるけど強風なら秒速十メートルくらいだ!」
「そうだ。男子マラソンの最高瞬間記録が秒速十二・四二メートルだが、それとほぼ同じスピードを維持して動ける能力ということだ。それに際して体力の消耗もほぼないとみていいだろう」
私の蜂弾の速度は(前に実験で計測したことがあったが)秒速七・五メートルだから、よほどのことがない限り避けられてしまう。
逆様が潜って奇襲するとか、あるいは能力にとらわれない策で何とかするしかない。
注意を狩木に戻すと、再び『風速での移動』を開始して、こちらに接近しつつあるのが見えた。
「逆様……そのまま潜っていろよ。それしか奴をヤる方法はない。私が盾になるからお前が矛になるんだ」
「無茶だ!」
「無茶さ。でもチャンスでもある。それに確信もある」
それだけ聞いて逆様は何も言わずに覚悟を決めたような顔で再び潜った。
奴の動きは風速であって、なおかつある程度移動に自由が利くようだ。ランナーの最高速度を維持して、しかも縦横無尽に動き回られてはなかなか厄介だ。実際、狩木は直線の動きではなく、軌道を変えながら突っ込んできている。
「そろそろかな」
指の蜂弾は回復したが……撃つか。
発射した蜂弾は相手まで飛ばさず、宙にとどめておくことにした。罠とか、攻撃タイミングの目安になるように……
極めて当たり前だが、向こうは蜂弾を交わすように動きをそらした。当然だ。だがそこまでも含めて予想内だ。その一瞬で奴は私の背後に周りこんで攻撃を……しない! そりゃそうか。潜っている逆様を警戒しているのだ。そのまま距離をとっていく軌道は彗星のそれさながらだった。
そのままある程度の距離で対空している狩木。
「……」
今の接近で分かったことだが、やつの左太ももに焼けたような傷があるのを見つけた。それは問題ない。問題なのはその傷の上から切り傷が付けられており、なおかつ火傷の方も含めて出血が止まっていることだ。
つまりあれは能力だ。あいつの能力は鎌鼬。一部の説によれば鎌鼬とは三匹おり、一匹が転ばせ、二匹目が切り、三匹目が薬を塗る……だから特有の傷ができる……あれが答えなんだ。あいつは風速で移動できる能力のほかにも切り傷で止血する能力を持っているんだ。もちろんONOFFの効く……あいつは負った火傷の上から上書きするように切り傷を作ることで止血したんだッ!
私はもう一度意識を能力からあいつ自身に向ける。
「距離をとったか……だが」
チラリと視線を背後に回すと望んでいたものが視界に入った。
「良しッ! いいもんが来たぞ……逆様……いったん逃げるぞ……あそこを左に曲がって距離をとるぞ」
「……わかった」
この急な逃走宣言に逆様は文句ひとつ言わなかった。逆様にも後方からくるものが目に入り、その意図を読み取ったのだった。
一方で空中で距離をとりつつある狩木は考えていた。
片方は飛び道具持ち……
片方は潜航できる……
おそらくやつらは『蜂を撃つ方』を盾にしながら接近した俺を『潜る方』が討つ……とういう感じだ……いくら俺が風速で動けるからと言って、相手が地中に潜れるのでは向こうが一手上を行くということだ。おそらく返り討ちにされる。
だからこそここで更にあいつらに対して一手上をいかなければならない……
と、そこで狩木の目に妙なものが映った。
こちらに無防備にもこちらに背を向け走る窓際の姿だ。
「……!?」
まさか……さっきまでの作戦は膠着状態が続くだけだと知って……危険を承知で戦況を動かそうとしているのか?
しばらく通りを駆けた後、窓際と逆様は十字路を左に曲がり、狩木からは塀の影となり見えなくなった。
はっきりとした確信ではないが、あれは罠な気がする。
こちらが高速で動ける能力であるために、なるべく時間稼ぎとして逃走した……と見せかけて実は曲がり角で待ち伏せ……という線が高そうだ。この近くにはあそこしか曲がれる場所はない……
しかしあまりにも、あまりにもあからさまだ……更に裏をかいているかもしれない……もはやそこを考えるだけ無駄なのか……?
なんというか……あそこは塀の陰だ……直接見えないというだけでなく……その周囲の情報すら読み取れない……影とかな。
つまり、向こうの作戦は逃げることでもなく、時間稼ぎでもなく、ただただこちらの選択肢を減らすというその一点だ。
小僧の方は近づかなければ拳をふるえないし、窓際の飛び道具は俺に容易く屠られるのが見えている……あるいは飛び道具を活かす何かを見つけた……?
