170 クエストを探して
さて、お城に戻ってきましたが落ちるまで少し時間がありますね。
なのでちょっと掲示板でさっきのお墓について情報収集でもしましょうか。
『お? なになに~?』
ひょっこりとわたしの頭の上で寝そべっていたシャナが顔を見せてきました。
「いえ、さっきのお墓について調べてみようかと」
『ふむふむ。 ならクエスト情報板か情報総合板かなぁ~?』
なるほど、ではそこにいって更に検索をかけて…… っと。
そこで見つけた内容というのは、まずは墓に書かれていた文字が読めるという事は向こうの大陸の文字ではないという事。 というのも、このゲームは最初の大陸の文字は自国語で読める、わたし達なら日本語ですね、エレンだとイタリア語かもしくは英語になります。
そして、この大陸の文字でない場合は謎の文字として目にする事になります。
なので”デズデモーナ”と読めるからこの大陸語であると推測される訳です。
1層目の壁にもこちらの大陸語で書かれた物があるらしい事。
3層目、4層目には探してもなかった事。
などからクエストがあるならば2層目で発生するのでは? と言われています。
まあ5層目はまだ探索しつくしていないので5層目にある可能性もあるのですが、そこは情報待ちでしょうか? まあ自分で調べてもいいんですけども。
5層目は魔法耐性持ちが多いのでわたしではきついんですよね。
行くなら紅蓮達の力を借りる必要があります。
後、レイド戦まであまり時間がない事でしょうか。
話は戻しまして、1層目の壁に書かれていた物ですが、かつて国を追われた騎士と貴族の女性がこの大陸に落ち延びてきた内容が書かれているそうです。
冤罪による流刑とも読めるその文章は、恨みのこもった物だそうでリアルに怖いと掲示板で言われていました。
クエストを発生させるにはキーとなるアイテムが必要であるとか、あのお墓になにかギミックがあるのではとか今だ推測の域を出ません。
それかパ・パドヴァのNPCが前提クエを持っているのでは? という意見もありますね。
もう探索するほどの時間はないので今日は無理ですが、明日街で調べてみましょうかね。
ではおやすみなさい。
次の日、学校から帰って諸々済ませたらゲームにINします。
今日は一人で街の探索です。
紅蓮とナインはユーティとエレンのレベル上げに付き合うそうです。
今日中にはわたし達のレベルに追いつくようなので頑張ってほしいですね。
では早速街まで移動しましょう。
まずは歴史学者などのNPCを探します。
元々パ・パドヴァにやってきているのは学者関係者ばかりなので、学者を探すのは簡単なのですが分母が大きいせいで情報を持っている人を探すのはやっぱり難しいですね。
時々掲示板で情報収集しつつ街中を捜索して2時間ほどしてわたしは中央の広場で休憩を取る事にします。
「うーむ、見つかりませんねぇ」
『ふ~む。 んじゃちょっとだけヒント! 向こうの大陸文字、最近どこかで見た話聞いたことない?』
うむん? シャナからの唐突なヒントに頭をひねります。
向こうというのはわたし達が日本語として認識している文字の事ですかね?
それを最近? はて?
暫し私は考え……
あ!?
”ヘクトゴン”!
そうだ、確かにこっちの大陸の洞窟内に書かれている文字なのに日本語で読める…… つまり向こうの大陸文字であるって事です。
わたしは情報板を開き、洞窟の情報を探します。
すると、その洞窟に関する情報がぽつぽつと上がっていました。
それによると、洞窟(含むヘクトゴンの文字)とレイドボスの巨人との間には関係が見いだせないらしいです。
あくまで巨人のいる場所にいくための道でしかないそうなのです。
そもそもその洞窟は巨人時代の物ではないそうなのです。
人の手が入っている事が分かる構造ではありますが、巨人の手によるものではない建築様式。
どちらかというと追憶のネクロポリスに近いのだそうです。
板の住人も何人かが関係性を調べているようですね。
わたしもそっちに行ってみましょうか。
わたしは立ち上がると、GKの元に向かいます。




