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81 金策クエ

『これはあれだね~、人をダメにするねっ!』


シャナが浮かぶ花びら型ベッドの上でだらけています。

お金の関係でわたしは購入を諦めたんですが、そんなに良い物なのでしょうか?

フワフワと漂うそれを見てると、再度手持ちのお金を確認してしまいます。


「話は聞かせてもらった 人類は滅亡する!」


『な、なんだってー!』


突然現れた紅蓮のセリフに、シャナが嬉しそうに起き上がりながら叫び返します。

なにかのネタなんでしょうか? その後やり遂げたような表情で、お互いの拳を打ち合わせていますが。


「まあそれは兎も角、お金ないんだろ? なら金策しないか?」


どうしてお金がない事を知って…… ますよね、散々散財した所に一緒にいたんですから。

それにしても、金策ですか。

まあお金は大事ですし、有り難いですけども。


「OKだな? んじゃちょっとロリっ子も連れてくる」


そう言って、紅蓮はナインの部屋、わたしの部屋の前、に移動し扉を開け放ちます。

そこには幸せそうな表情で寝こけているナインが。


「よーし起きろロリっ子!」


「……ぬぐぅ、なにする赤毛」


揺すっても起きなかったナインにしびれを切らした紅蓮がベッドから引っぺがそうとするのですが、それをさせじとナインが踏ん張ります。


「いいからっ! 遊びにいくぞ」


「……いく」


紅蓮がそう言うと、今までの抵抗がなかったかのように起き上がりました。


金策は王都で受けるクエスト”虚栄の遺産”という物です。

王都研究所の所員ルクルからの依頼で虚栄の塔の設計図を探すという物で、虚栄の塔のモンスターを倒して設計図を10枚集めると500k貰えます。 といっても100%出る訳ではないらしいのですが。

他にも”霊魂達の嘆きの声”や”闇の生贄”というクエがあり、同じクエストモンスターでありながら違うクエストアイテムを落とすので被る事なく受けれるのでおすすめらしいです。

”霊魂達の嘆きの声”は、デーモン達によって犠牲者の魂がツボに閉じ込められているので解放してほしいと、王都の神殿にいる司祭様から受けれるクエです。

”闇の生贄”は簡単でただデーモン系を倒しまくればいいという物でした。

それぞれツボは20個で400k、デーモンは10匹ごとに100kです。

なおツボを開けると中からアイテムが出てくるそうですが、殆どは帰還スクなんだとか。 稀に武器なんかも出てきますが、魂が入ってるツボをどうこうはしたくないですね。

帰還スクが出るのは、故郷に帰りたい閉じ込められた魂の願いとか言われたら余計に……

因みにクエアイテムのツボは壺ではなくツボと表記されます。 なんのこだわりがあるのかは知りませんが。


そんな事を話しながらGKまで移動していると、まさかりまっするに会いました。


「おう、どうした。 狩りにでも行くのか?」


「まっするか、ああ、塔の金策クエだよ」


紅蓮がそう答えると、まっするはそれならと同行を申し出ます。


「なら参加させてくれい、そろそろレベル上げたくてのぅ」


うん? まっするって今何レベルなんでしょ?


「なんだ? もうダンジョンはいいのか?」


「うむ、新規がこぞってやってきてのう。 そろそろあそこの素材も値下がりが始まる頃じゃろうて」


どうも今までは、武器の素材になる鉱物が掘れるダンジョンに通っていた為レベルを上げない様にしていたのだとか、今のまっするのレベルは45なんだそうです。

そのダンジョンは、インスタンスタイプで入れるレベル帯が決まってるのだとか。

そのレベル上限が45だそうです。


「そうかー。 もうあの崖っぷちダイブが見れなくなるのか」


「ふぉっふぉっふぉ。 あれにはお世話になったわい。 ダンジョンの眼の前が崖とか、運営も分かっとるの」


どうやら、レベルが上がりそうなくらい経験値が貯まるたびに、死に戻りしていたそうです。

このゲームは、死ぬと経験値が一定数減る仕様なので。 そして、そのダンジョンは山の中腹にあるそうですね。

オープンβ当時は、死ぬと所持品をドロップしていたそうですが、不評につき無くなったそうです。

死に戻りが推奨される理由の一つですかね。

そういう訳で、わたし、ナイン、まっするでPTを組み、紅蓮が師として参加します。

わたしのテイムは4匹なので1人として勘定されるので、後2人余裕がありますがまあそれはいいでしょう。


まっするは近接物理ATだそうなので、好きに動いてもらっていいでしょう。


「今話題の舞バフを初めて貰ったが、これはいいものじゃなぁ」


現在狩り場の前です。 前のクエでGKは解放してるのですぐでした。

ナインも解放してたのは驚きでしたが。


「こいつ、いろんな狩り場に行ってるらしいぞ?」


「……でも中に入るのは初めて」


と、紅蓮に教えてもらいました。 

ふむ、わたしも色々行ってみるべきですかね。



そんな事を思いながら、壊れて機能していない門を潜り抜け塔の中に踏み込みます。





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― 新着の感想 ―
[一言] その壺主人公が開けたらかなりいいもの出るのでしょうねぇ...開けたくないみたいだけど
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