だとすればなおさら近づくわけにはいかないが、選択肢はない。向こうを逃がすわけにはいかないし、時間を稼がせるわけにはいかないのだ。
「クソッ!」
なおさら焦りが募る。嫌な気分だ。なにか決定打のような攻撃を喰らうよりも、このような状況と選択肢で焦らされる方が心臓に悪い……
とその時だった。窓際が隠れた石塀から再び顔が覗いたのだ。その動作で狩木のスイッチが入った。
「あいつッ! 間違いない! あいつは逃げていないッ!」
この覗きもこれみよがしだが、もう突っ込む!罠の可能性も考慮したうえで突っ込む!
一方の窓際たちは同様に緊張で張りつめていた。相手の選択肢を奪うという"バレて"こその作戦は、果たして成功しつつあった。
壁からわざと顔を出してみるとすぐに向こうにも気づいた様子。頭を掻きながらなにやら思案している様子。いいね、悩んでる悩んでる。
向こうも決心したか、こちらに弾丸のように突っ込んでくる。
「来たッ!! 来るぞ来るぞッ! 逆様備えろッ!」
すかさず蜂弾を撃った私は、ノンモーションで殴打の姿勢に入る。案の定、撃った蜂弾は奴の鎌で何ということなく切り払われてしまった。その爆炎をバックになお接近する狩木。
「うおおおおおおおおおおッ!!!」
すぐに狩木は目の前に現れた。ちょうど、窓際たちが曲がり角の陰におり、狩木だけが道に身を乗り出す形になる。雄たけびを上げながら逆様は、潜んでいた塀から飛び出し、拳をふるう。逆様のうろこに覆われた拳と狩木の獣のような拳がぶつかるたびに、金属が無理やり破られるような音が鳴る。打っては防ぎ、打っては防ぎという一瞬のやり取りが何度か続いた後、逆様は強く腹を打たれて飛ばされ、向かいの塀に激突した。
そこで順番を変わるように私が拳を突き出す。狩木はなお余裕な表情を崩さなかったが、数度のやり取りの後にようやく、手刀で胸に赤い線を引くことに成功した。
「がぁッ……? うぅッ?」
「驚いてるようだな? しかし、聞けよ。確かにお前は強い……事実、そこにああやって逆様だって倒れている……お前は風の速さで動ける能力を持ってはいるが……それは『移動』だけのようだな」
「……!」
「もちろん式神のスピードは人間以上だろう……だが、いまああやって逆様とやりあったのだって……『互角』だからおきたことなんだよ……互角じゃないと戦いは起こらない……」
「ペッ! ペラペラ喋りやがって! 俺は速い! お前らはノロマなんだッ!」
「それはどうかな? そりゃ速いだろうな。気づいていればの話だが」
「……?」
その時だった。不意につけられた胸の傷と、窓際からの煽りで冷静さを欠いたところに一つ激突するものがあった。
「これを待っていたッ!」
自動車だった。おそらく乗っているのは見知らぬ民間人だろうが、その速度から『曲がる気がない』ことを窓際は見抜いていた。このまま走るんだろうと。しかも狩木があの姿では民間人からも見えないだろうと。このタイミングを待っていた。とっさに私は狩木の首を掴んだ。
式神の首ではない。狩木の首をだ。するとなんということか、誰にも経験のあることだろうが、車両が通り過ぎた跡は空気が持っていかれるはずだ。あのカマイタチのような姿が、穴をあけられた風船のように自動車の起こす風に巻き込まれているではないか。
「やっぱりな。お前はただ式神の像が被っていただけだったんだな……でもこれでいい、もうお前の能力は封じた……本体を人質にとればな」
「くっ……」
「悪いようにはしないさ……おい正傘、もうやられたフリはいいぞ。お前には式神の方を拘束してもらうぞ」
「ねぇ狩木さん……あなたの式神……あの飛ばされた後どうなってるか把握してる?」
「おっかねぇ顔すんな! モテねぇぞ? 小僧のくせに……ちゃんと把握してるよ……だが呼び戻していいのか? 不意打ちで攻撃することだってできるんじゃぁねぇのか?」
「……」
「それもそうだな」詰まった正傘の代わりに窓際が応答した。
「よし……じゃああれを地面に歩かせろ。すると地面に響くだろ? そこを逆様に安全に回収させるとしよう」
少なからず負傷は負ったが……勝利することができた。しかしこいつをどうするか……? 狩木まで会議に猫みたいにつれていくわけにはいかない……しょうがないから井ノ上と同じ房で静かにしてもらうか?それもお似合いだ。