魚
お魚ヨーグルト。
お魚ダンゴムシ。
僕は魚だ。
泳ぐんだ。
ジュボッジュボッ!
パエン!
呼吸は海でしなきゃいけない。
水が足りない。
ジュボッジュボッ!
パエン!
陸で騒ぐ人達は
気づかない
気づかなければならないのに。
浮き輪が飛んできた。
トビウオのようにとび、乗った。
ピチピチと跳ねながら、落ちないように
バランスをとった。
しかし、呼吸ができない。
少し我慢する。
いずれ、浮き輪から落ちた。
呼吸が出来て嬉しい。しかし、なにか、モヤモヤ。
多分あの時、一瞬だけ、目覚めたのだな。
待て、気づいた。水はない。
そう気づくと、呼吸ができなくなった。
さっきまであったのに。
いや、さっきまでもなかったのだろう。
どうしようもないことだ。
ここで死ぬのか。
そう思った途端、
波が止まった。
ピーーーーーーーーーーーーーーーっと。
ピーーーーーーーーーーーーーーーが
うるさくないのだろうか。
不思議な生物だった。
また海に戻ろう。
お魚ヨーグルト。
お魚ダンゴムシ。
END