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91 次回アップデート情報

蘊蓄うんちくが長くなってしまった。

9階はそこそこ人がいましたが、部屋を使うのに問題はありませんでした。

わたし達が使用したのは大部屋で、ウォーリアー、レンジャー、スパルタンのPTと、ハイナイト、ソーサラー、ビーストの2PTがいるくらいの大きい部屋です。


「ラッキーだな。 この部屋が空いてるなんて」


それぞれのPTは独立していて、例えばウォーリアーPTに攻撃してもハイナイトのPTは反応しないのだそうです。

もちろんハイナイトPT同士は反応、リンクと言います、しますけどね。

PT同士は離れていて、そうそうリンクしそうにないですが気を付けておくようにとの事。


狩りはとても順調で、一回リンクさせてしまったくらいです。

時々この部屋を覗きにくるPTがいましたが、わたし達が使用しているのを見ると軽く挨拶してくるくらいでなにか言ったりする事はありません。

ただ付き添い、師弟システムによるものでしょうか高レベルぽい人が紅蓮に親し気に挨拶していきますね。


「紅蓮って友達多いんですね」


「ん? あーまあな。 ほとんどβからのフレだな」


βというと正式じゃあない時の事でしたっけ?

しかし、改めて考えるとわたし友達少なくないですかね?


「まあこれからだろ。 レイドとか行けば普通に仲良くなる人も増えるし、りりりだってそうだろ?」


そうなんですかね。 りりりさんは友達、でいいんですかね。

休憩中にそんな会話も挟みつつ、ナインのレベルが50になりました。


「……やっと50」


ナインに二人で祝福します。


「おめでとうございますナイン」


「おめおめ、ロリっ子」


「……あり」


ちょっと照れてるのかな? そっぽ向いたナインに紅蓮がからかいます。

わたしは…… もう少しかかりますね。

時間を見るとそろそろ落ちる時間でしたので、帰還する事にしました。



次の日も雨。 まだ梅雨入りしてないのに、こんな天気で憂鬱ゆううつになりますね。


「ご機嫌よう。 みさおさん」


「おはようございます。 乙女おとめ


朝の挨拶もそこそこに、乙女がCOMをわたしに見せてきます。


「どうしたんですか?」


「ラグナの新情報です。 ここ」


そう言って乙女が差し出した記事を見て見ると、7月のアップデート情報なる物でした。

何々? 次のアップデートでは新しいマップ、辺境伯領へんきょうはくりょうが解放される。 ですか。


「ん? と言う事はグランゼイム以外に国があるんですね?」


グランゼイムが国の名前かは分かりませんけど。


「一応、グランゼイム王国でよかったはずですわ」


ふむふむ、それでどうなるんですかね?

記事を見ると、グランゼイムの北方に帝国があり、ここに面した辺境伯領が解放されるらしいですね。

そして、このゲームは正しく、と言っていいか分かりませんが、西洋における辺境の定義なのですね。

実は、日本ではこの辺境が田舎、もしくは未開発の土地という認識であるという人や作品が多々あります。

まあ決して間違いではないんですが、この場合未開の土地という考えはアメリカ開拓時代の認識なんですね。

西洋では、他国との国境線である王都から一番遠い所である広大な土地という意味です。

その土地を所有するのは、辺境伯という他国の侵略を跳ねのけるだけの武力を持つ領主にして、広大な土地を治めれるだけの力量を持つ者だけがなれる小国の王にも匹敵する権力を持つ存在です。

なぜなら、王以外に軍を任命できる権利をも持つのですから。

むしろ持ってないと防衛できませんし。


爵位は基本、王族を除けば、公爵こうしゃく侯爵こうしゃく伯爵はくしゃく子爵ししゃく男爵だんしゃく。 あとは国によって変わりますが、準男爵じゅんだんしゃくもしくは騎士爵きししゃくなどがあり、辺境伯はやはり国や時代によって変わりますが、侯爵と同等か少し上、もしくは公爵待遇の場合があります。


大体において、公爵は王族の血を引く者がなる事が多く、例えば王の弟が王籍を降りて貴族になる場合などに用意される爵位が公爵の場合が多いです。

そこで辺境伯ですが、国の防衛の要であるからには裏切られた場合大変な事になるので、大体は王族の血を引く姫君なんかをお嫁に出し、親族なんだから裏切らないでね? とやったりする訳です。

王族の血を引くのだから爵位が高くなるのは当たり前といえば当たり前ですね。


国境線が辺境伯領なのは言いましたが、それを考えると田舎という考えはおかしいという事になります。 後、貧乏設定なこともありますが。

国境線という事はつまり他国から見たら最初に目にするその国の顔な訳で、ここが貧乏だったりすればすなわち国が舐められ、攻めてやろうという気にさせてしまうでしょう。

それに、普通に交流があれば他国の商人が最初に訪れる事になるのですから、入国税だけでもかなりの儲けになるでしょう。


まあこんな勘違いが起きたのは多分、アメリカの辺境の意味の方が先に入って来たからじゃないかと思います。 西部劇ですね。

まあ面白ければわたしはどっちでもいいのですが、西洋ファンタジーは出来れば辺境領は国境線であって欲しいですね。

後、田舎だったらわざわざ辺境伯なんて爵位与えなくてよくないですかね? 

田舎貴族なんて意味の専用の爵位与えるとかイジメでしょうか?


長くなりましたが、今回のアップデート情報は辺境伯領までなんですね。

帝国は今度でしょうか?


「帝国はクエの話の中でたまに出ますけどね。 廃棄城塞ってありましたでしょ? あそこのゴブリンは帝国の捨て駒として戦争に駆り出されたって設定がありますのよ」


ほほう、そんな設定があるんですか。

このゲーム、ストーリー自体はないんですが、こういう設定があちこちに散らばってるとかで検証クランとかいるらしいですね。


んー後は、新しいスキルに…… む? 舞バフの修正ですか。


「あー、やっぱり修正されるんですのね」


乙女が納得した表情で頷いてます。

うん、それはわたしも思ってました。 強すぎるんじゃないかって。

後は…… 神獣の卵のドロップ率上昇、ですか。


「拾ったっていう報告が少なすぎましたからね。 妥当ではないかしら?」


わたしに関係ありそうな情報はこれぐらいですかね。

その後担当の先生が来たので乙女は席に戻っていきました。



では、今日も勉強がんばりましょう。












これは特定の作品に言及したものではありません。

個人的には、面白ければなんでもいいスタンスなのでw

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― 新着の感想 ―
[一言] 舞に関しては効果範囲広すぎる上に一括で複数かけられるから仕方なしですね... 結局高レベルレイドに行く前にドロ率上がりましたねー
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