84 ワズの族長
ここで言うのもなんですが、誤字報告を見ててもしかしてパルスオキシメーターが何か知らない人の方が多いのかな? と思いまして。 そこの描写を書き加えるか検討中です。
さてレイドボスを倒すに当たって、”棄てられた合戦場”に行けるようにしなければいけません。
その為には、修練場の奥にある天幕で待っているフィールドボス、ワズの族長 ヤオシュを倒す必要があります。
ヤオシュはソロ型ボスで、ワズの族長だけあって他人の手があると仲間を大量に呼びます。
そして、剣も魔法も使いこなす厄介な敵なんだとか。
ただ出鱈目に強い訳ではないので、しっかりレベルを上げていれば問題ないのだとか。
そのレベルは42なので、レベルだけで言えば格下ではあります。
ナインはすでに倒しているので後はわたしだけですね。
「……族長、強いけど相手の土俵で戦ってくれる良ボス、ガンバ」
頑張りましょう。
「ほう、テイマーか。 久しぶりに滾る闘いが出来そうだ!」
天幕の中は外観からは想像も出来ないほど広く、戦うのに問題はありませんでした。
ワズの族長 ヤオシュは、赤茶けた皮膚の身長2.5mほどの大男で、側に側近らしきオークを従えています。
族長は前に出ようとした側近を手で制し下がらせると、他の側近が持っていた剣を受け取り前に進み出ます。
「トウカお願い!」
開幕は何時もの如くトウカによるアピール、からの連続攻撃です。
族長はそれを避けずに全部喰らいます。
「ほう! なかなかいい攻撃だ。 次はこちらから行くぞ!!」
そう言うとその長大な剣を振りかざすとトウカに振り下ろします。
新たに覚えたトウカの防御陣、【そらしの陣】によって剣は上手く逸れ地面を叩きます。
【そらしの陣】はタイミングよく相手の攻撃に合わせる必要があるのでかなり難しいのですがトウカは難なく使いこなしてくれました。
ディレイが30秒と連続使用が出来ないのが不安材料ではありますが。
その後は、ちょっと危ない場面もありましたが、やはりレベルが上なだけあって体力を三割以下に持っていくことに成功しました。
さて、ナインからの情報だとここから……
「フハハハハ! いいぞ、勇者よ! 闘いはこうでなくては!!!」
そう言うと、その身体から真っ赤なオーラのような物がほとばしり、筋肉がはち切れんばかりに膨れ上がります。
そして今までのスピードを超える速度で踏み込むと、トウカを弾き飛ばします。
「トウカ!」
しかしトウカは空中でクルリと体勢を整えるや、【蒼炎弾】を族長に飛ばし追撃を防ぎます。
わたしはクリシュナに合図し、族長の足を狙うように指示します。
その間、できるだけ上半身に攻撃を集中するようにスパルナに突撃を、イヅナに魔法の指示をします。
それは功を奏し、族長はクリシュナの攻撃で膝を着きます。
「小癪な!」
族長は膝を着いた状態のまま剣をクリシュナに振るいますがそこにトウカが割り込み剣を逸らします。
ここで一気に行きますよ!
「イヅナ、【サンダーハウル】 「チチッチ!」
わたしは待機状態にさせていたイヅナに魔法の発動を指示。
巨大な雷の弾が族長を襲います。 しかし。
「ぬうううううううん!!」
なんと、族長はダメージを負いながらもその雷弾を切りつけ真っ二つに!?
でもそれは目くらましです!
その雷弾の後ろにスパルナの突撃が迫ります。
しかし族長は、すぐさま反応しスパルナに切りつけます。
本来であれば避ける事が出来ない軌道を描く剣閃に、「にゃう!」 「クエッ!」
スパルナの背中に乗っていたクリシュナがスパルナを踏み台に高く跳躍。
それによって軌道が下にずれたスパルナは剣の軌道からずれ、族長のお腹に見事に命中。
そして、空中を走るクリシュナの頭上からの攻撃によって族長のHPがすべて無くなりました。
これが遊んでいた時に出来た二人の必殺技です! 名前はまだありません。
「見事だ…… お前ならザザンの侵攻を止められるやもしれぬ、天幕を開けよ! 勇者に敬意を!」
側近が天幕の奥を開き出口を作ると、わたし達に敬礼を送ります。
その出口を抜けると、”棄てられた合戦場”の入口と狩り場GKが見えます。
ふうー、何とか倒せましたね。
GKを登録して一度お城に戻ります。
後はトウカ達を褒めまくらなければいけませんからね。
「さあ帰ったらご飯ですよー」
「きゅーん!」「にゃう!」「チッチ!」「クワッ」
『なにもやってないけど、いえ~い!』
そうやってワイワイと言い合いながら帰還します。
【サンダーハウル】 消費MP 60 単体魔法 巨大な稲妻の弾を飛ばす オーバーヒット可能 威力65




