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82 塔での狩り

”虚栄の塔” そこはかなりの広さを誇る塔で、直径およそ1Kmくらいの広さがあるそうです。

これが二十階、いえかつてはそれ以上の高さを誇っていたというのですから、恐ろしい物です。

とはいえ、かなり細かく部屋となって仕切られているため、中に入ればそれほどには感じません。

ゲームとしては、階層ごとに出てくる敵のレベルが違うようになっていて、様々なPTが活躍できるようになっている人気狩り場なんだそうです。


「取りあえず、ミリオ達のレベルなら一階からがいいかな」


紅蓮の先導で、沢山ある部屋を覗き込みながら移動します。

部屋はPT単位で狩るようになっていて、誰かが使用していたらそこに立ち入らないのが狩り場マナーなんだとか。

因みに部屋には扉は付いてなくて覗き込めば中の様子は分かります。

やはり人気なだけあって、これまで見た部屋は使用されていますね。


「うーむ、二階に行くかの?」


まっするは、これ以上一階で探すのも無駄とばかりに提案します。


「まあ、この戦力なら大丈夫か。 よし二階に行くぞ」


そう言うと一度塔の入口まで戻り、外周に沿って作られている螺旋階段を昇ります。


「よしよし、ここは空いてるな」


二階に上がって直ぐの部屋を覗いて、空いているのを確認した紅蓮はわたし達に説明を始めます。


ここで出るモンスターは。

デーモン スカウト     Lv45

デーモン ファイター    Lv45

デーモン サーチャー    Lv45

デーモン セージ      Lv46

デーモン インスペクター  Lv47

デーモンズビースト     Lv46

デーモン メイド      Lv46

です。 


レベル自体は一階と同じなのですが、この階から魔法を多用してくる敵が出るのだそうです。

セージ、インスペクター、あとメイドがそうです。

因みに基本は2.5mほどの漆黒の肌の、まさに悪魔然とした姿のデーモンですが、ビーストは四つ足の獣、メイドは人型をしています。 その代わり顔はのっぺりして目や口はないそうですが。

まあ、今目の前にいるんですけどね。

部屋の中には、スカウト、ファイター、セージ、それにメイドがいます。


「この部屋で狩りしよう。 沸き待ちしながら回復してればいけるはず」


そう紅蓮が言うので、まあやってみましょう。


「では、トウカお願いしますね?」


「きゅん!」


そうトウカは一声鳴くと、部屋の中に飛び込みアピールを放ちます。

敵の配置は、ファイター、スカウトが前、その少し後ろにメイド。 さらにその奥にセージです。


「まずはメイドを落とすぞい」


そう言ってまっするがメイドに駆け寄り、持っている斧を叩き付けます。


「クリシュナ!」


わたしの指示でクリシュナもメイドに、スパルナはセージに向かってもらいます。


「……スカウトは私が」


後は、スカウトとファイターをイヅナとナインの魔法で仕留めれば何とか倒す事が出来ました。


「ふむ、スパルナの攻撃は二発当たればセージは倒せますね」


「やはりデーモンでも魔法使いは柔いのう」


むしろメイドの方が硬いらしいですね。


「ここなら今のやり方でよかろう?」


まっするが紅蓮にそう確認を取ります。

紅蓮は頷くと。


「問題はなさそうだな。 ちょっと隣見てくる。 二部屋回せるかも」


そう言って隣の部屋を見に行きました。

その間、わたし達はMP回復です。

と、そこに。


「通りまーす!」「通過します」「おじゃましますー」


と声がかかりました。


「おう、どうぞ」


と、まっするが言うのでこれが普通なんでしょう。

それは三人組のPTで、おやよく見たらKnightsのクランメンバーですね。


そうして部屋を横切ろうとした時。


「うお!? なんだいきなりバフが掛かった…… 舞バフ?」


そのPTの男性が突然声を上げました。

そして彼らが一斉にわたしを見つめてきます。


「巫女さん」「ああ、そういう事か」「俺初めて舞バフもらった」


そして、ありがとうございますとお礼を言われました。

うん、いやわたしなにもしてないんですけどね。


「おーいこっち空いてた…… おん? Knightsか。 こっち空いてるぞ」


戻って来た紅蓮は彼らに気付くと、隣の部屋を勧めます。


「あ、紅蓮さんありがとうございまーす」


「紅蓮さん、舞バフすごいっすね」


どうも同盟関係にあるとバフを掛けていれば、範囲に入った同盟なども勝手にバフが掛かるぽいですね。

紅蓮が彼らPTを見送り、わたしの話を聞くと。


「あー、こりゃ修正入るかもなあ。 ちょっと強力すぎるだろ」


「じゃのう。 まあその分、強化率なんかは他のバフより低いがの」


そんな話をして待っていると、敵が沸きMPが回復したので第二ラウンド開始ですよ。


そうやって一時間が過ぎ、戦果を確認します。


「わたしは、2枚ですね」


「わしも2枚じゃの」


「……1枚」


どうも、設計図はわたしが考えてるより出にくいらしいですね。


「本当は2、3部屋回せれば早いんだが、よく考えたらこのPT範囲攻撃に乏しいな」


そうですね、わたしのマナストームは威力が低いですし、舞バフ掛けている状態だと使えないし。

ナインの攻撃神聖魔法は範囲を覚えないそうです。

あとはイヅナくらいですか。


「まあいいか。 オレがここで待っとくから拠点バフ貰ってこいよ」


そう言われたので、ありがたくバフを貰いに帰りましょう。


10枚貯まるまでがんばりますよ。

そうやってさらに2時間、やっと10枚貯まりました。


いや、出なさすぎでしょう……



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― 新着の感想 ―
[一言] あら、主人公が運絡みで時間かかるとは珍しい
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