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70 バトル オブ ペンギン

今日の投稿はこれで最後になります。


また明日の投稿をお楽しみに!

お肉を食べ終わり、ペンギンさんはペコリとお辞儀をした後、突然後ろに数歩飛び退き翼を広げこちらを威嚇し出しました。


これは…… ペンギンさんの頭の上に戦闘状態を示すアイコンが付きました。


「……ミリオ、来る!」


ナインはすぐさま杖を構え、迎撃態勢に。

トウカ達も広く散らばります。


そうか、GMはぴぽんさんが言っていた戦うもよしテイムするもってこういう事だったんでしょうか?

いえ、そもそもテイムモンスターは戦ってテイムするのが常識だったはず。 つまりは。


「仲間にするなら戦って…… という事ですね」


わたしも祓え串を取りだし構えます。

皆が構え終わったのを待っていたのかペンギンさんはクエー!っと戦闘開始の合図を上げます。


最初に動いたのはペンギンさんでした。 ペンギンさんは上に向けていたくちばしをこちらに向け、グッと一瞬身体が沈みそしてボンッという音とともに空を飛ぶようにして突撃して来ました。

狙いは、トウカです。

そう気付いた時にはすでにペンギンさんがトウカの《結界陣》にぶち当たっており、消えてはないですが、危険域を示す赤色に陣が染まっていました。


わたしは急いで舞バフを掛け、トウカにすぐ回復魔法を使えるようにします。

再びペンギンさんがグッと身体を沈めた時、クリシュナの【プラントルーツ】がその身体を拘束します。

そこに、イヅナの【サンダーストライク】、ナインの【ソルレイ】が同時にヒット。 どちらかが、もしくは両方か? オーバーヒットした魔法でペンギンさんがひっくり返ります。

そこに最早おなじみとなった最大攻撃を叩き込みます。

クエェー、効いてはいるのかフラフラになりながらも立ち上がるペンギンさん。


そこに高く空を駆けるクリシュナの《強襲》が追撃します。

が、フラフラだったペンギンさんがキッとクリシュナを見据えると、身体ごと回転させ勢いを増した翼でクリシュナを弾き飛ばします。


「クリシュナ!?」


逆に追撃を仕掛けようとしたペンギンさんにトウカが慌てて【アピール】を使いその意識をトウカに向けます。

一撃でHPがレットゾーンに入っていたクリシュナに急いでヒール、8割ほど回復しましたのでもう一度ヒールを掛けます。

それにしても、危なかったです。 防御力が低いクリシュナとはいえ、一撃であんなに減るなんて。


「……ミリオ、長期戦マズイ短期決戦推奨」


ですね。 ナインに頷くとトウカ達にもそう伝え、【魔力増加の舞】を舞います。


しかしペンギンさんはわたし達の考えに気付いたのか、集中砲火を喰らわないようにする為か、今までより大きく辺りを跳ね回るように動き出しました。

太っているように見えて結構俊敏なんですよね。

そして、隙を突いては突撃をしてきます。


「……ムム、猪口才ちょこざいな」


何度目になるのか、大きく飛び退いてからの突撃。

しかし、トウカも何度も受けて来た訳ではなく、その突撃に合わせて一度深く床に伏せたかと思うと、結界陣にペンギンさんが当たる瞬間に体当たり。

これにはペンギンさんも想定していなかったのか一瞬動きが止まります。


ここですね。 「クリシュナ!」


クリシュナの【プラントルーツ】からの一斉攻撃。


……でも、オーバーヒットしなかったのか、ペンギンさんはすぐにルーツを解くと、わたしに向かって突撃してきました。


トウカのアピールもその突撃には間に合わず、すでに飛び立った後でした。

そして……


わたしの準備も終わっていますよ。


「いくよイヅナ、憑依!」


イヅナのスキル《主人に憑依強化》はイヅナが私に憑依してイヅナのステータスを加算し、さらにイヅナのスキルをわたしが使えるようになるという物。 さらに特殊なのは、憑依前に使用したスキルのディレイが憑依した時に解除され再使用が出来るという事。

そして、イヅナの持つ《聖雷魔術》は、光魔法を除けば最速の詠唱スピードを持つ魔法!


「【サンダーストライク】! チーチッチ!!」


わたしとイヅナの魔法力を乗せた渦巻き状の稲妻が、突撃時のために真っすぐ突っ込んでくるペンギンさんを飲み込みます。


「ク、クェ……」


そして稲妻が消えた後にはひっくり返ってどこから出したのか、白旗を上げていました。


「……ミリオ、ちょっと焦った」


「きゅん!」 「にゃうにゃう!」 『いえ~い! ミリオもイヅナもかっこよかったよ~』


ワッとトウカ達がわたしとイヅナに駆け付けます。


「ギリギリですが成功しましたね。 イヅナ?」 「チッチチ!」


憑依を解いたイヅナと健闘をたたえ合っていると、ムクリと起き上がったペンギンさんがこっちをジッと見つめてきました。


『”仲間になりたそうにこっちを見てる”ね~』


とシャナが変な言い方をしますが、ふむ。


「仲間になりますか?」


とペンギンさんに聞くとコックリと頷いたので、使役術の出番です。

やれやれ、まさかボス戦より疲れるとは思いませんでしたよ。



ペンギン(仮)のテイム条件:戦って倒す。

食事を与える時、”魚”を与える。 鮭ならさらに友好度アップ。


つまり、ミリオは一度テイムに失敗している訳ですね。


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