4 チュートリアルをやってみよう1
目を開いたその前に広がるのは一面の草原でした。
視線を上に上げれば雲一つない青空が広がり、視線を戻し周りをグルっと見渡せばどこまでも続く草、草、草、草だらけでした。
そうそれ以外、山も森や林、街らしきものすらもなにも見えないただ草原が広がっているだけという。
わたしが唖然としていると、ふと視界の隅にウィンドゥがポップアップしているのを見つけました。
そのウィンドゥは最初ただ開いているだけの状態でしたが、わたしが気付かないままだったためか瞬くようにチカチカと光出しました。 わたしが気付いたのはそのためです。
しばらくぼんやりそれを見ていたら、今度は縦横無尽に視界内を飛び回りだしたのであわてて視線ロックして動きを止めました。
止まったウィンドゥになにか書いてあり、それは文章の様だったので読んでみる事にした。
えーと、何々? これよりチュートリアルを始めます。 よろしければYESをチュートリアルを飛ばす場合はNOを押してください。 ですか。
わたしはゲームに詳しくないのでここはもちろんYESですね。
思考制御でYESボタンに意識を集中し選択する。(ちなみにこれをアイクリックといいます。 アイクリもしくはただクリックとも言います)
YESを押した瞬間、ウィンドゥは消え目の前に小さな、20cmくらいでしょうか? の妖精のような半透明の昆虫を思わせる翅を二対背中に生やした女の子がわたしの目の前に浮いていました。
『神無世界ラグナスフィアを遊んでくれてありがとうございます。 私はチュートリアル妖精です。 これよりこのゲームの基本をプレイヤーである貴女にお教えしようと思いますがよろしいでしょうか?』
その妖精さんはちょっと表情が硬い感じですが、この子もヒューマリオンなのでしょうか?
とりあえずお返事しなければですね。
「はい、よろしくお願いしますね」
そうわたしが笑顔で答えると、妖精さんはホーっと安堵のため息を吐いた。 どういう事です?
『ふぁー、よかったです。 やさしそうな人で!』
んん? どういう事でしょう?(二回目)
こう言う時は聞いてみるのが一番ですね。
「あの、どうかしたんですか?」
『あ、すいません。 最近連続で横柄な態度を取ってくる人に当たったもので。』
そういうと妖精さんはペコペコと頭を下げてきました。
「ああ、いえいえ大丈夫ですよ」
そう言ってわたしもペコペコ頭を下げた。
その後、お互いに顔を見合わせ笑ってしまいました。
しばし笑い合った後。
『さてさて~! お仕事とまいりましょ~!』
と、妖精さんは右手を高く空に突き上げながら元気よく言いました。
『まずは基本、メニューの表示方法です。 思考制御でメニューを開くと考えるか、音声にてメニューオープンと唱えるか最初は二通りの方法がありますよ~』
ふむふむ、ではメニューを開く…… あ! 開きましたね。
えーと、メニューに掛かれているのは……
上から、アイテム、ステータス、ペット・サモン、クエスト、マップ、パーティー、コミュニティ、オプション、オンラインショップ、と並んでますね。
『開けましたね? では次にアイテムにアイクリックしてみてください』
妖精さんの声に従いアイテムをクリックする。 すると、さらに別ウィンドゥが開きそこには消耗品、装備・アクセサリー、素材、クエストアイテムの4つの項目が現れました。
消耗品はポーションという傷を治したりするお薬や、宝箱や扉を開ける鍵など使用すると無くなってしまう物が主に収納される場所らしいです。
装備・アクセサリーは武器や鎧なんかが収納される所ですね。
クエストアイテムというのが、クエストと言うお仕事の依頼やだれかからのお願い事なんかの重要アイテムが収納されるらしいですね。 ここにあるアイテムは基本捨てられないらしいです。
次にステータスをクリックすると、キャラクターアバター、つまりわたしの能力値?というのが出てきます。
そこでわたしは驚いてしまいました。
なんとわたしのアバターがリアルのわたしと少し? 変化していました。
まず髪の色が黒髪から綺麗な青みがかった銀髪に、髪の長さも肩口までの長さから腰までの長さに。
そして目の色が紫色になってました。
これだけでも印象がかなり変わる事に驚きましたが、いったいなぜ?
『どうかしましたか~?』
という妖精さんの問いかけにアバターが変化している事、ついでにログイン時にあった事も話してみました。
『お~シス子さんGJ、といった所ですねえ!』
なんでもリアルそのままだとプライバシー、つまりリアルバレの危険があるらしいです。
だからシス子さんは大丈夫か聞いてきたんですね。
そしてシス子さんありがとうございます。
ここらへんのゲーム用語などは他で纏めた方がいいのだろうか?