ダンジョンまで何マイル? 3
ぱふぱふ。
恒例、トール・ヤマーダのニコニコキッチンのお時間です。
本日のゲストは身を挺して海産物ゲットに励んだヒルデガルド・元氷帝さんです。
巨大クラゲとの電撃合戦は非常に見応えのある試合でした。客席の歓声は届きましたか?ヒルダさん。
「…ぅぅ。」
はいっ、それでは早速料理に取り掛かりましょう。
本日の食材はこちらですっ。
「壮観ですね!」
「早く食わせろ!」
「かあっ!」
かあ子が頑張って捕まえてくれたおかげだもんな。
ヒルダさんじゃないのかって?
クラゲの毒でぷかりと浮いたヒルダさんが良い疑似餌になったのか、あの後更に入れ食い状態になりました。
そこでかあ子が上空から急降下でゲットし、オレが収納するという見事な連携プレーで様々な魚が漁れましたよ。いやあ大漁大漁。
そこからは頭の上で食わせろコールを叫ぶシグに煽られて、今まで随分乗り心地を優先してくれていたんだねー、と更にかあ子に感心するスピードで陸に到着した次第です。
若干一名、乗り物酔いで瀕死の魔王様がいらっしゃいますが、魔王なので大丈夫だろう。
さて、せっかくスキルもあるので鑑定しておこうか。
「巨大クラゲもどき、毒があり食用には向かない。」
ま、クラゲだもんな。次。
「巨大タコもどき、毒が、」
そういうタコもいるさ。次。
「巨大イカもどき、毒はないが非常に不味い。」
そうそう、地球でもそうだった。次。
「巨大ウツボもどき、骨が多く食用には向かない。」
だしぐらいは取れないかな?
「巨大伊勢海老もどき、身は非常に美味。」
おー、きたきたきた。
「ただし、殻の硬度はオリハルコンを上回る。」
……炎斬剣で試しても良いだろうか?保留。
「巨大蟹もどき。身は非常に美味。殻は、はあー。」
………悩む、悩ましい!
剣も折れてなんぼだよな?いいよね?試しても!
一応、炎斬剣を鑑定しよう。
あ、駄目だった。
「トールっ、まだか?まだ食えないのか?」
「仕方ないだろー。炎斬剣、オリハルコン製なんだから。」
次だ次っ。
「巨大鮑もどき、ゴムの味。巨大雲丹もどき、中は空洞。巨大鯨もどき。非常に美味だが食べると呪われる。」
…大丈夫、まだ幸はある。
「出でよ、魚シリーズ!」
ここからが本当の戦いだ!
「巨大鯛もどき、駄目。次、巨大鮪もどき、駄目。次、巨大平目もどき、くっ、巨大鰹もどき、巨大鰤もどきっ、おらっ巨大鰯もどき、やった!食べれるぞ!」
鰯、鰯かー。
巨大鰯と申しましても所詮は鰯でございます。
サイズは手頃な本鮪サイズ。うん、サイズ感が狂ってくるな。
取り出したるは秘剣炎斬剣。
魔力を込めず、すすいと刃を滑らせて、はい、三枚おろしにございます。
半身はフライと南蛮漬けに、半身は生姜煮とつみれ汁、ハンバーグにしたいと思います。
魚が弱いと書いて鰯。ここからは時間との勝負。観客の皆さんにもお手伝いいただきましょう。
小さなお子様でもぶきっちょさんでも怪我なく華麗に料理できます、ザ・フードカッタートルネードデラックス。
「これでミンチを作ってな。」
「俺様にまかせろ!」
二個セットなので取り合いする心配も無用です。
「ルキさんはパン粉を作って下さい。」
「はい。オリーブオイルも入れていい?」
イケメン料理に必須だな。はいはい、どうぞ好きなだけ垂らして下さい。
「デザートは、何?」
「皆、ひれ伏せ!魔王の復活ぐはあ。」
カティさん、236決めるのやめて?死ぬから。
「あ、アップルパイ、は、いかがでしょう。」
「バニラアイスも添えて。」
「へいへい。」
「いやあ、鮮度がいいと美味いな。」
「かあっ。」
「俺様が作ったんだぞ!」
「青背の魚は体にもいいしな。」
「羽根も生えてくるかな?」
「きっと生えるさ!フサフサのボーボーだ。」
「…れじゃ、ぃ。」
「つみれ汁も体があったまるわ。」
「そうそれな。美味い美味い。」
「違う違う違う!海の幸は、これじゃ無い!!!」
「ヒルデガルドさん、現実を知りましょう!海の幸は、コレですっ!」
そりゃオレだって蟹とか蟹とか蟹が食べたいよ!
非常に美味っていう鑑定結果なんだよ?
「オレだって断腸の思いなんです!蟹とか蟹とか蟹とか!!!」
蟹とかなっ!
くそう。ダンジョンに行ったら炎斬剣より切れる包丁を手に入れてやるぜ!
蟹よさらば、また会う日までーーーっっっ。
尚、残った巨大魚介類はスタッフが美味しくいただきました。かあ子、お主なかなか悪食よのう。




