7 チュートリアル終了!
しばらく見つめ合った後、妖精さんは聞き返してきた。
『え~とつまりこのネズミは可愛くないからイヤ、だということですか?』
「端的に言うとそうなりますかね?」
わたしがそう答えると妖精さんはう~んと悩みだしました。
ごめんなさいワガママな事いってしまって。
でもわたしにとっては大事な事なんです。
『う~むむむむむ…… 個人的には叶えてあげたいんですけど、それをする権限があたしにはないんですよねぇ。 たしかにテイムしなくても戦えるといえば戦えるんですが、テイマーはテイムモンスターがいないと全職最低クラスの戦闘力だし、うむむ。 ごめんなさい』
そういって妖精さんは唸りだし謝ってきましたが、とんでもない! わたしがおかしなことを言ってるだけです。
そう言ってわたしが謝った後、突然妖精さんが上を見上げなにか呟きだしました。
『え? はい、はい。 は~あたしは構いませんけど、むしろラッキー的な? はい、りょ~かいです』
そう言った後わたしに向き直ると妖精さんが話出しました。
『え~とですねさっき上から指示が来まして、テイムモンスターの代わりといってはなんですがあたしがミリオ様に同行する事になりましたがかまいませんか?』
えっ!? 妖精さんが?
「いいんですか? でもそれだとチュートリアルのお仕事はどうなるんですか?」
思わず聞き返したわたしの妖精さんはニッコリと微笑む。
『ああ、問題ありません。 実はこの仕事は半年周期で交代する物でして、そろそろ交代の時期だったんですよ。 ぶっちゃけ次の仕事はランダムでなにかしらのNPCに、これを転生って呼んでるんですけど、転生する事になってたので』
はーそうなんですか。NPCっていうのも大変なんですねえ。
でもそう言う事ならいいのかな?
「ではお願いしてもいいですか?」
『はい~、とはいえあたしはまったく攻撃とかできないんですがいいですかね?』
「かまいませんよ。 ゲームのアドバイスとかいただければうれしいですが」
『それはお任せください! 得意分野ですよ~♪』
そう言うとわたし達は微笑み合う。
『あ! 一応テイムについて説明をしますね。 テイムは基本的にモンスターのHPをある程度、これはモンスターによって変わりますが、減らしてテイムスキルを使用することで一定確率でテイム成功になります。 んでチュートリアルではここまでしか説明しませんが、実はモンスターによっては特殊なテイム方法がある物もあるんですよ~』
と妖精さんは得意げにテイムについて説明してくれます。
うーん…… 妖精さんではあれですねぇ。
「えーと妖精さんって名前とかないんですか?」
『名前ですか? ないですねえ…… そうだ!ミリオ様あたしに名前つけてください~』
ええ!? 名前ですか…… 正直ネーミングセンスが0という自覚があるのですが、うーむ。
妖精、有名な所でティンカーベルですか。 ベル…… だと安直かなぁ。
フェアリー、フェア? うーん。
そこで妖精さん(仮)をよく見て見る。
身長は20cmくらいで物語に登場するスタンダードな姿をしている。 背中には2対の翅があり、髪はショートの金髪で瞳は青くまたクリクリと大きく好奇心旺盛な印象を受ける。
顔立ちはすごく整っていてけっこう美人さんだ。
「シャナ…… でどうかな?」
呟くようにもれた名前ですが、なんとなく彼女にあっている気がした。
シャナはスペインなどの伝承にある妖精で、クエレブレという獰猛な竜に「シャナさえいればなにもいらない」と言われ、人から妖精になった存在です。
たしかシャナも金髪だったはずですし。
人から妖精にじゃないけど、チュートリアル妖精からわたしのパートナーになったのなら似てるんじゃないかなと。
『シャナ、シャナ…… うん! いいですね!』
妖精さん、いえシャナが嬉しそうに笑うとわたしの肩に降り立ち腰掛ける。
「じゃあシャナ。 これからよろしくおねがいしますね」
『はい! よろしくですよ~ ご主人様!』
ごっ、ご主人様って……
「いやいやご主人様はやめてくださいよ。 ミリオでいいですよ」
『そう? じゃあミリオ! よろしく~』
一気にくだけた口調にになりましたが、こっちのがいいですね。 フレンドリーでこれから楽しくやれそうです。
『では、変則的だけど、チュートリアル終了したので共通フィールドに移動するよ~』
共通フィールド? シャナにその事を聞いてみると、こういうチュートリアルや一部のダンジョンという所謂迷宮や特殊なクエストなんかは専用の特殊フィールドに移動するようです。
特殊フィールドは人数制限があったり、クエストを受けた人だけが入れる場所だそうです。
共通フィールドはその逆で、誰でも入れるゲームの基本フィールドの事だそうですね。
『これから行くのは最初の街ファストトだよ。 ここでしばらくレベルを上げたり装備を調えたりするんだよ~』
「分かりました。 ではお願いしますねシャナ」
わたしがそう言うとシャナはビシッと敬礼した。
『りょ~かいっ! ではファストトに移動~』
そうシャナが言うと周りが光に包まれ、気が付くとわたしは喧騒の中にいたのでした。
やっとチュートリアルから抜け出したぜ!