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お兄さんと一緒 5

 ぴこん。

<『恋人の絆』

 ルキ様好感度:レベル99

 NTRウェルカム!>

 いやああああ。

「どうかしましたか?悪夢でも見ましたか?ご飯持って来ましたよ。食べられますか?」

 めがめがー!ルキさんが眩し過ぎますっ。

 動悸息切れ目眩がしますが断じて恋ではない!心不全だ!!!

 兄貴のギフトだけでなく彼女のギフトも腐ってました。

 要らない。要らないからっ。

 ぴこん。

<ギフト『賢兄の雑学』『恋人の絆』を使用しますか?>

 使用?

 待って。

 この二人のギフトのコラボ、めっさ怖いんだけど。

 ど、どんな効果が現れるのでしょうか…。

 ぴこん。

<***で***な**………>

 いやあああああ。

 腐海が広がってるよう。

 やばいやばい、何とかしないとなろう転生じゃ済まなくなる!



 さて。

 オレがいつのまにか担ぎ込まれていた宿屋の布団でルキさんに看病されながら人生最大の危機に立ち向かっている間、放し飼いになっていた魔王と獣人のちびっ子達はというと。

「今日こそ、屋台を制覇するわよっ!」

「おう。」

「今度は端から全部買うからねっ。肉肉言わない事!」

「む、わかった。…辛いのは要らないからなっ!」

「辛いのは、…要らないか。店主、出来ているもの全部包んで!釣りは結構よ。」

「これは何だ?甘い匂いがするぞ。」

「ベビーカステラよっ。はー、いい匂いー。」

「ずるい!次は肉、肉だ。おっちゃん、あるだけ全部!カティ、金!」

「自分で払いなさいよー。えーと、シグちゃんの財布は。おっも!アレク金貨入れ過ぎ!」



「はあはあはあ。」

「おかしいな、サーラ様の加護が効かない?」

「ふーふーふー。」

「だ、大丈夫かい?トールさん。」

「ううう、」

 ルキさんのキラキラオーラとフェロモンが辛いです。

 今や好感度はレベル200を超えました。

 頑張れ、オレの理性。

 そして、ルキさんからの好感度は微塵も上がってねえのが、またツライっす。

「はあっはあっ。あの、ですね。すみませんが独りにしてくれませんかっふー。」

「感染るとか心配しなくても大丈夫だよ。ボクの貰ってる御加護は聖者クラスだから。」

「ぎゃあ、近づかないでー。」

「だって顔真っ赤だよ?熱あるのかなあ。」

 はいっ、世界中の腐った皆様!イケメンのおでこコツンいただきましたっ。

 何故デコで熱を測る?殺す気かっ。

 お肌すべすべ、まつ毛長っ。ちょっとタレ目に泣きぼくろ。ふわあ、何度見ても夜の帝王系イケメンだ。

 これで鼻毛でも出ていてくれたら好感度も下がるのにそんなぬかりは有りませんな。

「る、ルキウスさん。オレ、貴方の事が…、」

「あ、ごめん!」

「……。」



 泣いていいよね?オレ。



「ごめん、って。」

「……。」

「ごめんねー?ごめんなさい?」

「……。」

「ほらほら機嫌なおして。チュッ!」

「うがあっ。投げチュすんなっ、きしょいわ!」

 ぺしんとはたき落として足で踏みにじってからゴミ箱に捨ててやる。

「しょうがないじゃん、体質なんだから。ボクだって、落とすなら女の子の方がいいんだよ?」

「不細工な魔族で悪うござんしたね。」

「いやあ、アレク並みの美貌でも男はね。」

「じゃあ、フェロモンダダ漏れやめて下さい!オレはあんたに殺されかけたんですよ!」

 精神的に。

 ほんとにもお、勘弁してくれ!

「またまた大げさな。で、気分はどうです?少しは落ち着きましたか?」

「落ち着いたような、落ち着かないような。」

 目の前にですね、真っ白な翼の天使がいます。

 そしてですね。

 その天使の背後には神秘の光がチラ見えしています。

「普通はこっちの姿の方が皆さん慄くんですけどね。」

「おかげ様で好感度が突き抜けて信仰心に変化しましたよ。」

「それはそれは。存分に崇めてお布施下さい?」

「皮肉っただけです。」

 それはそれとして、好感度はリセットされたのでよかったです。

「ルキさんの正体は天使だったんですね。」

「ホゲ?いえ、ボクはただの天人です。」

「ただの天人とやらは後光が射すのか?」

「背後のは気にしないで下さい。ちょっと神界が見えているだけです。」

 深海?じゃ、ないよねー。

 すーはー、ちょっと落ち着こう。



 その頃のちびっ子ギャング。

「マスター、それ、端から端まで全部下さる?」

「うお!凄え。全部かっ、全部なのかっ。」

「ほーっほっほっ。シグちゃん、これが大人買いよっ!」

「うわあ。俺様も!おっちゃん、端から端まで全部と材料もなっ。釣りはいらねーぞ!」

「やるじゃない、シグちゃんっ。」

「俺様の本気、見せてやるぜっ!喰らえっ電光せ、」



「カツ丼食うか?」

「そういえばお腹空きましたね。」

「故郷の母さんが泣いているぞ?」

「ただでは泣かないヒトですがねえ。」

「突っ込みたいがここはスルーだっ!オレっ。先ずはルキさん、貴方の正体を白日のもとに晒すのだっ、精神衛生上至急なっ。さあさあさあ、吐け、吐くんだっ!」

 ブレス無し。一息に畳み掛ける。

「だから、ただの天人族ですってば。」

「天人は羽があるのかっ?」

「天人ですから。」

「タラシなのかっ?」

「割と。天人ですから。」

「神界が見えるのかっ?」

「あー、はい。時々?ごめっ、泣かないでトールちゃんっ。」

 神々しい人にヨシヨシされてます。

 よかったー。腐海に沈まんでよかったー。

「ほんっと、ごめんて。ボクねえ、サーラ神の他にフローラ神とイリア神の加護があるんだよ。素の姿だと女神様達の祝福が際限なくて落ち着かないから普段はアレクに描いてもらった変幻の魔方陣を展開しているんだけどね。それでも少々滲み出てるみたいで。」

「滲むとかそんなレベルではないだろっ。公衆わいせつ罪もんだ!」

「酷い言い様ですねえ。ボクだって色々苦労しているんですよ。神殿の外に出ると貴方みたいな人に纏わり付かれるのでおちおち外出も出来なくて。大体、たかだか一日つるんだだけで愛だの恋だの、」

「うわああああ、」

 言わないでえええ!

 魂が抜けてゆくよ。



 オレが悟りを開いている頃。

「あの子達、親はどうした?」

「魔族と獣人か?あんなに金貨見せびらかして。」

「流石にほっておけねえや。ちょいと憲兵呼んでくるから店番頼まあ。」

「はいよ。攫われでもしたら寝覚めが悪いもんな。」



 おし、復活…した事にする。ふう。

 半分はルキさんの体質だとして、残り半分はやっぱりコレのせいだよな。

 ぴこん。

<ギフト『恋人との絆』を使いますか?>

 こいつを無くさなければ腐海が溢れてくる。

 兄貴と一緒だとえげつなかったが、単品だとどんな効能になるのだろうか?

<眼鏡をかけていると少し好感度があがる>

 おっとっと。

 告白した日、なんかコンタクトが痛くて眼鏡をかけていたんだよな、確か。

 …そっか。萌えてくれたんだね、ありがとう。

 なんの役にも立ちそうにないが残しておくとやばいので早速使わせて頂きます。

 さらばマイハニー!

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