142 お昼休みにて
特に特定の個人、団体、作品についてのお話しではありません。
次の日、明日から中間テストが始まる訳ですが。
今日は天気もいいので中庭でお昼を頂きます。
そうして、お昼休みにラグナの公式をチェックしていた乙女が声を上げます。
「あら? いきなり新情報がアップされてますわ」
そう言ってCOMの情報を見せてきます。 どれどれ?
”新スキル【詩魔法】:詩と伴奏に合わせる事により新しい魔法を使用出来る。”
書いてるのはこれだけですね。
歌とか踊りとは違うのでしょうか?
「これを見るとバフ系じゃないかもしれませんわね」
そう言ってさらに情報を見せてきます。
そこには楽器を持った男性が、楽器を奏でながら音符らしきもので敵を攻撃してる画像がありました。
「歌、踊りが使ったら面白い事になりそうですわね」
今の所、歌、踊りの職は攻撃手段が限られているそうです。
歌、踊りはバフを掛ける際、歌は楽器で演奏、踊りは普通に踊る必要があるので大きな武器を持っていると踊りにくいらしいですね。
楽器で攻撃する手段があれば、いちいち武器を交換しなくても済むはずですね。
ミルラさんのギターアックスは、そこら辺を考慮した武器だと言う事です。
「ふーん、私も早くやりたいなあ」
清美が情報を覗き込みながらそう言います。
どうやら試験勉強は終わったらしいですね。
「それなんですけど、6月のアプデでチュートリアルクエっていうのが出来るらしいですよ?」
そして、一次転職が楽になる事を告げると。
「6月まで待つのか~。 それか気にせず始めるか。 悩む」
「6月上旬にアプデですから、そこまで待つ事はないですわね」
清美は俯いてウンウン悩んでますね。
しかし、すぐに顔を上げて。
「まあ、まずはテストを攻略してからだけどね~」
確かに、そもそもゲーム、というかVRギアを買ってもらえるかどうかはテスト結果に掛かってますからね。
「そういえば、このゲームってNPCの対応どうなってるの? 人間みたいなリアルな対応してくるとか?」
「そこら辺は普通のゲームと同じですわね。 さすがにあのゲームの二の舞はいやでしょうし」
あのゲーム?
「あー、”夜明けのヴァルハラ”だっけ? 超リアル宣言とかいって、NPCが人間と全く同じで好感度も一人一人に実装してるって触れ込みだった」
「へーそんなゲームがあるんですね」
「いえ、サービス開始2か月で終了しましたわ」
え? それはまた早いですね。 一体なにが?
「リアル過ぎたって批評にあったかな? コミュし…… ゴホンッ、会話が煩わしいって人もいるからね。 ”ゲーム”をしてるのに、リアルな対応をしなくちゃいけない、というかさせられるのはまあ私もいやかかなぁ」
「まあそういうコミュニケーションツールは他にありますし、わざわざMMOでやる必要がないと言われればその通りですけども」
ふーむ、まあそういった対話に慣れてない人がそういうゲームに入り込んで、さあ会話を楽しめって言われてもあれですかね。
そういう人は、ゲームを楽しみたいんであってリアルを楽しみたい訳じゃないでしょうし。
なので、ラグナは適当にゲームを楽しみたい人はそれなりの、ガッツリロールプレイや会話を楽しみたい人にはきちんとした対応が出来るヒューマリオンシステムが必要なんですね。
リアルについては昔から色々な批評なんかがあったそうですが、ゲームである以上はどうしてもリアル”ぽい”事が優先されますね。
小説や漫画もそうですが、リアリティーがないとか言われても、そもそもリアルな訳ないんですよね、創作なんですから、あくまでそう感じられるくらいにしかできないし、そもそも人によるとしか言えませんしね。
結局見た、読んだ人が納得したいか、したくないか。 でしかないんですよね。
自分の考えてる通りなら納得するし、自分の考えと違うから否定するだけでそこに”公平な正しさ”はないんですよね。 そもそもリアルじゃなきゃいけないと言う法律がある訳でもなし。
まあ、多くの人が納得出来る物を目指す事はおかしな事ではないですけどね。
いえそれしか出来ないと思いますが。
なんか話題がずれましたが、ラグナは今のままでいて欲しいですね。
さてそんなこんなで、お昼休みも終わりそうですね。
教室に戻りましょう。




