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16 トウカの事、その危険性


大声を出した紅蓮は口を押えると、皆に謝りつつわたしを引っ張って皆と少し離れた所に移動しました。


「ミリオ、状況理解して…… なさそうだな」


小声でわたしに問いかけた紅蓮ですが何故かため息を?


「よしいいか? このゲームの設定どこまで知ってる?」


「えーと、神が居なくなった世界ですよね?」


たしかそういう内容だったはず。 その神に世界を任された神獣達も寿命を迎え…… あれ?


わたしはトウカを見る。

トウカは小首をかしげ、此方を見ている。

ああっ! かわいいです。

抱きしめて頬ずりしてしまいます。 


「きゅ~ん♪」


トウカもわたしに頬を寄せてくれます。


『あたしも~』


シャナも参加を表明してきました。


「おーーーい、かえってこーい」


はっ!? いけないいけない。 


「ごめんなさい」


紅蓮は苦笑しつつ話を続けます。


「まあ、その神獣ってのはまだゲームで確認されてない。 設定でもいなくなったぽいしな? ……んでトウカのステータスに神獣(幼体)って書いてる。 これ隠さないとマズイかもしれない」


え? そうなんですか?

わたしが理解してないのを感じたのか、頭を掻き掻きしながら説明してくれました。

曰く、トウカは間違いなくレアなケースである事、こういったリソースを食い合うゲームなどは往々にして他人の幸運レアを妬む者が一定数いるという事、そしてその恩恵にあやかろうと付きまとうような人間もまた一定数いる。

最悪な状況になるとイヤガラセなどもされる危険性もあるのだそうです。


「まあ怖がらせるような事言ってしまったけど、そこまでヤバイやつはそうそういないけどな。 昔はどうだったか知らないけど、今は電脳法とかもあるし、それに……」


紅蓮はそういってシャナに目をやります。


『任せて!』


シャナはそう言っていい笑顔を浮べます?


「もしかしてこの為にミリオについてきたのか?」


紅蓮の言葉に、しかしシャナは首を横に振ります。


『ちがうよ~ まあ上の思惑はどうだかわかんないけど、あたしは気に入ったからミリオといるんだよ~』


「シャナ、ありがとう」


わたしはその言葉が嬉しくて、シャナの頭を撫でてやります。


『へへ~』


「まあとにかく、この件もそうだけどリアルの個人情報も簡単に誰かに話さない事は心がけておいてくれよ?」


そこで取りあえずの対策として、出来れば強力な後ろ盾があれば抑止力になると言われました。 そして。


「と言う事で、うちのクランに入らないか? さっきは話すなって言ったけど、トウカの事はエリザベータやまっするにリナリー辺りには話さないといけないけど」


「え? でもご迷惑じゃ? それに入団の事勝手に決めていいんですか?」


「ああ、一応オレがサブマス、サブマスターだから権限もあるし、でも気になるんならそこに居る訳だし呼んでこよう」


そう言ってしょーいちさんを除いてこちらに呼ぶ紅蓮。(しょーいちさんごめんなさい)


「なに? お話しは終わったの?」


エリザベータさんはこちらに来て、腕組みしながら紅蓮に問いかけます。

そして神獣の事は話さずに、わたしをクランに入れたい事、ちょっと訳アリで守ってやりたい事など三人に説明しました。


「あたしは賛成! トウカちゃんもシャナちゃんもかわいいし!」


リナリーさんはすぐに賛成してくれました。


「わしも構わんぞい。 そもそも困ったヤツを助けるのはこのクランの信念じゃろ?」


まさかりまっするさんも賛成してくれました。


「その訳アリは教えてもらえるのね? というか教えてもらわないと守りようがないわよ?」


エリザベータさんは、しばし考え込んだ後に紅蓮とわたしに問いかけます。

わたしは紅蓮に目をやり、軽く頷くのを確認し答えます。


「はい。 それはお話しします。 といってもまだあまり良く理解してないんですけど」


説明は紅蓮が主導で行いました。 細かい所なんかはわたしとシャナが。 

そして皆がため息を吐きました。


「特大級のヤバヤバ事案じゃん!」


「ふぉっふぉっふぉっ、これほどのもんとは思わんかったわい」


「おそらく、メインコンテンツ、ストーリーに絡む内容よね…… いいじゃない! 最近ちょっとマンネリ気味だったし」


エリザベータさんはそう言うとニヤリと笑い、わたしに手を差し出しました。


「私達は貴女を歓迎するわ。 貴女はどうするの?」


そう言われ、わたしはしばし考えます。

出会って間もない人達ですが、一緒にいてとても楽しいと感じていました。

紅蓮はわたしを助けてくれた人ですし、他の皆も……

一人でいる事にこだわりがあるわけじゃないですし、問題はこの事で皆に迷惑が掛かるんじゃないかと言う事くらいですか。

わたしはリナリーさん、まさかりまっするさん、エリザベータさん、そして紅蓮を見る。

皆笑顔でこっちを見ています。


でも、そうですね。


「よろしく、お願いします」


そう言ってその手を取りました。






しょーいち(皆なんの話してるのかなー、暇だ……)

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