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80 神獣と花


「あれ? ハインドさん?」


お使いクエを終えて、許可証をもらい入った図書館でハインドさんと出会いました。

とはいえ、彼は今までにもここで神獣について調べものをしていたので会うのはおかしい事ではないのですが。


「ミリオ様も許可証を手に入れられたのですな」


「はい、ハインドさんはやっぱり神獣のことを?」


わたしの問いにハインドさんは頷き、手に持った本を指し示します。


「なかなか興味深い本を見つけましてな」


その本は普通の物よりも分厚く、表紙には宝石が埋め込まれていました。

その埋め込まれた宝石はトパーズぽいですね。


「この宝石は神獣の目を表しているそうです」


そう言って、ハインドさんはその本をわたしに差し出しました。

それを受取ろうとした所、本が手からすり抜けてしまいました。


「あー、個別アンロックか?」


「どうやらそのようですな」


わたしが困惑していると、紅蓮がハインドさんに尋ねます。


「個別アンロック?」


わたしの問いに紅蓮は唸りながら答えます。


「うーん、何と言ったらいいか…… ある条件や段階を踏まないと触れなかったり、見えない事をロック状態って言うんだけど、それをアンロックするのが個人個人の場合を個別アンロックって言うんだ」


「このように、私は触れてもミリオ様は触れない状態ですな。 多分他の方も触れないでしょう、ほら?」


そう言うと、ハインドさんは次に紅蓮に手渡そうとして失敗しました。

これは情報も同じで、どうも神獣の情報は他人から聞いただけではダメらしいとこれまでの調べで分かったそうです。


「つまり神獣の情報を手に入れたければ、ミリオ様自身がここなどで調べる必要がある訳ですな」


ふむふむ、まあそれは最初からそのつもりだったし問題はないかな?


「なんか三次転クエじみてきたな」


「紅蓮様もそう思われますか?」


うん? 三次転クエ?

三次転職は、レベル55から開始して、57から受けれるクエ、59からと順番に3つのクエをクリアする必要があるクエらしいです。

55をクリアしないとレベルが上がらなくなり、次は57といった具合にレベルが止まるらしいです。

その57で受けるクエがこの個別アンロックが関係していて、どの職業のクエもその職業の成り立ちなどを調べる必要があるそうです。

それ以外にも特別な職があり、この段階で調べておくと転職の際に選べるようになるのだとか。


その間にもハインドさんは件の本をペラペラと見ていましたが、すぐに本を閉じました。


「ふむ、やはりですな。 ”この本はあなたの職業では読むことが出来ません”と出ました」


「はーん、神獣の巫女専用なんだな?」


「そのようで」


「ハインドが一応その本に触れるのは、神獣をテイムしてるからかな?」


「可能性はありますな」


ふーむ、色々な仕掛けがあるんですね。

この本以外にも神獣に関した本は沢山あるという事で、わたし達は手分けしてみる事に。

わたしが見つけたのは”神獣と花”という本で、これは神獣とフェーデの花の関係について書いてありました。

かつて、女神ラーファーと神獣達は共にこの世界で過ごしていたのですが、やがて神の世界で戦があり、これをラグナロクというそうです。 そのために、ラーファーはこの世界を離れる事になったそうです。

なぜ、神の世界で戦いが起こったのか、なぜラーファーが戻る必要があったのかは触れられていませんでした。

ラーファーが神獣と別れる際に、必ず戻ってくると誓いを立てたのがフェーデの花と呼ばれる花で、この花はラーファ-がその時に生み出した物なのだそうです。

やがて、人の子の王ザルフェが神の世界に行く為の塔を建造し、天まで届くその塔の強度を増すために材料として神獣の身体を用いる邪法を生み出し、そのために不死の身体だった神獣は死の概念に捕らわれ、やがてこの世界からいなくなったのだそうです。

因みにその塔は、お使いクエで行った”崩れた虚栄の塔”なのだとか。

現在の塔は、20階から上が崩れている廃墟になっています。

そこにデーモン種というモンスターが塔の中をうろついているのだとか。

誰かが塔を破壊したらしいのですが、この本には書いてませんね。

これは他の本を調べる必要があるのかな?

後、これにはハジマリの巫女アルマダの事が書いてませんね。

彼女は一体?

色々と分かった事と謎が増えましたが、時間になったので退館しましょうか。






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