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73 闘いの狼煙

今日は日曜日。 占領戦は午前10時スタートなので、それまでに食器を洗い、お母さんの手伝いを粗方終わらせておきます。

9時前には終わったので、早めにINしましょう。

……IN前に乙女に連絡をしておきましょう。 なんかしなければいけない気がします。



”ミリオ:お早うございます”


”エリザベータ:おはようミリオ早いわね”


”ナインナイン・フォグテール・サーガリアス4世:……おは”


”しいなさん:おはおはー”


”さにゃ:お早う今日はよろしく”


”初めましてよろしくお願いします”



彼女がさにゃさんですね。 エリザベータの部屋で、さにゃさんと合流しました。

彼女はヒューマンの【アルカナメイジ】です。

【アルカナメイジ】とは、召喚によるモンスターを操り敵を倒す魔法使いです。

ただ、モンスターは一種類のみなのがテイマーと違う所でしょうか?


さにゃさんはわたしよりやや背が高く、ちょっと灰色がかったショートの銀髪です。

彼女はヒューマンなのですが、猫耳が生えてます。 これは【アルカナメイジ】の特徴で召喚モンスターの特徴が身体に出るのだそうです。

その彼女の肩には、一匹の小さな黒猫がいました。

これが彼女の召喚獣だそうです。


「悪い遅れたか?」


そうして、さにゃさんと話をしていると紅蓮がINしてきました


「いいえまだ時間には早いわ。 お早う」


「おはー」


「おはよう紅蓮ちゃん」


エリザベータ、しいなさん、さにゃさんの挨拶を受けながら部屋に入ってくる紅蓮。


「おはよう紅蓮」


「おうミリオ、メッセサンキューな」


ちょっと寝過ごした、と小声で謝ってきました。

フフッそんな気はしてました。


「やあ、僕だよ! 待たせたかい? ハニー達」


最後にミルラさんがやって来ました。


「よしこれで全員そろったわね。 今回は私は城に待機だけどナイトテールが指揮を取るはずだから問題はないと思うわ」


エリザベータ含め、数人がここに残るのは占領戦時には城が空から地上近くまで降りる為、戦争に登録しなくても城に攻める事自体は出来るのだとか。 その代わり、占領自体は出来ないのですが。

荒らしまわる愉快犯はいるのだとか。

もしくは名を上げたい人なんかも。

普段砦などの拠点は、許可された人以外は入れないのですが、戦争時には門が開いた状態になるそうです。

これは実は領地城なども同じで、これはお城などの施設が、古代の文明の技術を流用している事が理由なんだとか。

城主交代のシステムもその技術による物らしいですね。

領地城の交感システム部屋は、ファンタジーと言うよりSFな感じなんだとか。

こういった古代の技術は狩り場でこれから見る事が増えていくそうです。



イスファーラス地方の南、ラランドをさらに南下した沼地地域にその砦はあります。

出てくる敵はイスファ リザードマンなどです。

レベル帯は50~65までとなっており、沼地で足を取られやすいとかドロップがあまり良くないとの事で人気はなかった狩り場なんだとか。

でもアップデートでここにダンジョンが出来、需要が高まったそうです。


陣地構築予定地、沼地の中の数少ない平地。 わたし達はそこに到着しました。

その場所にはすでに沢山の人がおり、ガヤガヤと賑わっていました。

その中から一人の女性と、3人の男性が出て来てわたし達の側までやって来ます。


「来られたのですねヴァニティの皆さん」


そう最初に話しかけてきたのはナイトテールさんでした。


「おう紅蓮、今日はうちのわがままに付き合ってくれてありがとうな。 お初の方もいるから自己紹介だ、 おれは宋江そうこう クラン《水滸伝》のクランマスターで、【グラディエーター】。 んでこっちはウチの軍師で呉用ごよう、【エレメンタルサマナー】。 こっちが 公孫勝こうそんしょう【アークメイジ】だ。」


ふむふむ、まさに水滸伝ですね。 天魁星に天機星、天間星ですね。


「初めましてミリオです。 えーと、呼保義こほうぎとお呼びしたほうが?」


わたしがそう言うと宋江さんは嬉しそうな笑いを浮べると、気にせず適当に頼むと言われました。

宋江さんは小説とは違い体格のいい男性です。 顔は穏やかな表情の優しそうな人ですね。

呉用さんは、学者然とした人でちょっと神経質そうですね。

公孫勝さんはこちらも背の高い人です。 水滸伝の皆さんは全員髭を伸ばしていますが、公孫勝さんはさらに長い髭ですね。


実は水滸伝はお父さんの書斎にあり、ちょっと読んだ程度ですが知識はあります。

そんな事を話してると、時間がやってきたようです。


「皆! うちのクランのために来てくれて感謝するっ! そして水滸伝のクラメン達! おれ達の梁山泊を取り戻すために来てくれた彼らにお礼を!」


そう宋江さんが言うと、水滸伝の皆さんが一斉にお礼を言いました。 

本当にありがたく思ってるのが伝わってくるそのお礼の言葉に、彼らが好かれているのがよく分かりました。 そんなお礼の言葉でした。

ふむこれはちょっとやる気が上がったかもしれません。


「もうすぐ開戦だ! 九天玄女の加護の有らん事を!」


最後にそう叫んで闘いの幕が上がります。
















呼保義:宋江のあだ名の一つ、呼保義とは、保義とお呼びくださいの意味で、保義は保義郎という宋の官職で官位が低く、富豪が手に入れやすい官職であった事から、大軍の将ではなく、小役人ですと謙った自称。


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