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155 辺境都市ユクシ


「おりゃああああ!!」


ユーティの気合いと共に振り下ろされたメイスは、ディープフォレストウルフの頭にめり込むようにして地面に叩き付けられました。

そして、そのまま粒子となって消えて行く森のボス。


「やったどー!」


ユーティは、そのメイスを掲げながら勝利のポーズを取ります。


「おめー」


「……よくやった」


「おめです」


ディープフォレストウルフは仕様が変更され、インスタンスボス、つまり個人用ボスになったみたいです。

これはクエの敵として出てくるかららしいですね。

それとレアドロップの深緑のイヤリングですが、これは出なくされたそうです。

同じくらいのアクセがクエで手に入るかららしいですが、地属性防御力上昇40%、サイレンスに対する抵抗力上昇30%がないのだそうです。

他にも色々変更がありそうですが、まあそれはそれとして。


「うーん、そろそろ落ちないと」


ユーティは時間を確認してそう言います。

おやもうこんな時間なんですね。

また明日と言う事でわたし達も落ちる事にしました。



次の日、学校にて清美きよみに挨拶をしたんですが、なんか元気がありません。


「どうしたんですか?」


「それが…… うちのウサ太が病気でぐったりしてるの」


ウサ太とは、清美が飼っているウサギで清美の家では3匹ほどいて、その内の一匹ですね。

大喰らいで一番太…… 大きい子なんですが。

今は清美のお母さんが病院に連れて行っているらしいですが、心配ですね。

診察が終わったら連絡が来るようですが、気が気じゃないでしょうね。

他の子達も心なしか元気がないようだとか。

うーむ、昨日楽しかっただけに反動といいますかショックなんでしょうね。

その後乙女も登校してきて、理由を説明し二人で慰めました。

さらにその後、清美のお母さんからの連絡で、食べすぎによる体調不良と聞いて大事はないようでホッと胸をなでおろしました。

どうも母親が夜中に求められるままにエサをやっていたらしいと、清美が怒っていましたね。


今日は一日様子を見たいと言う事で、ゲームはやめておくそうです。

それなら何しましょうかね?


「なら新しい狩場見に行きません事?」


ふむん。 それはいいですね。


「いいですね。 行きましょう」


「では、そういう事で」




ゲームにINし、紅蓮を待ちながらトウカ達をモフモフします。


「きゅんきゅん!」「にゃう!」


トウカとクリシュナが、なにやら追いかけっこして遊んでいますね。

空中を翔けるクリシュナの突撃を上手く躱しながら、トウカは逃げます。

庭には小さな池があるのですが、そこがゴールなのかイズナが待機しています。

クリシュナの最後の攻撃を華麗に躱し、ゴール! という直前にスパルナのお腹に激突、弾き返されました。

トウカもクリシュナも、なにが起きたか分からないといった様子でポカンとしています。

代わりにスパルナがドヤ顔でふんぞり返って…… イズナの攻撃で池に落とされましたね。


その後は喧嘩するでもなくトウカ達は集まってまたなにか始めました。


「楽しそうだなぁ」


おや?


「こんです紅蓮」


「こんミリオ」


何時の間にか紅蓮がINしていたようです。

後はナインですかね。


「なあ、あそこで埋もれてるのロリっ子じゃね?」


うん?

そう言われトウカ達が集まっている所を見てみると、スパルナにのしかかられて呻いているナインがいました。


「……しんゆう、助けるっ!?」


そんなナインを、紅蓮がナインの腕を持ってスポっと引き抜きました。

どうも昨日、ナインはここで落ちたらしくINして突然沸いたナインにトウカ達が群がったらしいですね。


さて、それでは色々ありましたが新狩り場に向かいますか。

メンバーはしいなさん、ジャーノさんを入れた5人で、しいなさん達は向こうで待ってます。

では新狩り場である、辺境の都市ユクシにまず向かいます。

お城のGKで飛びササッと到着します。


ユクシ、そこは辺境伯の統治する都市で、王都に勝るとも劣らない大都市です。

他国の、隣接する帝国の文化を取り入れた独自の文化はある種王都より進んで見えます。

NPCも、帝国人である浅黒い肌に金髪というこれまであまり見なかった人種も見受けられ、それ処か東洋人風な容姿の人々まで見る事が出来ます。

建物も背の高い、5階建てのビルじみた物が多く立ち並び、道路の端に青白い光の筋が走っています。

これは、この筋のある所からは入る事が出来ないようになっていて、無理な横断が出来ない様になっているようですね。

そして道路にはひっきりなしに馬車が通っていて、かなり危ないです。


「はあー、近代的というか今までとは全然違う感じだな」


わたし達は道路に隣接された歩道を歩きながら、集合場所の北門に向かいます。

しばらく歩くと、大きな門が見えてきました。

人もかなり出入りしており、しいなさん達を探すのは一苦労じゃないかと心配しましたが、しいなさんとジャーノさんが先に此方を見つけたのか、しいなさんはわたし達に気付くと手を振ってきたのでそこに向かいます。


「やほー」 「こん、三人共」


「お待たせしました」


「こん」


「……待たせた」


ではでは、早速向かいましょうか。


ユクシはフィンランド語で1の意味です。

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