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41 一回性クエスト

私の初ネトゲ、リ〇-ジュ2リスペクト。

占領戦の話は、まだ2週間も先の事なので余裕はあると言う事で狩りの続きです。

実はトウカがそろそろ20に上がりそうなんですよね。

テイムモンスターはレベル20で進化するんですが、実は18~20がかなり上がり難いです。

次に進化するのが50らしいですが、こっちも45から上がり辛くなるんだとか。

テイマー達からは経験値配分間違ってるんじゃないかと大変不評です。


まあそれはそれとして、今日中にはクリシュナ含めて上がるだろうと紅蓮は言います。


「ついでに、ちょっとお得なクエ紹介するよ」


そう言う紅蓮の勧めに従ってササードの街へ。

なんでも一回きりのクエストで経験値と報酬がいいらしいですね。

トウカならこれで上がるだろうと言う事でした。


「まあちょっと面白い住人から受けるんだけど。 まあ会ってからのお楽しみって事で」


ふむ? その面白い住人は、町の外れにいました。

そこは何やら祭壇といえばいいんでしょうか? 大きな岩を上半分で切り取ったような台の上に、動物の骨のような物をうず高く積み上げ、その祭壇の周りにはかがり火を灯しています。

そしてその祭壇の前にいる人物が。


「ガナージャ・ダンデ! 異種族の勇者よ。ラグダリス・ハーンの祭壇に何用か?」


ガ、ガナ?

その男性は身長2mほどもある筋肉質な大男でした。

特徴的なのはその肌が緑色をしている事と、岩のような強面の顔に下あごから上に向かって突き出た牙でしょうか?


『ガナージャ・ダンデっていうのは、勇敢なる炎よって意味のエルダーゴブリン語ね』


そう耳元でシャナがささやいて教えてくれました。

なるほどゴブリンですか。 小説やなんかで出てくるのでわたしも少しは知っていますが、こんなに大きいんでしたっけ?

そこら辺は後で聞くとして、まずはクエストを受けましょうか。


「えーと、なにやら悩みがあるとか?」


わたしがそう言うと、そのゴブリンは重々し気に頷くと話しだします。


「うむ、実は最近この人間の街近辺にいまいましいゴブリンの面汚し、卑劣にして臆病者のカウラ氏族が住み着いたのだ! ベナレ・グワッ! 我直々にその首引っこ抜いてやりたいが、残念ながら我は今、偉大なる王ラグダリスに捧げる炎を絶やすわけにはいかんのだ。 そこで! 異種族ながら勇敢な者よ、我の代わりにカウラ氏族の薄汚い頭を100! 持ってまいれ! さすれば報酬をやろう」


く、首ですか……


「あー大丈夫。 イベントアイテムになってて直接首狩る必要ないから」


それならいい…… のかな?


”一回性クエスト カウラ氏族の首を狩れっ! を受注しました”


えーと、何々? ササードの南にある丘陵、風車の丘に住み着いたカウラ・ゴブリンを100体倒せ、ですか。

そういえば森ばっかりで他の所には行ってませんでしたね。

わたしと紅蓮は、その丘に歩きながら向かいつつ話を聞きます。


「ある意味ここからが本番でさ。 3森まではモンスターといっても基本動物ばかりだったろ?」


そういえば確かにそうですね。


「んで、この後からこういうゴブリンとかの人型モンスターや、物語に出てくる怪物みたいなのが登場する訳さ」


ふむふむ、段階を踏んでるという訳でしょうかね。

今回出てくるカウラ・ゴブリンはレッサーゴブリン種と言うらしく、街にいたエルダーゴブリンが退化して知恵を無くした下級種なんだそうです。

カウラ氏族以外にも後々沢山出てくるんだそうですね。

それで、今回のカウラですが実はかなり弱く、倒す事自体は簡単らしいです。

その分経験値も少ないそうですが。 ただし100体討伐のため凄くめんどくさいらしいですが、今は人もそんなにいないだろうし、クリア時の経験値とお金は多いと言う事で受けさせたと言う事だそうですね。


「ぶっちゃけ、魔術(無)の5レベルでマナ・ストームって覚えたろ? あれは範囲魔法だからトウカで纏めてぶっ放せばすぐだと思うぞ」


ああ、あの魔法はそうやって使うんですか。

カウラはテイマーの魔法でも簡単に倒せるようですね。

それと、このゲームは仲間の攻撃は当たらないので、こういった範囲魔法などで狩りをする範囲狩りというのもあるそうです。



風車の丘は、なだらかな丘の各所に小さめの風車が所々建っており、風に吹かれてゆったりと帆の部分が回っています。

ああいうのをオランダ型って言うんでしたっけ?


わたしが風車をぼーっと見ていると。 


「にゃう!」


とクリシュナが警告の声を上げます。


ハッとして見ると、すぐ側にある風車の物陰から1,2mくらいの小さな緑色の怪物がこん棒を振り上げながら向かってきます。

それは街にいたゴブリンに似た、しかしより醜くしたような容姿をしています。

その目はまともな知性を感じさせない濁ったような眼でこちらを睨みつけます。


「トウカ、アピール! クリシュナは回り込んで!」


「きゅーーーーーんっ!」


「にゃう!」


さあ、初めての怪物退治ですよ!




ラグダリス・ハーン:エルダーゴブリンの英雄にして王。

焔の神獣ダンデより力を授かり、エルダーゴブリンを導いたと言われる。


カウラ氏族:レッサーゴブリンの中でも最下級の氏族。

すでにまともな知性はなく、動く物ならばなんにでも襲い掛かる。

ただし、臆病な性格でもある為、風車などの大きな物は襲わない。

アクティブモンスター。 リンクあり。


ベナレ・グワ は臆病者という意味

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