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154 ユーティの一次転職


「そう言えば」


森に向かって歩き出しながら、紅蓮がユーティに尋ねています。


「バッファーになるんだろ? スキルとかどうすんだ? いくつか本やろうか?」


ユーティは、そう聞いてきた紅蓮を何とも言えないような表情をしながらも答えます。

未だその口調に慣れないんでしょうね。


「それなんだけど、クエをクリアするごとにアイテムとか貰えるんだけど、そのなかにスキルブックもあるんだよね」


それを聞いた紅蓮とナインそしてわたしも驚いた表情を見せた事でしょう。


「まじか…… 至れり尽くせりじゃないか」


「……これまでの苦労が」


うーむ、便利ではあるんでしょうけど、これどうなんでしょうね。

なにか思い付いたのか紅蓮が掲示板をチェックし出しました。


「やっぱりか…… 軒並みスキル本の値段が暴落してる」


あー、やはりそうなりますか。

わたしも見てみましたが、汎用性のあるスキル、【MP回復力上昇】だとかのスキルなんかはチュートリアルで貰えないらしく値段は変わらないようですけどね。

そんな事を話しながら森に到着しました。


森に到着してすぐ、ユーティが空中で手をかざし出しました。

ウィンドゥを操作しているんでしょうね。


「よし、クエクリア、次は森のモンスターを倒せだって」


「おk、んじゃウルフ辺りかな?」


見つけたウルフを紅蓮がひきつけてユーティが【マナバレット】で倒します。

すると、ユーティのレベルが上がったらしくニコリとサムズアップしてきました。

聞くとレベルが8になったそうです。

一匹でもう8ですか。 たしか会った時は5くらいだったような?


「まあ一次転まではサクサクいかせるつもりだろうなあ」


どうも、ライバルと言われるValhallaka(ヴァルハラ) Crown(クラウン) Frontier(フロンティア) Onlin(オンライン)通称VCFOが大規模アプデで大量の顧客を獲得したらしく、焦っているのではないかと言うのが紅蓮の考えのようです。

なんでも名物プレイヤーと呼ばれる人がそのアプデに関わっているのだとか。


「名前はなんて言ったかな?」


「……デビリータ」


「おお! そうそうそんな名前だったはず。 よく知ってるな」


「……リアル姉」


「は?」 「ほえ?」


え? そのデビリータさん? がナインのお姉さんなんですか?

とりあえずその話は後で聞くとして、まずはユーティのレベル上げをしましょうか。

しかしVCFOですか。 こっちにするか最初悩んだゲームだったかな? テイマーを見てこっちにしたんですけどね。

そして10分もしない内にレベル10となり、ユーティが一次転しました。

これでヒューマンメイジからクレリックになった訳ですね。 そこから二次転でプロフィットを目指すと。

一度戻ってクエの報酬を貰いたいという事で街に戻ります。

街にはポストという、クエ報酬や運営からのプレゼントが送られてくる物がアプデから登場したそうでついでにわたし達も確認しに行きます。

そのポストは冒険者ギルドの入口前にあり、結構な人がいましたが、近づくだけでウィンドゥが開きそこから操作出来るので、人が多くて利用出来ないという事はないようです。


「見て見て~!」


操作の終わったユーティはその装備を一新させていました。

わたしが持っていたひよこローブに似たローブ装備で、色は空色のローブに白いグローブにブーツ。

ワンポイントに胸の所に、ディフォルメされたネコをあしらった意匠がされています。


「結構かわいい装備ですね」


「でしょ~! 気に入っちゃった!」


名前は修行者のローブというようです。

能力的には研修生のローブセットと同じようですけど。

武器はメイスを貰ったようです。 魔法で戦わないんですね。


「殴って補助するバッファーになるよ~!」


ユーティはそういってメイスを空に掲げます。

なんでもウォークライヤーという職を目指しているらしいですね。

接近戦とかわたしには無理ですが、ユーティなら問題ないでしょう。

運動神経はいいですしね。

まあ、思考制御のゲームで運動神経がどれくらい有利に働くのか知りませんけど。

紅蓮を見ると、結構関係ある気もしますが。


さて、わたし達にもプレゼントが入っていました。

経験値2倍スクロールが10本ですね。

まあそんなもんかと紅蓮は笑っていました。

もっといい物が貰えると思っていたのかナインはショボンとしていますが。


次のクエ対象は森のボス戦だそうで、懐かしいですねディープフォレストウルフ。

ユーティの準備が整ったら早速向かいましょう!


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