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ダンジョンまで何マイル? 4

「クエーッ!!!」

 嘴が金色に輝いたかあ子は甲高く一鳴きした後、バサバサと飛び立って行った。


「えーと?」

「かあ子、また強くなったわね。」

 アップルパイを頬張りながら召喚主はのんびりとのたまった。

「かあ子どっかに行ってしまったのだが?」

「そおね。あたしにもそう見えるわ。」

「腹ごなしの散歩かな?」

「戻って来ないといいわね。来たら次の餌はあたし達だから。」

 ………つまり?

 兄貴の蘊蓄が召喚主と使役獣の関係性について熱く語っている。

「かあ子満腹で良かったわねー。初めてよ。襲われなかったの。」

「後学の為にその言葉の意味を教えて下さい。」

「召喚した妖魔を使役しているうちにうっかり召喚主よりレベルを上げちゃって制御出来なくなり逃したり?襲われたり?ま、よくある事ねっ。」

「ちょっとおおお?!」

 ピンポンパンポーン。

 お知らせ致します。

 魔王のレベルを超えてる妖魔がこの辺りを散歩しています。

 ご近所の皆様は安全な場所に退避して下さい。

 ピンポンパンポーン。

 ミサイルが飛んで来たら机の下に潜るんだが、妖魔が飛んで来たらどうすりゃいいんだろうなあ、えー、おい。

「あたしのせいじゃ無いわよ。あんたが食べさせた海の幸のせいだわよ。どれもこれも魔力の塊だったじゃない。」

「鑑定したけどそんな事は…。」

「あんた、どうせ可食かどうかを鑑定しただけでしょ。」

 おー。成る程。

「魔力量の鑑定も必要なのか。」

 ちら。

 ほお、流石魔王様。ぱないぜ。

 意外にシグとルキさんもカティにほど近い魔力量だ。

 獣人も天人も魔法生命体だからかな。

 ヒルダさんは。

 ぷふ。安定のポンコツだな。

 オレ?残念ながら、自分は鑑定出来ないんだよ。あー、残念残念。

「それじゃ腹も一杯になった事だし、かあ子が戻ってくる前に出発するか。」

「そうですね。でもどうやって?」

 ニコニコとルキさんは言った。




「あのう?どうやって進みます?」




 おーい、誰か返事をしてくれ!

「びっくりね?あたし達遭難しているわっ。」

「そーなんだ。」

 シグたん、可愛いぞ!可愛いがおバカだなっ。

 目の前は、海。

 オレ達はオン・ザ・真っ白なビーチ。

 そして背後にはそびえ立つ崖。切り立った崖。犯人が犯行を供述しちゃうような、崖である。

 えー、お客様の中にロッククライマーはいらっしゃいませんか?

「カティ、勿論他の妖魔を召喚出来るんだよな?」

「飛行タイプはかあ子だけだわ。」

「いや、虫タイプにも草タイプにも飛べる奴はいた筈だ!」

「そんな妖魔、飼ってないわよ。とりあえず、アイスクリームお代わり。」

 のんびりしていると思ったらまだ食い足りなかったか。

「アイスクリーム、食べたいなら脱出方法考えてください。」

「そんなん、いくらでもあるわっ。さ、アイスクリームをお出し!」

「ボクの髪はあげませんからね!」

「俺様の尻尾もやらないぞ!」

 そ、そういう解決方法か。

「オレも妖魔落ちは嫌ですよ!」

「えっ、えっ?!」

 いやあ、ヒルダさんがトロくて助かるぜ。

「アイス美味いな!もう一杯!」

「おー。いいけど腹壊すなよー。」

「コーヒーに溶かしても美味しいですね。」

「アフォガード、美味いよな。グランマニエとかラムとかでも美味いんだよ。」

 人呼んで割り勘負けしない男。酒もスイーツも任せてくれ。

「あー、これぞシアワセねっ。綺麗な海、輝く砂浜、真っ赤に沈む太陽っ。」

「ほんと、見事な夕日だなー。」

 ……あれ?



 野営早朝。

 月があるこの世界ではちゃんと潮の満ち干もあり夜中に溺れそうになったり。

 巨大亀が産卵に上がって来て、砂をぶっかけられたり。

 エトセトラエトセトラ。

 もう、ハリウッド映画の二、三本も撮れそうな濃い一夜が漸く明けたところでございます。

「で、どうやって進みますか?」

 イケメンは無精髭が生えていても、臭くても、鳥肌背中に生えていてもイケメンなんだな。

 前髪を気怠くかき上げながらルキさんは言った。

「もうアイスは無いからな。早いとこ解決策を教えてくれ。」

「えーと、じゃあまず、ヒルダを逆さ吊りにしてえ。」

「オーケーオーケー。」

 眠いから頭も働かねえ。

「ここに動脈があるからすっぱり切ってえ。」

 ヒルダさん、逃げないで欲しいなあ。眠いから。

「で、この魔法陣を浸すとお、多分なんか出てくる。」

「なんかって何だよ!」

「そこじゃ無い!突っ込むのは其処ではあらじ!」

 ん?違ったか?

「トールっ、俺様はいい子だからなっ?なっ?」

「うんうん、シグたんはいい子だよなー。」

 尻尾を股に挟み込んで震えている姿もば可愛い。

「まあ、それは最後の手段として、」

「保留?保留なのかっ?そこは却下を要請する!」

「ヒルダさん、空気読みましょうよ。そこは『我はいいから先に進め』でしょう?」

「よくない!良くないからっ?良くありませんからー。」

 あ、キャラが崩壊した。

「トールさん、女の子を泣かすなんて見損ないまし」

「髪、逝っとく?」

「他に方法はありますか?カティちゃん。」

 ルキさん、変わり身早いな。

 まあ、いくらなんでもヒルダさんを生贄にする訳にもいかないので無い知恵を絞りたいと思います。って、ばあちゃんの知恵で何とかなるものなのか、これ?

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