163 野営地のレイドボス
次の日、グマナ ゴブリンの野営地へ行く前に、フォースリアの冒険者ギルドでクエスト”グマナの脅威”というクエを受けます。
これは昨日のクエを終わらせると出てくる物で、繰り返し受けれるクエとなっておりグマナ ゴブリンを討伐50体事に50k貰えるという物です。
レベル上げも兼ねてここで金策していきましょう。
今回もわたし、紅蓮、ユーティ、エレン、ナインのPTです。
これまた昨日と同じ場所でレベル上げです。
ユーティ達のレベルがそれぞれ1ずつ上がった所で、紅蓮が何かを見つけたようですね。
「お? あれは族長かな。 珍しいなこの時間に沸いてるなんて」
『族長?』
紅蓮の発言を聞いてエレンが訪ねます。
紅蓮が見ている方を見てみれば、そこには一際大きい体格のゴブリンが居ました。
そこは祭壇のようになっている場所で、モンスターもいなくて不思議に思っていた所でしたが、ボス?がいたんですね。
「レイドボスだな。 丁度いいや、ちょっとシャウトで募集しようか? お前らも参加するだろ?」
と言われたのでユーティとエレンは嬉しそうに頷きました。
勿論わたしも拒否する理由もないので頷きます。
「よっしゃ。 ちょっと待ってな」
そう言うと、紅蓮は一応掲示板でレイドの確保情報がないか見てから、シャウトを始めました。
”紅蓮:グマナの族長 カカントス 沸いてます。 レイド討伐募集します”
”紅蓮:参加者はカカントス前に集合! 21:00〆”
最後の〆は締め切りという意味ですね。 つまり21時までに集合しろという事です。
今は20時を少し回った所なので十分時間はあると思います。
早速、近くで狩りをしていたPTがやってきました。
「すいませーん! 初めてなんですけど参加いいですか?」
「おーう、初心者大歓迎だ。 看板出して座ってて」
そのPTの一人がそう言って寄ってきたので紅蓮が快く参加を許可しました。
そのPTは看板がなにかわからなかったようなので、露店販売でキャラクターの頭上に出てくる吹き出しを使って職、レベルを書いておくという事を説明していました。
ふむ……
わたしは看板を出して座ります。
「お! ミリオナイス! 助かる」
わたしは看板に看板の出し方と何を書くのかを書いて現在座っている訳です。
後からきた人達もお礼を言いながら看板を出そうと操作を始めました。
露店はやらない人はやりませんから、初心者は知らない人の方が多いでしょう。
わたしもそうでしたしね。
その後、21時までには33名の参加者が集まって締め切りとなりました。
集合の間に紅蓮は掲示板にこのレイド募集を書いていて、今締め切りの書き込みを終えましたね。
「よしまずは、参加してくれてありがとう。 レイド募集は久しぶりだったけどよろしく」
その紅蓮の言葉に、何人かが期待してるぞとか紅蓮剣で焼き尽くせ!とか言ってますね。
知り合いでしょうか?
「なにやら見知ったヤツがいるようだが、当然だが俺たち師匠組は報酬ないからな?」
その発言に彼らは笑顔でサムズアップや、笑いながらえーなどと言ってます。
どうやら師弟システムのアプデに伴い、レイドにおいて師匠が参加する際は、討伐報酬を貰わないというマナーが出来ているようですね。
まあ普通に、自分のレベル帯での参加のほうが儲かりますからね。
後、師匠になるぐらいですから初心者のサポートがしたい人が多いでしょうし、初心者に多く報酬がいくようにする事に文句はないのでしょう。
「こっちは、俺、ミリオ、ナインが師匠だ。 そっちは、ハゲてません会長とジャーグリスにまなまなだけかな? そうか、んじゃレイドのPTはさっきまで組んでいた所はそのままで、残りは振り分けるぞー」
その紅蓮の声に、PTを組んでいた人は露店を解除してPTごとに集まってもらい、PTを組んでなかった人は紅蓮が振り分けだしました。
結果、6人一組のPTと3人の半端1PTの7PTになりました。
「準備が整ったらバフ開始しますね」
わたしがそう言って《神楽舞》を始めると初めて見る人が騒めきましたね。
うむん? 巫女は選択しやすくなったと聞いていたんですが、あまりいないんでしょうかね?
謎ですが、今はバフ掛ける事に集中しましょうかね。
各自PTもバフを掛け終わり後は紅蓮の合図を待つのみです。
さあ、頑張りましょう。