29 食堂にて
例によって諸々を済ませゲームにINです。
INすると同時に飛びついてきたトウカ達を問題なく装備して、あ、実はシャナはわたしの頭に移動して肩はクリシュナが担当になりました。
トウカは普通に抱っこされるのも好きですが、両脇に手を差し込んで持ち上げると殊の外喜びます。
クリシュナは抱っこは好きじゃないみたいですが、構わないでおくと何時の間にか寄ってきて頭を擦り付けてきます。 その後撫でてるとふいっと離れていきます。 ツンデレさんですね!
シャナはおしゃべりが好きなんでしょうね。 人がいないときよくわたしとお話ししていますよ。
あと歌が本当に上手です。
紅蓮はまだINしてませんね。 ではトウカ達の好物を調べてみましょうか。
わたし達はお城内の大食堂に移動しました。
ここでは自分で作る事もできるしクランが雇ったNPCの料理を購入する事も出来ます。
「すいませーん。 この子達のご飯を頂きたいのですが」
そう奥で仕込みをしていた女性に声を掛けると。
「は~い! おや? あなた新人ちゃんだね?」
あれ? そう言うって事はプレイヤーさんですかね?
その人は、青い髪を短く切りそろえコック帽を被りコックコートを着こなした女性でした。
「あっ! すいません。 クランの方ですか?」
わたしがそう尋ねると、仕込みの手を止めて対応してくれます。
「そうだよ! アタイは 【ホークアイ】のクリスタだよ。 よろしくねっ!」
「ミリオです。 よろしくお願いします」
そう言って頭を下げると、クリスタさんはニカッと豪快に笑うと。
「ああ、いいよそんな堅苦しい! 仲間なんだからかる~くいこうよ! あっはっはっはっ」
何と言うか気風のいい女性ですね。 とはいえ、紅蓮とはまた違って女性らしさもあるというか。
「それで? 食堂に何の用だい?」
あ、そうでした。
「実はこの子達の好きな食べ物を探してまして」
わたしはヒョイとトウカを掲げ見せます。
トウカは右手、いや足を挙げ挨拶します。
「きゅん!」
「あははは~ こいつは可愛いね! この子達が例の神獣かい?」
「はい、あとこの子もですね」
とクリシュナを指します。
クリシュナはついっと顔を逸らしますがちらりとクリスタさんを見て。
「にゃう」
と挨拶しました。
そしてうちで一番元気な。
『は~いあたしがシャナだよ~ よろしく~!』
と言いながら飛び出してきました。
「おーこれは元気な子だっ!」
そしてふむふむと頷くと、クリスタさんは、ちょっとまってなと言い奥に引っ込みました。
暫くゴソゴソする音が聞こえた後、手に果物なんかを抱えて戻ってきました。
「とりあえず置いてた食材をもってきたよ。 見て見な?」
と言われ、シャナはまっしぐらに果物の山に飛び込んでいきました。
シャナは空腹ゲージはないはずなんですが一番よろこんでますね。
トウカはお肉の所でしきりに匂いを嗅いでいます。
クリシュナは、クリシュナもお肉ですね。 トウカとはまた違うお肉に興味深々です。
「ふんふん、トウカちゃんは脂の乗った肉が好きっぽいね。 クリシュナちゃんは赤身肉と」
『ねえねえ。 たべていい?』
シャナが今にもよだれを垂らしそうな顔でクリスタさんにおねだりしました。
「ああ、いいよ!」
クリスタさんは豪快に許可をだしてシャナの食べっぷりを見ていましたが。
「じゃあその肉で料理しようか? テイムモンスターは調理した方が好きらしいからね」
ここらへんはハインドさんの情報らしいですね。
さっさっと、本当にさっさっという感じで手早く料理を済ませたクリスタさん。
「ゲームだからね。 余計な手間は省略されてるのさ」
と言いながら料理を並べます。
トウカ達の前にはステーキが置かれ、食べやすいように細く切り分けられています。
わたしが食べていいよと言うとトウカ達は一心不乱に食べだします。
「う~ん。 なんかアタイもテイムかペット欲しくなってくるね!」
クリスタさんはニコニコとトウカ達の食べっぷりを見ながらそう言います。
クリスタさんはどうやらリアルでも料理人らしく、毛の問題などでペットを飼えないのだとか。
「料理ありがとうございました」
「いやいや、またおいで!」
食べ終えたトウカ達をクリスタさんとしばしモフった後、食堂を後にします。
そしてシャナトウカクリシュナを装備しなおすと、そこで紅蓮がINしてきました。
丁度いいですね。 紅蓮にいいお肉と果物が手に入る場所聞いてみましょうか。
紅蓮からのチャットで、わたしの部屋に集合する事を伝えられたわたしは急いで向かうのでした。
【ヒューマンレンジャー】→【トレジャーハンター】→短剣メイン【フォーチュンシーカー】→【ゴーストルーラー】
【トレジャーハンター】から派生して弓メイン【アーバレスタ】→【ホークアイ】




