47 裁縫師ドザルタ(変人)
どうしてこんなキャラにしてしまったのか……
王都グランゼイム。 第4の街フォースリアの更に先にあるこの国の首都。
公式設定だと、人口およそ100万の大都市であるようです。
その中央には巨大な城が建ち、まるで辺りを睥睨しているかのようです。
周りにある狩場も40~50代、50~60代、60~70代と多岐に渡り存在し、また街で購入できるクラン拠点も多い事からここに活動拠点と決めるクランも多い。
そして、街の規模にふさわしく冒険に必要な施設の数も最大であるようです。
そんな王都グランゼイムにGKで飛んだわたし達はレーヴェさんの案内で、裁縫師ギルドにいるクエストを出したNPCの所に向かいます。
ギルドに行き、職員から部屋に案内されて二階にある作業室へ。
「入るぞ!」
レーヴェさんはノックもせずに、扉を開け放ちズカズカと中へ。
そこに居たのは、歳は二十代後半くらいでしょうか?
ボサボサの髪に野暮ったい服を着た女性が机に向かってウンウン頭を掻きむしりながら何事か書き込んでいました。
「これ! ドザルタ! 連れて来たのじゃ。 こいつでよかろう?」
レーヴェさんの声に億劫そうに振り向くドザルタと呼ばれた女性は、わたしを見た途端その眠たげな半目を見開きそれこそ飛ぶように近づいてきました。
「なんだい? わたしは大変いそがし…… おうっ! おうっ!! おおうっ!!! いいねすごくいいっ! わたしのハートにズキュンッ! と来た! これはあれかい? これはあれだね? わたしの創作意欲にバーニングでダイレクトでスピリットだね!! あれあれ? きみは誰だい? 君はどれだい? キミは何者だい? 兎にも角にもマーヴェラス! エキサイッティンッ! さあさあこちらへ来たまえお嬢さんっ! ハリアップ! 針UP? わたしが誰かって? わたしはドザルタ。 しがないドザルタっ! しかしやがて裁縫界に名を残すドザルタさっ! さあさあわたしの魂のハズバンドよ。 大丈夫! 一緒に創作の階段をのぼろっ!?」
怒涛の喋りに目を白黒させているとレーヴェさんは慣れているのかドザルタさんの頭を叩きます。
「痛いじゃないか…… えーと誰だっけ? そうそうマーベ君じゃないか」
「レーヴェじゃ! それよりこれで依頼は完了なのじゃろう?」
そのレーヴェさんの問いに、先ほどまでの勢いは嘘のようにドザルタさんは静かにわたし達を見ます。 そして。
「ごぉーーーーーっかくっ! むしろ二階級特進!!」
「殺すでないわっ!」
もう何というか濃い人ですね。 あとハズバンドは夫の事です。
そうしてすぐさま後ろのテーブルに向き直り、なにやら書き込んでいきます。
「待ちたまえよ、待ちぼうけだよ、待ち焦がれるよ! 頭の中にドンドンッアイディーーアッ!が沸いてくるよ、浮かんでくるよ、バーゲンセールだよっ! ここはこうで、いやこうの方が? イヤイヤハスター! 大胆にこう、こういこうっ! むふーーーーーっ! かんせっいっ!」
やっとテーブルからこちらに顔を戻した彼女は、一枚の紙を渡してきます。
「これを火急的速やかに、しめやかに、しらみ潰しっにっ! 持って来てくれたまえ、ハリィハリィハリィ!」
ドザルタさんは、ハリィと言いながらわたし達を部屋から追い出すとバタンッと勢いよく扉を閉めました。
”あいたーーーーーー!? 閉まったけどあいたーーー!? 指を挟んでしまったよ!?”
閉められた扉の向こうで悶絶するドザルタさんの声が聞こえましたが、もう何を言っていいやら。
「……うむ。 さて、集めるクエアイテムじゃが」
レーヴェさんは無かったことにして話を進めるようです。
「ふむふむ、何を集めるんだ?」
完全に空気だった紅蓮もレーヴェさんに乗っかるようです。
さて、それで何を集めるんですかね?
集めるアイテムは、”ナイトメアスパイダーの糸10束”、”オリハルコン10個”、”ウォースミスの金床10個”、”神秘的な布10枚”でした。
そして最後に1Mと……
「ふむ? これは…… なるほどのぅ、このクエの趣旨はわかったのじゃ!」
「ああ、そういうクエかこれ」
なにやら二人は分かったようにお互い頷き合っています。
「何が分かったんですか?」
そう聞いても笑いながら教えてくれませんでした。
むう……
まあいいです。
それで、これらをどうやって探すんでしょうか?
「まずはナイトメアスパイダーの糸はドロップ品だな。 露店で買ってもいいけどついでだから狩っていくか」
「ふむそうじゃの。 オリハルコンは、まっするに頼めばよかろう。 金床もじゃな。 神秘的な布は」
そう言ってウィンドゥを操作するレーヴェさん。
「我が持っておったわ。 つまり糸さえ集めればすぐじゃな」
「OK、なら早速行きますか!」
一度、フォースリアに戻ってからその近くの狩場、幻惑の廃棄場に向かうようです。
では、お城に戻ってバフを貰い出発します。