86 スカイランサー戦前
前話のアンデット表記は、〇戯王リスペクトの為アンデッドではなくアンデットにしてあります。
これは、ネトゲにかぎらずコンピューターゲームでもある、全く違うモンスターの名前だったり訳が間違ったまま使用している物へのオマージュでもあります。
次の日、INすると早速りりりさんから連絡がきました。
21時よりレイドをするそうで、ナインと相談し行くことを伝えました。
なので用意をしっかりしていきましょう。
と言ってもポーションを多めに用意するくらいなんですけどね。
「お? レイドか? いってらー」
紅蓮が、出かけようとしているわたし達を見てそう声を掛けてきました。
「はい、行ってきます」
「……いてきま」
お城のGKで、”棄てられた合戦場”へ移動。
そこから、敵のいない道をたどってスカイランサーの元へ。
そこにはすでに沢山の人がいました。
うん、レウゲメトンの時に見た光景に似てますね。
あの時と同じで、シグノさんがいました。
「おう、嬢ちゃん達! 来てくれたか、今日はよろしくな」
「こんばんわシグノさん。 今日はよろしくお願いします」
「……よろ」
そうやって挨拶していると、りりりさんがやって来ました。
「ミリオちゃん、ナインちゃんこん~。 ミリオちゃんはタンクPTでよろ、ナインちゃんは魔法ATPTね」
今回はりりりさんが進行役らしく早速わたし達のPTを決めてくれました。
「よろ-。 おお、話題の巫女さんだ」
「巫女さんきたコレで勝つる」
「メインヒーラーは私がするのでサブはまかせるねー」
「よろしー」
「よろよろ」
「よろしくお願いします」
タンクPTの皆と挨拶も終えたので、座っておきます。
開始まではまだ30分はありますね。
その間に自己紹介をしました。
メインの盾職がヒューマン【パラディン】のトライさん。 サブ盾のヒューマン【アベンジャーナイト】の、かたいぞーさん。 同じくサブのエルフの【テンプルナイト】のりっくんさん。
メインヒーラーのヒューマンの【カーディナル】の三つ葉さん。
同じくヒーラー兼【マナリチャージ】要員のエルフの【エルダー】のシャラランさん。
そしてヒューマンの【神獣の巫女】のわたし。
これがタンクPTの全員です。
タンクの補助にトウカをどうかと勧めて、模擬戦で確認を取ってOKをもらいました。
「やべえ、可愛いのに強い。 神獣欲しい」
「あざーすっ! 職業変更チケット5000円になりまーす!」
「くそぉ! 運営の回し者めっ!?」
「「ぶははははははは」」
なんだか和気あいあいとしていていいですね。
ナインの方を見て見ると結構盛り上がっているみたいですね。 あ、【ソルレイ】を空に向けて撃って拍手を貰ってドヤ顔してますね。
「いやーでもさ。 どうもミリオちゃんの後で出て来た巫女がいるんだけど、なんか評判悪いみたいよ?」
むん? わたし以外の巫女ですか。 まあ巫女はわたし専用でないし、いるんでしょうけど評判が悪いですか。
三つ葉さんの発言にシャラランさんが乗ってきます。
「それ私も同じクランの子から聞いた! なんか取り巻き連れて狩り場独占とかしてるぽいよ」
どうもその件の巫女とは、スタジオ所属のアイドルなんだそうです。
「名前が、聖天使猫姫みるき~うぇい姫だったかな? んで取り巻きのクランが《聖天使ちゃんを見守る会》だっけ。」
りっくんさんがそこで話に参加してきます。
「あー、みるきーちゃんだっけ? あの子スタジオもだけど、評判悪いよ」
「そうなの? うはぁ」
「ウチにいたクラメンがさ、前ウチ抜けて次あったときはそのクラン入ってて唖然としたわw」
トライさんも参加して愚痴り出しました。
「そいつ、アイドル話をするけど普通のやつだったんだけどなあ」
再会したときはヤバイヤツになってたと、そう言ってため息を吐くトライさんを慰めていると、ようやくPTが揃ったようです。
「今日は《ハーヴェスタ》主催のレイドに集まってくれてありがとう! 私は今回初主催だけど、クランのサポートがあるから安心してね?」
りりりさんがわたし達の前に立ち、開始前の挨拶をします。
「よーしバフ掛けるから集まってくれ。 嬢ちゃんMP回復バフくれるか?」
シグノさんが連合に入ってる事を確認して舞バフを掛けます。
「おー、これがそうか! サンキュー」
そう言ってシグノさんは、今回は途切れる事なくバフを掛け終わりました。
その後、わたしも舞バフを掛け変えます。
「さて! それでは作戦通りお願いします。 レイド成功させましょう! それではタンクさんお願いしますっ!」
「よっしゃー! 行くぞ【ヘイトオーラ】!」
トライさんの掛け声でレイド戦開始です。




