2 キャラを作ってみよう 1
かなり昔に書いて放置していた作品がなぜかUPされていた・・・
とりあえず途中まで書いていた部分を足しておこう。
ゲーム起動を選択した後、眩い光があふれだし思わず目を閉じました。
やがてゆっくりと目を開けるとそこには、どこまでも続いていそうな真っ白な空間とそこに浮かぶ『神無世界ラグナスフィア』というタイトルが大きく鎮座していました。
そしてスっと文字が消えたかと思うと、わたしの目の前に淡く輝く同い年くらいに見える人型が浮かんでいます。
『ようこそ、株式会社アルカシステムワークス社製VRMMO~神無世界ラグナスフィア~へ! 私はお客様のサポートを務めさせて頂きます総合支援システムヒューマノイド通称シス子です。』
突然どこからともなく聞こえた優しそうな女性の声に慌てました。
「えっ? えっ? あ、よっよろしくお願いします。」
思わずペコペコと頭を下げてしまいました。
『ご丁寧にありがとうございます。 それでは、まずアナウンスがご不快であるならば男性ボイス、または文字によるアナウンスに切り替えることも可能ですがどういたしますか?』
「いえ、今のままで大丈夫です。」
『ありがとうございます。 ではお客様の登録者名である朝霧様とお呼びいたしますがよろしいでしょうか?』
「はい。」
そう言われ特に問題も感じないので返事しました。
『では、これから朝霧様にはラグナスフィアにおけるプレイヤーキャラクター、通称PCと呼称させていただきますが、そのPCの作成のお手伝いをさせていただきます。』
「よ、よろしくお願いします。」
ついまたペコペコ頭を下げてしまいました。
でもなんとなくシス子さんの雰囲気が柔らかくなったような気がします。
『では、まずは種族選択からまいりましょう。 種族は、【人間族】、【妖精族】、【土妖精族】、【獣人族】の四種類が現在ご選択することができます。』
ふむふむ、ここは事前情報通りですね。
『種族にはそれぞれ得手不得手が御座います。 まず、ヒューマンは能力は平均的ではありますが、その代わりにラグナスフィアに存在する種族によらない特別な職以外すべて就くことが可能となります。次にエルフ、これは筋力、体力が全種族の中で最も低く、その代わりに魔力、精神力が最も高い種族となっています。ドワーフはエルフと違い、敏捷力は全種族最低ですがその代わり、体力と器用では高い数値を誇ります。 最後にゾアンですが、これはひとことにゾアンと言っても数種類あり、狼や猫であれば敏捷が、熊であれば体力や筋力が、キツネであれば魔力が高くなるといった感じでしょうか。』
なるほどですね。 種族が四種類しかないと思いましたが、ゾアンで色々差別化が出来るんですね。 これは迷いますね。
そこでシス子さんが続けても大丈夫か聞いてきたので、お願いしますと伝えました。
そういえばシス子さんはヒューマリオンなんだったか。
ヒューマリオン、前時代にあったAIではなくヒューマンマリオネットシステムインターフェースと呼ばれるAIに変わるモノ。
AIをはるかに超える機能を持ち、電脳人権法によって電脳内であれば法律によって人権を持つ存在。
その代わり、電脳内のみ存在を許されるのだけど、だからアンドロイドに組み込んだりなどは法律上出来ない。
そう学校では習いましたけど。
ラグナスフィアではほとんどのNPCがヒューマリオンを使っているらしいですね。
これによりNPCが自然な会話や行動を取ることが可能となっているというのがこのゲームの売りらしいです。
そうシス子さんについて考えていると、シス子さんが続きを話しだしました。
『職業ですが、これは基本職と上級職、そして種族特別職に分かれます。 先ほども言いましたが、ヒューマンは基本職はすべて就くことが可能です。逆にエルフであれば基本職の【神官】にはなれません。 あと上級職に派生する職の場合でもなれない職があります。 【戦士】にはなれても上級職の【騎士】にはなれないなどですね。』
むむむ、ちょっと難しくなってきましたね。
私がなりたい職、【魔獣使い(ビーストテイマー)】はどの種族がいいんでしょうか?
シス子さんに聞いてみたところビーストテイマーはヒューマンにしかなれないそうなのでヒューマン決定ですね。
ヒューマンを選択したので次は職業です!