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いつあショッピングタイム 3

「まあ、無事で良かったわ。」

「いや、脚が…。」

「あんさんの行方が分からんようになって、嫁らがえらい心配しましてなあ。見つけるまで帰ってくるなちゅうて、ええとばっちりですわ。」

「一ミリも探して無いよな?」

「まあ、無事で良かった良かった。」

 ビシバシと文左衛門さんがシャイロックさんの肩を叩く。

 実に微笑ましい光景だ。

「ところで文左衛門さん。この品物なんですが、ついうっかり落とした物なんですよ。拾って下さったんですね。ありがとうございます。」

「はて?今、何か仰っいましたやろか?」

「浜辺で、うぅぅっっかりと、落としちゃいました。聞こえました?」

「いやいやいや、これは苦労に苦労を重ねて仕入れた品物ですよ。」

「苦労はされたでしょうね。何しろ留守番においてきた妖魔が居る海辺から拾ってこられたんですから。もちろん謝礼は弾みますよ?三割さしあげますとも!」

「さ、三割やと?たったそれっぽっち。」

 お、食いついた。

 竜人、ちょろすぎだろう。

「まさか、かあ子を怪我させたりしてないですよねー?」

「かあ子?そんな可愛いらしい名前なんか、あの妖魔は。」

「可愛いじゃないですか。鰯を獲るのがとても上手なんですよー?」

「あんなバケモン野放しにしはったのはあんさんですか。ペンギルアの船団が遭難して討伐依頼が来よったのはあんさんのせいですか。」

「それは別の魔獣のせいじゃないかなっ。ほら、あの辺クラーケンとかシーサーペントとか目白押しだから。仕方ないなー、謝礼、五割でいかがです?」

「アホ言いなさんな。七、いや八はもらいまひょ。」

「がめついですねえ。間をとって六ですね。」

「どっちががめついんだ?」

「トールさん、おそろしい子!」

 外野が五月蝿いが突発性難聴かなー、あー何言ってるか聞こえないよー。

「八だ!八。」

「あー、もう。分かりました、じゃあオマケに回復アイテムつけてくれるならそれで手を打ちますよ。」

「がめついな!」

「可愛い義弟さんの為じゃないですか。エリクサーの1ダースや2ダースぽんと出しましょうよ。」

 なんでシャイロックさんが白眼でみるんだよ。ヒルダさんの変顔は、まあいつもの事として。

「エリクサーなんぞあるかいな。」

「またまた。かあ子とやり合って無傷な訳ないですよね?治したんですよね?お持ちですよね?」

「……。い、一本だけやで。」

「オレが見つけた時のシャイロックさんがいかに悲惨な有様だったかお姉さん方にお知らせしたいなあ。」

「に、二本や。」

「頼みの綱の義兄さんは、捜しにくるどころか商売にうつつを抜かし?ステイタス、瀕死でしたよね?シャイロックさん。」

「あーうーあー、えー。」

 発声練習かよ。

「秘剣鬼斬でオレが助けたんですよ。ね?」

「あー、はい。え、秘剣?」

「それはそれは言葉に語りつくすと15Rじゃ済まない有様で。」

「わ、わかった!五本や。これ以上はあかん!」

 オレ、シグたん、カティ、ヒルダさん、ルキさん、シャイロックさん。うちは六人パーティなんだけどな。

 神罰回避にキープしてあったルキさんのエリクサーを入れて丁度六本。

 本当はダブルストックが欲しいところだが、これ以上のネゴはオレの評判に響きそうだ。

「わかりました。それで手をうちましょう。」

「嫁にはくれぐれも内緒でっせ?」

「はいはい、もちのろんです。」

 オレの前世の職業?やだなあ、普通のサラリーマンですよ、極、普通の。

 さて、分け前の二割分は何を貰おうかな。

 ぶら下がる奴と走ったり漕いだりする奴は除いて。

「駄目ですよ、ヒルダさん。そんなキラキラした目をしても。」

「これ。見て?このレア度。この金額。ね?」

「痩せる時には胸から無くなるらしいですよ?」

「わ、われのおすすめはこれじゃ。」

 ヒルダさんの語尾が古老になってるよ。

「どこでも裏扉ですか?そんな使えない物、」

「で、でも。これ。これじゃなきゃ、駄目なの!」

「根拠は?」

 オレとしてはエリクサーの材料だという竜骨を回収したいんだが。

 シグたんも喜ぶしな。

「理由、は、無いけど。これが、絶対、必要になる。絶対、ぜーったい、これ。」

 ヒルダさんがモノリスに抱きついて鼻水を垂らし始めた。

 あんた、さっきはエアロバイクを貰おうとしていたよね?

 まあ、そのうちカティにツインテで入浴して貰おう。もしかしたら猫型ロボットが現れるかもしれないからな…。

「じゃあ、オレの取り分はこのモノリスと竜骨一本で。あとエリクサー五本ですね。」

「さらっと骨を付け加えはったな。」

「いいじゃないですか、骨の一本や二本。それよりこの美容器具は売らないで土産にした方が奥様喜びますよ?背筋が伸びてバストアップ。ウエストも細っそりくびれます。」

「いやあああ!やっぱりこっちが欲しいいい!」

「ヒルダさんには必要ありませんよ。」

「え?」

 もう、充分可愛いから、なんて言ってご機嫌とりしようかと思ったけど。

「もう、手遅れだから。」

「酷いいぃぃぃ!!!」

 うん、やっぱりこっちがしっくりくる。

 ヒルダさんの清々しい嘆きっぷりをBGMにしながら、文左衛門さんからの戦利品を片付けた。

 実にいい買い物をしたと思います、グッジョブ、オレ!

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